西澤 晋 の 映画日記

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2009年 09月 27日

ブラッド・ダイヤモンド(2006) ☆☆☆☆

f0009381_7132368.jpg監督:エドワード・ズウィック
脚本:チャールズ・リーヴィット
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演:レオナルド・ディカプリオ
    ジャイモン・フンスー
    ジェニファー・コネリー

        *        *        *

エドワード・ズウィックってどんどんすごい監督になっていくなあ。私がこの人をはじめて知ったのは『きのうの夜は・・・』を見たときだったけど、すっごくバランスがよくって上手いなあって感心した。

何が上手いと説明するのはとても難しいんだけど、<見せる技>と<浸らせる技>のバランスがとてもいい。たとえば、これが黒澤明とかキューブリック、オリバー・ストーンなら、<見せる技>はあるんだけど、浸らせる部分がない。これでもか、これでもかとカロリーたっぷりな情報を与え続けるだけ。だから見ている側も一杯一杯になってしまう。彼らは映画作りが下手なんだ。情報っていうのは与えることと同時にそれを観客に消化・吸収させてあげる時間をあたえないといけない。エドワード・ズウィックという監督さんはそれが絶妙に上手いのだと思う。
『レジェンド・オブ・フォール』という映画があったが、あれも大河ドラマであれを黒澤明がとったら仰々しいだけの退屈な映画になっていただろう。それがエドワード・ズウィックの大河ドラマは実に見ごたえがあった。私自身、大河ドラマ系の映画は面白いともなんとも思わないんだけど『レジェンド・オブ・フォール』には感動した。
もっとも浸らせるだけで、「な、判かるだろ」っていうタイプのアンドレイ・タルコフスキーってのもいるが・・(苦笑)。

<あらすじ>
内戦が続くアフリカ、シエラレオネ共和国。漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)は、反政府軍RUF(革命統一戦線)の襲撃により家族と引き離され捕虜にされてしまう。彼はRUFの資金源となっているダイヤモンドの採掘場で強制労働をしいられる。そこで大粒のピンク・ダイヤを発見したソロモンはそのダイヤを地面にうめて隠す。
ダイヤの密輸業者、アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、刑務所でそのピンク・ダイヤの話を聞き、ソロモンに接近、家族を探す手伝いをする代わりにピンク・ダイヤの在り処を教えてくれと取引を持ちかける。
また、ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)は RUFの資金源となっている「ブラッド・ダイヤモンド」の真相を追ってアーチャーに接触してくる。
アーチャーのおかげでソロモンは難民キャンプで家族と再会する。しかし息子RUFが連れ去られたことを知り愕然とする。それぞれの思惑を秘めて3人はピンク・ダイヤも求めてRUFのダイヤ採掘場へと向かうのだった。


この映画、すっごく出来がいいんだけど、それでも☆五つにはしがたい何かがある。これも考えてみるべき重要な課題だ。・・・それはなんなんだろうって考えた。で、思った。・・・たぶん、現実にある人の不幸を少なからずデフォルメして社会派のエンタテーメントのドラマに仕立ててるところが、ちょっと心にひっかかってるのかなって気がした。

ちなみに、正規のダイヤは、それを獲得・精製するまでの労働者に報酬が支払われている。しかしこの紛争ダイヤというのは、政治的に不安定な地域でRUF(革命統一戦線)のような団体が暴力で人を脅し、強制労働を強い、安く手に入れたダイヤんことである。一般的には、このような紛争ダイヤを買い取ることは禁止されているが、彼らは闇ルートを使って市場に流通させているといわれている。この物語のデカプリオ演じるアーチャーは現地のバイヤーである。
そのむかしSASに関する小説を読んだときにシエラレオネが出てきたのだが、こういう背景があったのですね。RUF(革命統一戦線)は2000年から武装解除をおこない、2004年に完全武装解除が完了したという。

by ssm2438 | 2009-09-27 07:09 | E・ズウィック(1952)


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