西澤 晋 の 映画日記

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2009年 09月 29日

ストーカー(1979) ☆☆☆

f0009381_1191062.jpg監督:アンドレイ・タルコフスキー
脚本:アルカージー・ストルガツキー
    ボリス・ストルガツキー
撮影:アレクサンドル・クニャジンスキー
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ

出演:アレクサンドル・カイダノフスキー
    アナトリー・ソロニーツィン
    アリーサ・フレインドリフ

        *        *        *

実はタルコフスキーの映画の中でかなり好きな映画である。

もとちろんタルコフスキーの映画なので誰も明確な答えなどだせないだろう。本人さえ出せてるかどうか疑問である。そのときはそれでいいと持っていたが、後になって考えると「あそこはああするべきじゃなかった」「あそこはこうするべきだった」などという箇所はかならず出てくるもであって、完成した映画に作り手が100%満足することなどありえないものだし・・。
なのでこれはあくまで私のかってな解釈。かなりシンプルなのできっともっと真剣に考えておられる方ならいろいろいいたいこともあるかもしれませんが、ま、私の戯言なので・・。

f0009381_1243422.jpg「ストーカー」とは、別れた女をつけまわす男のことではありません。この映画の「ストーカー」は、ゾーンと呼ばれる立ち入り禁止区域があり、その地域に足を踏み入れることをゆるされた道案内人のこと。誰にゆるされたかといえば、多分ゾーンにだろう。
ゾーンの奥地には、そこに行けばどんな望みをかなえられるという不思議な部屋があるという。政府はその地域に軍隊を送ったが、だれも生還しなかった。そしてその地域は立ち入り禁止区域になっていた。そこに二人の男がストーカーの男をたずねてくるところから物語りは始まる。その二人の男とは、ひとりが学者、一人は作家であった。

いくつか問題点、思考ポイントを整理してみました。今後見る人の参考になればよいのだが・・。

◇そもそもその人たちは(あるいはどの人でもいいのだが)、人はいったい何を望んでいるのか?

f0009381_1251931.jpg普通の人間は、自分が望んでいることはいくつもあり、どれが一番だなんてなかなか決定付けられない。ましては、ホントはそれを心が望んでいたとしても、理性がどう判断するかは微妙な問題。つまり・・、このゾーンの設定がどういう設定なのかはかなりアバウトなわけだ。ただ、もし、この物語の設定を鵜呑みにするのなら、ゾーンの中心部にあるといわれるその部屋に行くまでに「自分がなにをのぞんでいるのか?」ということを明確に整理しておく必要があのかもしれない。・・・しかし、それが可能な人間がはたしているのだろうか?


◇物語の初めと終わりで何か違ったことはあったか?

f0009381_1254715.jpg物語はその二人の男をストーカーの男が案内してゾーンのその場所へと案内していく。この二人が現れる前と、彼らがゾーンから帰って来た後では、どんな変化が起きたのか? つまり、それがソーンに行った人の願いということになるのではないだろうか・・(あくまで私の推測ですか)。・・では、なにが起きたのか? 

彼らがゾーンに向かう前=「列車の揺れで水のはいったコップが動いた」
彼らがソーンから帰った後=「少年の念力(?)で水のはいったコップが動いた」

◇ゾーンの中の進み方

ストーカーは、ナット(だったかな)に白いリボンかハンカチのようなものをつけて、それを投げ、その落ちたところに進みます。でも、その行為はいったい何? ちなみにそのコースを外れると・・・なにやら行けないような雰囲気におちいるみたいです。
「ストーカー」に関する記事をネットであら捜ししてると「あれは卵子にむかう精子にみえる」といった発言がありました。おお、確かにそうかも・・・。しかし、卵子は精子一人しか受け付けないものだけど・・、どうなるんだ??

f0009381_1273641.jpg3人はその部屋の入り口にたどり着きます。しかしその一人は爆弾をもっていて、そこを破壊するために来たと言います。もし邪悪な心を持った人がここを訪れて、彼の望みが叶うようならそれは世界の滅亡をいみする。ここは破壊したほうがいいというのが彼の考えでした。ストーカーの男はそれを止めます。
「俺にはここしかない、これが壊されたら、自分の存在価値がなくなってしまう」
結局3人は何もしないまま・・・帰ったのでしょう(帰りに段取りは描かれていない)。


そして最後に水の入ったコップを動かすストーカーの男の子供のカット。

誰が、何を望み、どうなったのでしょう・・・。
それは皆さんが勝手に考えてくださいって映画。


そういう私は、人の<進化>を肯定したいかな・・・って思った。
誰かにとって都合のいいこととか、都合の悪いこととか、その人の望むことであって、人の、あるいは生命の根本的な望みというのは・・、進化かなって。

ま、これはあくまで私の解釈ですが・・・。

by ssm2438 | 2009-09-29 01:29 | A・タルコフスキー(1932)


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