西澤 晋 の 映画日記

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2009年 01月 01日

ダーティハリー(1971) ☆☆

ダーティハリー(1971) ☆☆_f0009381_16304125.jpg監督:ドン・シーゲル
脚本:ハリー・ジュリアン・フィンク
    R・M・フィンク
    ディーン・リーズナー
撮影:ブルース・サーティース
音楽:ラロ・シフリン

出演:クリント・イーストウッド
    アンディ・ロビンソン

        *        *        *

マカロニ・ウエスタンのクリント・イーストウッドを当時の世界に移植したらこうなるってコンセプトだったのかなと思われる。ハリー・キャラハンというキャラクターだけは伝説的になってしまった。・・・しかし、物語が面白いかといわれるとそんなことはない。きわめて普通である。
そう感じさせる大きな要因は敵役設定だろう。犯罪者がちんぴらか、それに付随するグループなのだ。『ダーティーハリー2』だけはちょっと特異な話だが、、このシリーズの基本設定は、てにおえない悪がきを、肝の据わったおとーちゃんデカがお尻ぺんぺんするかわりにマグナム弾を撃ち込むというもの。つまり犯人は不良少年の延長なのだ。しかし最近の物語はどちらかというとテロなどの政治的犯罪が種であり、それにくらべると犯人としての仰々しさも、規模もちいさい。そういうわけで、見ている人にするとちょっと物足りない部分があるのではなかろうか。。
この映画、当時刑事ものの走りとなったが『フレンチコネクション』のような怒涛のリアリティがあったわけではない。しかしこの映画では、組織としての煩わしさをきちんと描きストレスをためさせ、そのなかで腐ったチンピラ相手にイーストウッドのカッコつけてズドンという爽快感がこの映画の魅力となっている。

当時のサンフランシスコを取った画面は黒くて良い。こんなに向かい街は外灯もすくなく暗かったんだなあとあらためて認識した。撮影監督のブルース・サーティースボブ・フォッシー『レニーブルース』でアカデミー監督賞を撮っている。音楽もあやしくてよい。こちらはラロ・シフリン。ま、これは個人の好みの問題もあろうが(私はそれほど感化されないが)、異様な雰囲気をだしていることだけは確かだ。

<あらすじ>
サンフランシスコのビルの屋上のプールでひとりの女が銃撃され死亡した。そして“サソリ座の男”と名乗る男から警察に、10万ドルの要求に応じなければ、次の犠牲者が出ることをほのめかしていた。殺人課のハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、彼の意志に反して付けられた相棒のチコ(レニ・サントーニ)と犯人を追う。しかし二度目の殺人はおきてしまう。再び警察に脅迫状が届けられる。14歳の少女を誘拐して生き埋めにした。ただちに20万ドルの身代金をよこさなければ彼女は死ぬ、と書いてあった。ハリーは20万ドルを持って、犯人の指定する公衆電話から公衆電話へと走らされることになる。やがて犯人と接触、草むらから飛び出した相棒のチコはピストルを乱射してハリーを助けたが銃撃戦で負傷。必死に逃げる犯人をケザー・スタジアムで捕らえたハリーは、少女を生めた場所を吐かせるために犯人に暴行する。
犯人(アンディ・ロビンソン)は逮捕されたが、少女は既に死んでいた。容疑者の権利を無視して暴行したことで地方検事から告発されるハリー。「少女の命がかかってたんだ」と反論するハリーだが謹慎を命じられる。
逮捕への段取りが不備なため起訴できない警察は犯人を釈放するしかなった。やがて犯人はスクール・バスを襲い、乗っていた6人の子供と女の運転手ともども空港へ直行し、不敵にも警察へ、逃走用の飛行機を、燃料満載、操縦士付きで用意するよう命じてきた。謹慎の命を無視してハリーは再び犯人に迫る。犯人撃ち殺したハリーは近づくパトカーのサイレンをよそに、胸のポケットから警察のバッジを取り出して水中に投げ捨てると去っていくのだった。

by ssm2438 | 2009-01-01 15:27


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