西澤 晋 の 映画日記

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2009年 08月 27日

プリティ・リーグ(1992) ☆☆☆☆

f0009381_5152413.jpg監督:ペニー・マーシャル
脚本:ローウェル・ガンツ
    ババルー・マンデル
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
音楽:ハンス・ジマー

出演:
トム・ハンクス (監督:ジミー・ドゥーガン)
ジーナ・デイヴィス (ドティ/キャッチャー)
ロリ・ペティ (キット/ピッチャー)
マドンナ (メイ/センター)
ロージー・オドネル (ドリス/サード)
フレディ・シンプソン (エレン/ショート→ピッチャー)
ミーガン・カヴァナグ (マーラ/セカンド)
ベティ・シャーマン (エヴェリン/ライト)
ティア・レオーニ (ラシーヌの背番号3)

     *     *     *     *

この映画は、スペイン~フランス旅行から帰る飛行機の中でみたのですが、いや~~~~泣けた泣けた。まさかこの映画でぼろ泣きになるとはおもいませんでした。この映画は基本ラインが梶原一騎『巨人の星』なのです。『巨人の星』では父一徹を越える星飛雄馬の試練がその物語の根幹を成すものでしたが、この映画も姉のジーナ・デービスを越える妹のロリー・ぺティのドラマのように思えて、彼女が最後、ホームベースに突入していく(正確には3塁ベースを蹴る前あたりから)もうぼろ泣き状態でした。

これはもう私のひとつの泣きのツボなのですね。
「俺はもう飛べない、だからお前を俺を越えて行け」ってシチュエーションにはかならずぼろぼろきてしまいます。古くは『さよなら銀河鉄道999』の冒頭でパルチザンの親父さんが飛び立っていく999を見送るあたりとか、『グース』で父親のハンググライダーはもうとべなくなっているとき、「お前ひとりでもいけるはずだ」って娘を送り出すときとか・・。
もちろん彼らのほうが先にうまれて経験しているのだがら力をもってて当たり前なのだけど、そんな先輩たちも徐々に老化し弱体化していく。そんなときは自分が踏み台になって後につづくものをより多角ほおりなげてやる。越えられていくものの強さはそのまま、送り出すジャンプボードのスプリングの強さにもなる。
そんなことを思ってみてると、最後の妹の爆走といいましょうか、暴走といいましょうか、本塁突入、ジーナ・デービスと激突!ってのはもうそれだけで感動でした。

監督はペニー・マーシャル。トム・ハンクスの『ビッグ』の監督さんです。その後も『アルジャーノンに花束を』もどきの『レナードの朝』の監督をこなし、私の感性の中ではもっとも面白い映画をとる女性監督さんという印象。しかし残念ながら最近はあまり監督業をやってくれない様子・・。
・・あと、この人の映画のなかにはかならずダンスシーンが出てくる。ダンスはアメリカの文化なのでしょう。

それからトム・ハンクスは思いっきりばっちいまでに砕けてましたね(苦笑)。このくらいくだけてだらしない芝居ってのもこの人ならではだなあって思ってしまう。

あと・・このタイトルはなんか嫌だなあ。
当時英会話学校にいたとき、アメリカ人女性教師に「最近みたいい映画は?」ってきかれて「プリティリーグ」と答えてしまったが、すっごく嫌な思いがした。
原題は『ア・リーグ・オブ・デア・オウン』。客寄せエンタテーメントな理由で出来たかもしれない女子プロ野球だけど、彼女たちにとっては真剣に戦うべき場所・・という意味だと思う。
それを日本の映画会社は「プリティリーグってタイトルにしたなんて・・。確かに国内の販売はそれでいいかもしれないけど、アメリカ人女性に対して、この映画を「プリティリーグ」と表してしまったことはかなり恥ずかしかった。

<あらすじ>
第二次世界大戦真只中のアメリカ、プロ野球選手たちも次々と戦場へ駆り出され、大リーグの運営は危機を迎えていたころ女子プロ野球リーグを発足させる話がもちあがる。スカウトのひとはドティ・ヒンソン(ジーナ・デイヴィス)をドラフトしにきたのだが、彼女はいまいち乗り気でない。しかし妹のキット・ケラー(ロリー・ペティ)は行きたい様子。結局姉と一緒なら了解しようということで、ドティとキットはシカゴに向かう。
そこで選抜が行われ、64名が選ばれ4チームにわけられる。ドティとキットが配属されたのはロックフォード・ピーチズ。監督は元大リーグの強打者だがケガで引退、今は酒びたりのジミー・ドゥーガン(トム・ハンクス)。
そんな監督は全然やるきもなかく、ほとんどドティが代理監督っぽい役回り。それでもチームが勝っていくうちにだんだんと監督らしくなっていく。
何をやっても姉が上、野球では姉の判断が優先されることに対して劣等感を抱いていたキットはそんな自分を断ち切りたいと思いどうしても無理をしてしまう。あるとき投手交代をきっかけにドティとキットが喧嘩、トレードでキットはチームを変わることになる。キットにとってこの野球は姉越えのための大事な舞台なのだ。
やがてドティのチームとキットのチームが上位2チームになりプレーオフ。そしてキットによる暴走本塁突入で姉に体当たりすると、鉄壁の守りのはずだった姉のミットからボールがおちてセーフ、ゲームセット!

最後はほんとに熱血スポ根ものでした。
越えていく人というのは、先輩方が、あるいは先生方がどんなに冷静なことをいっても、自分がどんなに間違っているとわかっていても、強引に意地張って、牙をむいて、精一杯威嚇して、はたからみたらチキン野郎に見えても、もちろんそれを自分で分かっていても、反抗して成し遂げて、自身をつけていくしかないのです。

がんばれ、総ての越えていく者たち!!
そんな彼らもいつかは越えられていくのだけど、そのときは強靭なスプリングボードとして、次の世代の超えていくものたちを高く跳ね上げて上げて欲しいものだ。

by ssm2438 | 2009-08-27 05:16 | ペニー・マーシャル(1943)


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