西澤 晋 の 映画日記

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2010年 04月 10日

エレクトリック・ドリーム(1984) ☆☆☆☆☆

f0009381_3163144.jpg監督:スティーヴ・バロン
脚本:ラスティ・レモランデ
撮影:アレックス・トムソン
音楽:ジョルジオ・モロダー

出演:レニー・フォン・ドーレン
    ヴァージニア・マドセン

     *     *     *

数年前アカデミー脚色賞を取った映画『サイドウェイ』、知る人ぞ知るワイン好きのロードムービーの話である。そのヒロイン役で年取ったけど懐かしく美しいそのお姿を拝見できたのがヴァージニア・マドセン。嬉しゅうございました。ちょっとまえに『キャンディマン』なる映画にでてたきは、「わあ、なにこれ? これがあの美貌をほこったヴァージニア・マドセンなん??」ってびっくりすぐらいデブになっておられて、それでもヒロインに使ったプロデューサーもプロデューサーだなあって思ってしまった。まあさすがにお金がないのだろうからそういうことになったのだろうが。
しかし、そんなヴァージニア・マドセン、この映画で見事に復活してました。たしかに年は取ってるけどちょっと以前の体型にほぼもどり(まだ多少はデブかもしれないが)きれいなおばさんになって登場、2004年のニューヨーク批評家賞、ロサンゼルス批評賞の助演女優賞をほとんどとってしまった。
嬉しい。
彼女、ある意味シャーリズ・セロン的。純粋美人系なんですが、目が白め勝ちで悪女も出来るちょっと不思議なテイストをもつ人。そんな彼女がまさに純粋美人系を貫いた作品が『エレクトリック・ドリーム』。とにかく可憐。この「可憐」という言葉がいちばんあてはまる。

ちなみにこの映画と同じ年の映画で有名なのはなんといっても『ターミネーター』アヴォリアッツ・ファンタスティック映画祭でグランプリを取ったことはみなさん知っておると思われるが、その年のファン選出第1位 <黄金のアンテナ賞>に輝いたのが実はこの『エレクトリック・ドリーム』。とにかく楽しい作品。監督はスティーブン・バロン。ミュージックビデオのディレクターだったらしく、音楽的な見せ方はとっても上手い。画面 づくりはすっごくステディに上手いのである。どれとっても決まった画面 になり、音楽とマッチするとのりのりの画面 になる。当時はCGをつかった画面 もとっても新鮮でたのしい。今見てもパソコン画面 をとりこんだ映画としては最高級の編集テクの産物ではないかと思われる。

f0009381_1244557.jpg<あらすじ>
ある建築会社で腹いているマイルズは怪しい耐震性のブロックを開発してる建築デザイナー。そんな彼がアパートにパソコンを買い込んできて、室内の電気器具を統一管理することにした。ひょんなことからキーボードにシャンペンをこぼしたりして、なんだかわけのわからないまま、コンピュータが意志をもつようになる。
そんなある日、マイルスが留守の間にマデリン(ヴァージニア・マドセン)が上の階に引っ越してくる。
ひっこしもひと段楽したある日の午後、換気口から聞こえてくるチェロの音。
その音をマイクが広い、同調して音をシンセサイザでだしたりするパソコン。
マデリンも、下の階の人が、自分の出す音に同調して音楽を奏でてる不思議に気付く。で、一曲流してみると、下の住人らしき人も同調してくる。ここの描写が素敵。上の階では華麗なヴァージニア・マドセンがチェロを弾き、それをサポートするように下の階パソコン君がメロディを刻んで行く。インディケーターのデジタルな表示がリズミカルに描写 され、満足げに弾くヴァージニア・マドセンがとても美しい。ここの描写 だけでもうこの映画は見る価値十分。

マイルズもマデリンと出会い好意を持ちはじめるが、マデリンはあの時一緒にハモったのはマイルスだと思い込んでいる。パソコンにマデリンを想った曲を創らせると、最初はあきれたようなとんちんかんなものしか出来上がってこなが、徐々に「想い」のコンセプトを伝えてやると素敵な歌詞とメロディになってくる。
それは意志をもったパソコンのマデレーンの想いを語ったメロディであり、それを理解できてしまうマイルズは「これは彼女にはあげられない」と呟いたとき「なぜ?」とマデリンの声。いつのまいやら部屋に入ってきていた彼女はそのメロディを聞き、さらにマイルズに親しみを感じて行く。と、同時に、自分が盗作して彼女を心を惹き付けているような罪悪感に襲われるマイルズ。
そしてパソコン君も、自分の創造したメロディに彼女が弾かれているにもかかわらず、良いとこ取りされてしまっていることにだんだんと悔しさをおぼえていく。

さて結末はどうなる‥‥。


テーマ的にはかなり緩い話です。つきつめれば、“女がほれるのは、努力や、才能じゃなくって、フィーリングなのよ。ダメ男でもやさしけりゃいいのよ‥‥”みたいな、もてない人間の魂救済映画であることは否定出来ないのだか、あまり真剣に哲学しながらみてはいけない作品。 とにかく画面づくりと音楽の掛け合わせがほんとにすばらしいので、のりにまかせて気持ちよく見よう。
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ぜひ一度、若き日の美しかりしヴァージニア・マドセンを見ていただきたい。

by ssm2438 | 2010-04-10 14:08


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