西澤 晋 の 映画日記

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2009年 08月 03日

君たちのことは忘れない(1978) ☆☆

f0009381_0204651.jpg監督:グリゴーリ・チュフライ
脚本:グリゴーリ・チュフライ
    ヴィクトル・メレシコ
撮影:ユーリー・ソコル
    ミハイル・デムロフ
音楽:ユーリー・ソコル
    ミハイル・デムロフ

出演:ノンナ・モルジュコーワ
    ワジーム・スピリドノフ
    アンドレ・ニコラエフ

        *        *        *

チュフライの映画で唯一劇場でみた映画。

『君たちのことは忘れない』は、78年11月21日より79年2月中旬まで、モスクワ市内の代表的ロードショウ館“で公開されていたが、軍当局の指示で上映中止となり、同時に海外へ出すことも禁ぜられた“自宅監禁”映画。
チュフライ監督はかつて新聞に掲載されていた、12年間、箱の中に隠れていたという兵役忌避者についての記事をヒントにこの映画を製作したと語っている。また、「危険から自分の息子たちを護りたいという母親たちの気持が子供たちを積極的で活気ある生活から隔離してしまうことになる」ことを示したかったとも言っている・・とか。
そして映像もロシアの情緒を歌い上げている。戦争の終結をつげる白馬にのって炎を掲げて走る男の姿が実に圧巻。本編では戦争の現場は出てこないわけだが、それでも、その終わりを告げる炎がこれほどまで感度を呼ぶものかと自分でもおどろいた。

<あらすじ>
1943年、まだヨーロッパではソ連とドイツの戦いはつづいてたい。農婦マトリョーナ(ノンナ・モルジュコーワ)は長男ステパン(ワジーム・スピリドノフ)の行方不明の知らせを受け悲しみにくれるが、17才の次男ミーチャ(アンドレイ・ニコラエフ)にも召集とどけられる。吹雪の中をソリに乗って息子を駅まで送っていく母親。だが、ついてまもなく新兵が集合する駅が空襲にあい破壊される。その惨劇のなかミーチャを探し出す。彼は重傷を負っていたがまだ息があり、彼女はミーチャを自宅に連れ帰り看病する。戦死兵として処理されたミーチャも見つかれば処刑の運命である。マトリョーナはミーチャを屋根裏部屋に隠す。不安な毎日が続く中、捕虜となり生きていたステパンが生還を果たす。が、ミーチャの存在を明かすわけにはいかないマトリョーナはステパンと言い争い家から追い出してしまう。家をでて、かつての婚約者をさがすステバンだが、彼女も既に他の男と結婚していた。
戦争は終わった。しかしマトリョーナ親子に平和は訪れない。社会に出ることのできないミーチャは、かつて自分に恋心を寄せていたターニャの結婚式を覗き見て自殺をはかる。必死でとめるマトリョーナ。彼女は思い余って神父に相談するが、その反応は冷たかった。そんなある日、ステパンから結婚し子供ができたという電報を受けた彼女は、喜びの余りついに緊張の糸が切れて心臓発作を起こしミーチャの膝の上で息をひきとる。そしてミーチャは自首をするのだった。家から出てきたミーチャのやせ細った、ピンク白い肌には恐ろしいものを感じた。

うむむむ・・・、こころの痛むドラマだ。

by ssm2438 | 2009-08-03 23:21 | G・チュフライ(1921)


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