西澤 晋 の 映画日記

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2009年 05月 06日

いまを生きる(1989) ☆☆☆☆☆

いまを生きる(1989) ☆☆☆☆☆_f0009381_434477.jpg監督:ピーター・ウィアー
脚本:トム・シュルマン
撮影:ジョン・シール
音楽:モーリス・ジャール

出演:ロビン・ウィリアムズ
    イーサン・ホーク
    ロバート・ショーン・レナード

        *        *        *

この頃のイーサン・ホークは良い。ずっとこの路線でいってくれればよかったのに、最近ぐれてる役のほうがおおいから・・。『ヒマラヤ杉に降る雪』は大好き、これもこの路線の延長戦だと思うが・・。

しかし、この映画はいろいろなことを勉強させてくれた。まず、「詩とは覚悟の象徴」であること。そのこことをこの映画を見るまで知らなかった。実にかっこいい!
私は子供の頃か本を読むことが苦手で、どんなによんでも何が書いてあるのか分らない。40過ぎになって読書障害という障害があることを知り、それが自分にぴったんこに当てはまると知ってからというもの、自分は国語が苦手だと思っていたこと自体が悔しい。多分文字からの情報吸収が他の人よりも格段におとっていただけで、国語時代が不得意だったわけではないのだろう・・。今ではそう思える。でも明らかに理数系は特異だったが・・。ま、それはいい。

この映画に、詩を読んでサッカーボールを蹴るシーンがある。あれ、いいね。あれで言葉が細胞に溶け込み、それが運動になってボールを蹴る! あれは確かに吸収力のある勉強方法かもしれないと思った。

それより以前のキーティング(ロビン・ウィリアムズ)の言葉
「本を読んでそれについて文章を書くときは、その本に何が書いてあったかではなく、その本を読んで自分はなにを感じ方、それを書きなさい」・・・あれはいい。まさにその通りだ。情報をまとめるだけなら誰でも出来る、大切なのは自分を表現することだ。本も映画も詩も所詮はそれを感化させるためのアイテムでしかない。それを分析するようりも、それを読んだときの自分を表現するほうがはるかに意義がある。
でも、これが子供の頃は出来なかったんだよね。いまでこそ、それができるようになっているみたいだが、当時の私は自分の気持ちをひょうげんすることなど、恐ろしくてできなかった。きっと私が書いた夏休みの絵日記なんか、ひどくつまらないものだったのだろう。

最後のキーティングとの別れのシーン、イーサン・ホークが、がんがんって机の上に一番に上がる。なんたる勇気!!!!! あんな勇気どこから放出したんだ!! 一番に立つことがどれだけすごいことか・・。この映画は、恐ろしくも、勇気の要る生き様を見せてくれた。すごい!

あと最後になるが撮影監督のジョン・シール、この人の画面もすばらしい。かつては『刑事ジョンブック』『モスキートコースト』『レインマン』『愛は霧の彼方に』、最近では『スパングリッシュ』も彼の仕事だ。ジョン・シールの画面はあのみずみずしさがとくちょう、あれがいいんだよね。

by ssm2438 | 2009-05-06 04:34 | ピーター・ウィアー(1944)


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