西澤 晋 の 映画日記

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2009年 01月 09日

ブレードランナー(1982) ☆☆☆☆☆

f0009381_250283.jpg監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:ハンプトン・ファンチャー
    デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
撮影:ジョーダン・クローネンウェス
特撮:ダグラス・トランブル
デザイン:シド・ミード
音楽:ヴァンゲリス

出演:ハリソン・フォード
ルトガー・ハウアー
ショーン・ヤング

     ×     ×     ×

私がアニメ業界に入って3年目にフリーになり、それまで当時所属していた会社以外の人とアニメの絵作りやらドラマ作りやらを話す機会が増えて来た。そのころ、アニメ業界には2つの “must see ”モノがあって、 その1つはダニエル・キースの小説『アルジャーノンに花束を』、もうひとつはP・K・ディック原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を映画化したこの『ブレードランナー』なのでした。 当時の映画を知る人にとっては、とってもメジャーな作品なのですが、 あれからも20年、知らない人もそろそろ出て来たのだろうとおもい、ここで一発紹介することにしたのでした。

時は2019年(今から16年後の話なのかと思うとちょっと違和感があるけど‥‥)、空気が濁り、いつも酸性雨が降っているロサンゼルス。人間に反逆し、植民惑星を脱走した人造人間=レプリカントが4体潜入していた。<ブレードランナー>とは、このようなレプリカントを捕獲、抹殺する役目をおびた特殊警察官(といっていいのかな?)であり、ハリスン・フォード扮するデッカートもその一人。 とある煙った一室(リドリー・スコットの画面にはいつもスモークがしがしなのである‥‥はは)、背広でメガネの男と向い合せに座って面接らしきものをうけてる男。背広の男は、やたらと感情を刺激する言葉をならべる。「君は砂漠をあるいていると、亀がのたのたとやってくる。君はその亀をひっくりかえす‥‥」 じつはこれ、VKテスト(フォークト=カンプフテスト)といって、感情を刺激する言葉を与え、目の瞳孔の反応をみるテスト。いかに人間にちかい反応をするアンドロイドとはいえ、感情の反応速度は人間のそれとはコンマ何秒かの遅れが生じるらしい。
物語のなかでは、そのテストが唯一の人間とアンドロイドをみわけられるテストという設定になっている。 でも、最初見た時には、それがなんなのか、全然わからなくって、原作をよんでみてやっと分った次第。 結局その男(実はレプリカントの一人)、「君の母親について聞かせてくれないか?」の問いの時に、背広の男を撃って逃亡したのでした。。。
そんなわけで、エージェントの一人を失った警察機構は、リタイヤしたはずのデッカートを再び呼び戻す事になる。 そんなデッカートは、リトル東京でうどんなんかたべてたりする。

始めてこの映画を見た時はけっこうカルチャーショックでした。未来世界と日本文化、ビジュアルにするとこうなるんだって感じで、それまでみてきた未来世界のビジュアルとは全然違った印象。この映画の味の1つはこの日本文化を取り入れた未来世界のビジュアルなんですね。あのスモークもくもくの未来の街のセット、リドリー・スコットの代名詞になっちゃいました。でも、そしてそののち『ブラックレイン』で、ほんとの日本をセットで表現できないかといどんで‥‥こけた。当時は、リドリーがどんなふうに大坂の街を映像にするんだろうと期待してあんだけど、さすがにあれはちょっとちがうぞって感じでしたね(苦笑)。ブレードランナーとして復帰したデッカートは、脱走した4体のレプリカントと同じタイプのやつがタイレル社(レプリカントの製造会社、可能な限り人間にちかい人造人間を作ることを目標としてる企業)にいるときき会ってみることにする。カープ社長室にとおされると、レイチェルと名乗る女性が出迎えてくれた。やがてタイレル博士本人があらわれると、かれはVKテスト(フォークト=カンプフテスト)がどんなものか見てみたいと、レイチェルでデモンストレーションをすること促す。
感情を逆なでする質問をするデッカート、さくさく答えるレイチェル、テストがおわるとタイレルは彼女に下がるように言う。 「彼女は‥‥知ってるのか?」、デッカートがタイレルに聞く。 うむむむ‥‥、やっぱりまだ人間と同じというわけにはいかないなあっとちょっと悔しいタイレルではあるが、 ま、そこは大人、そんな感情を隠してさらさらと答えるタイレルであった。。 レイチェルは、自分がレプリカントだということをしらないレプリカントなのだ。。。
デッカートが一仕事おえて自宅にかえってみると、レイチェルが待っていた。 彼女は、自分がレプリカントなのか人間なのか、その答を探していた。レプリカントは、最初は感情はないが、数年していくと感情がめばえてくる。その感情をコントロールしやするために、レイチェルにはタイレルの姪の記憶が埋め込まれていた。 デッカートは非情にも、そのことをばらしてしまう。人格とは<記憶/その人の歴史>なのである。このテーマはのちに『甲殻機動隊』で押井守がやってたりするので、興味のある方は一度みてみるのもいいかもしれない。脱走した4体のレプリカントもそろそろ感情が芽生えてきているが、彼等の寿命は4年程度。もうすぐ尽きようとしていた。彼等は創造者であるタイレルに会い、その命を伸ばしてもらうことを望みとして地球にもどってきていた。その首領のバティはなんとかタイレルまでたどりついたが、物理的に延命は不可能だと知らさえれ、タイレルをも殺してしまう。仲間のレプリカントたちも一人、また一人、デッカートに抹殺されていった。 バティは残りの命を、仲間の復讐、デッカートを殺すことに燃やす。自分の身体の機能がすこしづつ不調をきたしてくるなかで、デッカートを追い詰めるバディ‥‥、 絶対絶命のデッカート、そのときバティは‥‥。

ハードボイルドなストーリー、冷徹なデッカート、人間っぽいレプリカントたち、酸性雨の降る未来都市リトル東京。 シド・ミードの怪しく独特の美術でザイン、そしてスモークもくもくのリドリー演出。 シド・ミードとは『エイリアン』(1979)でもコンビを組んでるリドリー・スコットですが、 彼等がつくりあげたこの2本『エイリアン』『ブレードランナー』は、80年代映像業界のだれも追ったSF映画の金字塔だったのです。

by ssm2438 | 2009-01-09 22:19 | リドリー・スコット(1937)


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