西澤 晋 の 映画日記

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2009年 10月 06日

ショート・サーキット(1986) ☆☆☆☆

f0009381_3574210.jpg監督:ジョン・バダム
脚本:S・S・ウィルソン
    ブレント・マドック
撮影:ニック・マクリーン
ロボットデザイン:シド・ミード
音楽:デヴィッド・シャイア

出演:アリー・シーディ
    スティーヴ・グッテンバーグ
    フィッシャー・スティーヴンス

     *     *     *     *

監督は数々の専門分野を上手に映画にしてしまう職人ジョン・バダム
フロアーダンスを料理した『サタデーナイト・フィーバー』
戦闘ヘリを料理した『ブルーサンダー』
ハッカー少年のパソコン術を料理した『ウォーゲーム』
自転車レースを料理した『アメリカン・フライヤーズ』
スカイダイビングを料理した『ドロップゾーン』
贋作画家のテクニックを料理した『迷宮のレンブラント』・・、どれも専門性をきちんと披露しつつ、映画として楽しい仕上がりになっている。そんななかでもっとも楽しい仕上がりになっているのがこの『ショートサーキット』ではないだろうか。

しかし、この映画に関して言えば専門性というのはあまり表にでてなくて、それよりも庶民性を披露した映画といえる。その下地として、本来専門性うめつくされてるはずのロボット工学の結晶ともいうべき戦闘ロボットをみせ、その相手を庶民性で処理してしまう逆転の構図。相手がロボットだろうがなんだろうが庶民的に接するアリー・シーディーがとてもチャーミング。
彼女がジョン・バダムの映画に出たのは『ウォーゲーム』(1983)につづいて2本目。あのときはスポーティーなハイスクールガールだったが、3年たつと社会人の女性になっている。うむむむ・・・しかし、ジョン・バダムの映画には彼女が良く似合う。
当時の彼女は青春映画の金字塔『セントエルモスファイヤー』『ブレックファスト・クラブ』などでやんややんやのスターだった。それなのになんでそのごはしぼんでしまったのだろう。・・謎だ。

<あらすじ>
ノヴァ・ロボティックスは世界最先端のロボット開発会社であり、クロスビー博士(スティーヴ・グッテンバーグ)、べン・ヤビタヤ博士(フィッシャー・スティーヴンス)らに来るべき最終核戦争に備えてた戦闘ロボをかいはつさせていた。政府高官を招いたデモンストレイションのあと、軟体かあるうちの一体が落雷をうける。ファンタジー映画で落雷を受ければ無機質なものでも生命をうけるのが常である。
この映画でも例外にもれずナンバー5は生命をもってしまい、偶然にもごみ廃棄トラックにのせられてしまい施設の外に迷い出ることになる。会社は、速やかなる回収、最悪の場合は破壊することもやむ終えないと判断し、警備主任のスクルーダーにその任務をおわせた。そんなことになったら長年の研究成果がパーになってしまうと開発者のクロスビーとベンもほとんど出たことのない市内へくりだす。

その夜、移動レストランを経営するステファニー(アリ・シーディ)はナンバー5を見つけてビックリ。初めは異星人だと思い喜ぶ。「ウェルカム・アワ・プラネーット」とっ子路良く受け入れる。なにかにつけてインプット(情報を吸収すること)したがるジョニー5はステファニーのところにある百科事典を猛スピードで読破、つづけてテレビ番組を延々みつづける。「そんなにテレビばっかりみてると頭のわるい宇宙人になっちゃうわよ、もう寝なさい」ってテレビを消すが、だだをこねる子供のようにテレビをつけかえす。
とにかくシド・ミードのデザインがすばらしく、その眉の部分とか胸鎖乳突筋にあたるシリンダーとか、おそろしいほど感情表現ができるロボットなのだ。そしてやんちゃな子供のように無邪気な性格、恐ろしいまでの情報収集ぐせ、このキャラクターはすばらしい。

スクルーダー率いる会社の警備部隊は破壊してても持ち帰ると攻撃的な構えだが、ナンバー5は会社にもどれば分解される=殺させるとおびえる。ステファニーはこのロボットは生きていると主張するがそんなことを聞きはずもない警備部隊、合えなく電源スイッチを切られ沈黙するナンバー5。
しかし護送車のなかでは、車の振動の拍子に腕のパーツが電源ボタンの上に落下。乗っていた警備兵とベンを追い出しそのまま車を運転して逃走してしまう。とにかくこの辺のしぐさがとてもかわいいナンバー5。ステファニーの元に戻ると彼女は入浴中。「ステファニー’s、チェンジド カラー」と表現するがナンバー5だがタオルをなげつけられる。そのあとテレビで放送していた『サタデーナイト・フィーバー』にあわせてふたりでダンスをしたり・・ととても楽しい。

クロスビーとナンバー5とステファニーは追っ手から逃走し荒野で野宿。
ナンバー5が生きているとなかなか信じないクロスビーはいろいろテストをする。ステファニーがもってきたスープを紙の上にたらしたたんでまた開く「これが何にみえる?」とたずねるクロスビー、
「紙パルプ、植物、野菜、トマト、水、塩、グリココミン酸・・」ナンバー5は答える。
「よしよし、ロボットらしい答えだ」と満足するクロスビー、しかしそのあとナンバー5ば続ける。
「でも良く見ると・・・チョウチョにも似てる、鳥とか・・マイプルリーフ・・」

でもまだ信じない。朝までにらめこしていたクロスビーがふと思い立つ。ジョークだ!
クロスビーは勢い良く修道院のジョークを切り出す・・。
なにいってるんだ、こいつ・・みたいな反応のナンバーファイブ。しかし突然笑い始める
「うわああっ、はあああっ、はあああっ、はあああっ
 うふううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ」
「こいつ、オチを間違えたのに笑ってる・・」とナンバー5が生きているということを認めるクロスビー。
「うわああっ、はあああっ、はあああっ、はあああっ うふううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ、ふうううううっ」
朝焼けの荒野にナンバーファイブの笑いがこだまする。

by ssm2438 | 2009-10-06 04:00 | ジョン・バダム(1939)


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