2009年 01月 01日
監督:ドン・シーゲル 脚本:ハリー・ジュリアン・フィンク R・M・フィンク ディーン・リーズナー 撮影:ブルース・サーティース 音楽:ラロ・シフリン 出演:クリント・イーストウッド アンディ・ロビンソン * * * マカロニ・ウエスタンのクリント・イーストウッドを当時の世界に移植したらこうなるってコンセプトだったのかなと思われる。ハリー・キャラハンというキャラクターだけは伝説的になってしまった。・・・しかし、物語が面白いかといわれるとそんなことはない。きわめて普通である。 そう感じさせる大きな要因は敵役設定だろう。犯罪者がちんぴらか、それに付随するグループなのだ。『ダーティーハリー2』だけはちょっと特異な話だが、、このシリーズの基本設定は、てにおえない悪がきを、肝の据わったおとーちゃんデカがお尻ぺんぺんするかわりにマグナム弾を撃ち込むというもの。つまり犯人は不良少年の延長なのだ。しかし最近の物語はどちらかというとテロなどの政治的犯罪が種であり、それにくらべると犯人としての仰々しさも、規模もちいさい。そういうわけで、見ている人にするとちょっと物足りない部分があるのではなかろうか。。 この映画、当時刑事ものの走りとなったが『フレンチコネクション』のような怒涛のリアリティがあったわけではない。しかしこの映画では、組織としての煩わしさをきちんと描きストレスをためさせ、そのなかで腐ったチンピラ相手にイーストウッドのカッコつけてズドンという爽快感がこの映画の魅力となっている。 当時のサンフランシスコを取った画面は黒くて良い。こんなに向かい街は外灯もすくなく暗かったんだなあとあらためて認識した。撮影監督のブルース・サーティースはボブ・フォッシーの『レニーブルース』でアカデミー監督賞を撮っている。音楽もあやしくてよい。こちらはラロ・シフリン。ま、これは個人の好みの問題もあろうが(私はそれほど感化されないが)、異様な雰囲気をだしていることだけは確かだ。 <あらすじ> サンフランシスコのビルの屋上のプールでひとりの女が銃撃され死亡した。そして“サソリ座の男”と名乗る男から警察に、10万ドルの要求に応じなければ、次の犠牲者が出ることをほのめかしていた。殺人課のハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、彼の意志に反して付けられた相棒のチコ(レニ・サントーニ)と犯人を追う。しかし二度目の殺人はおきてしまう。再び警察に脅迫状が届けられる。14歳の少女を誘拐して生き埋めにした。ただちに20万ドルの身代金をよこさなければ彼女は死ぬ、と書いてあった。ハリーは20万ドルを持って、犯人の指定する公衆電話から公衆電話へと走らされることになる。やがて犯人と接触、草むらから飛び出した相棒のチコはピストルを乱射してハリーを助けたが銃撃戦で負傷。必死に逃げる犯人をケザー・スタジアムで捕らえたハリーは、少女を生めた場所を吐かせるために犯人に暴行する。 犯人(アンディ・ロビンソン)は逮捕されたが、少女は既に死んでいた。容疑者の権利を無視して暴行したことで地方検事から告発されるハリー。「少女の命がかかってたんだ」と反論するハリーだが謹慎を命じられる。 逮捕への段取りが不備なため起訴できない警察は犯人を釈放するしかなった。やがて犯人はスクール・バスを襲い、乗っていた6人の子供と女の運転手ともども空港へ直行し、不敵にも警察へ、逃走用の飛行機を、燃料満載、操縦士付きで用意するよう命じてきた。謹慎の命を無視してハリーは再び犯人に迫る。犯人撃ち殺したハリーは近づくパトカーのサイレンをよそに、胸のポケットから警察のバッジを取り出して水中に投げ捨てると去っていくのだった。
by ssm2438
| 2009-01-01 15:27
|
アバウト
主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
ファン
検索
以前の記事
2016年 05月 2013年 12月 2013年 10月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 タグ
☆☆☆(365)
☆☆☆☆(199) 一見の価値あり!(84) ☆☆☆☆☆(84) 貴重なヌードあり!(82) シナリオ勝負映画(82) 撮影的に高品質な映画(81) この女優必見!(80) 楽しいぞ!この映画(80) ダメだこりゃ映画(79) 女優が色っぽい映画(78) 女優が愛らしい映画(76) 自然描写が美しい映画(53) 一見の価値もなし!(53) ダイナミック望遠映画(37) ディープメンタル映画(22) 言葉が素敵な映画(22) リアリズムの映画(20) ぼろ泣き映画(16) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(13) カテゴリ
ジョン・フォード(1894) フランク・キャプラ(1897) A・ヒッチコック(1899) V・デ・シーカ(1901) ウィリアム・ワイラー(1902) ビリー・ワイルダー(1906) フレッド・ジンネマン(1907) 松本清張(1909) 黒澤 明(1910) M・アントニオーニ(1912) ルネ・クレマン(1913) I ・ベルイマン(1918) F・フェリーニ(1920) G・チュフライ(1921) W・A・フレイカー(1923) シドニー・ルメット(1924) 増村保造(1924) H・ウェクスラー(1926) S・キューブリック(1928) J・フランケンハイマー(1930) N・アルメンドロス(1930) ロベール・アンリコ(1931) ゴードン・ウィリス(1931) マイク・ニコルズ(1931) F・トリュフォー(1932) A・タルコフスキー(1932) D・マカヴェイエフ(1932) テオ・アンゲロプロス(1935) ウディ・アレン(1935) R・レッドフォード(1936) リドリー・スコット(1937) 木村大作(1939) ジョン・バダム(1939) W・フリードキン(1939) J・L・ブルックス(1940) エイドリアン・ライン(1941) ノーラ・エフロン(1941) K・キェシロフスキー(1941) ペニー・マーシャル(1943) ピーター・ウィアー(1944) C・デシャネル(1944) ラッセ・ハルストレム(1946) S・スタローン(1946) アイバン・ライトマン(1946) S・スピルバーグ(1946) パトリス・ルコント(1947) E・ズウィック(1952) ゴジラ(1954) G・トルナトーレ(1956) ブラッド・バード(1957) 男はつらいよ(1969) ライフログ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||