西澤 晋 の 映画日記

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2009年 06月 16日

盲獣(1969) ☆☆

f0009381_19341646.jpg監督:増村保造
原作:江戸川乱歩
脚本:白坂依志夫
撮影:小林節雄
美術:間野重雄
音楽:林光

出演:船越英二
    緑魔子

        *        *        *

増村保造の倒錯映画である。・・がしかし、もっと出来たんじゃないのかな? 原作は最後どうなになってるんだろうって疑問に思うが、かといって原作本を読むほどの元気はないし。。

この映画は、緑魔子をモデルにした写真展に足をはこんだ怪しい男、船越英二。彼は写真にはめもくれず、会場中央においてある緑魔子をモデルにしたブロンズ像だけを頬ずりしながら、手のひらで感触をたしかめていた。彼は盲目だった。数日後アンマに扮した船越英二はかれの母親と共謀して緑魔子を拉致。かれのアトリエに監禁する。そのアトリエの四方の壁には手や足、目、鼻、唇、耳、乳房といった体の一部の造形物で覆いつくされていた。照明を暗くしてその壁の一角だけを徐々にみせていくのはかなり気持ちわるものだが、全部明かりがついてからはけっこうマヌケにみえる。そしてそのセットの中だけでほとんどのシーンが展開するのでさらにマヌケに見える。

f0009381_1936475.jpg最初は抵抗していた緑魔子も徐々に創作活動への理解をしめし、協力的になりつつ脱出の機会を待っている。そしてその機会が訪れるのだが失敗。そのとき船越英二の母も死んでしまう。最終的にはそのアトリエのなかにずうってい続けたために緑魔子も視力を失い、視力のないもの同士が触感だけで生きていくことになりだんだんとその敏感ななかで倒錯していき、最後は緑魔子の手足をも切断してしまう。

全体的におおざっぱすぎる。個人的にはこれ、もっと松本清張風の展開にしてほしかったなあ。緑魔子を誘拐してきてから、それを生かしたままどうあのテンションにもっていくのか・・、食事はどうするのか? トイレはどうするのか? 風呂はどうするのか? ・・そういう細かい部分の積み重ねをこなしつつ、毎日単調な世界がすこしづつ変化していく感じ。・・・あの倉庫の異様な造形物だけでもっていこうっていうのがそもそも間違いだったような。
そうはいっても「こういう映画もあるんだ」・・と知っておくのは良いかと。

by ssm2438 | 2009-06-16 19:02 | 増村保造(1924)


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