西澤 晋 の 映画日記

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2009年 08月 03日

翼よ!あれが巴里の灯だ(1957) ☆☆☆☆

f0009381_8432368.jpg監督:ビリー・ワイルダー
脚本:ビリー・ワイルダー
    ウェンデル・メイズ
撮影:ロバート・バークス
    J・ペヴァレル・マーレイ
音楽:フランツ・ワックスマン

出演:ジェームズ・スチュワート
    マーレイ・ハミルトン
    バートレット・ロビンソン

        *        *        *

これは私が子供の頃みて、とても面白かった記憶がある。大人になってからも難解か見る機会があったが、実は最後は神だのみだったのですね。ちょっと信仰がらみのストーリーにされたのは嫌だったかな。
ちなみに原題は『スピリット・オブ・セントルイス』、しかし『翼よ!あれが巴里の灯だ』は素晴らしい。子の頃は邦題をつける人も、センスのある人が多かったのだろう。

これはリンドバーグが初めて大西洋横断を成功させた時の話。リンドバーグを演じるのはアメリカの良心=ジェームス・スチュワート。監督がビリー・ワイルダーだから暗くなることはない。しかし、普通に考えるとかなり無謀な映画だ。飛行中はリンドバーグ一人なので、彼をとっているとずうう~~~~っと一人芝居になってしまう。かなり苦痛な状況だが、これをあきさせずにエンタなドラマにしあげてしまうのがビリー・ワイルダーの手腕。事実+魅せるためのユーモアのきいたエピソードが間をもたせてくれる。子供の頃はそんなことおもわず最後まで楽しんでみてしまっただけだが、今、それを言われると確かにすごいことだと理解できる。自分がコンテを切っていても場面がかわらないというのはかなり苦痛だ。
1957年のキネマ旬報ベストテンでは洋画部門の3位。

f0009381_8511074.jpg<あらすじ>
1926年、ニューヨーク~パリ無着陸飛行の最初の成功者に与える25000ドルのオーテエイグ賞の設定が発表された。
若きリンドバーグ(ジェームズ・スチュアート)は町の実業家を訪ねて資金の寄付をあおぐ。お金は出来たのでつぎは飛行機だ。ニューヨーク、コロンビア航空会社のベランカ機は、操縦者のリンドバーグが無名だという理由で買取を拒絶される。つぎにカリフォルニア州サン・ディエゴの小工場ライアン航空会社を訪れる。リンドバーグは双発機では重すぎる、燃料も多くなる。作るのは単発機だと主張する。工場長マホニーと設計主任ホールは彼の申し出を快諾する。1927年3 月、ラジオは、何人かの冒険かが双発機で大西洋を越えるためにとびだったことを報じていた。とマホニーらは大急ぎで飛行機を完成させる。試験飛行の為にサンディエゴからセントルイスまで飛んでみるリンドバーグ。折も折、パリからアメリカに向かった二人の冒険者は大洋上で行方不明となる。この不祥事に後援者たちは横断飛行を中止しようとするが、リンドバーグの決意は揺らがない。

5月20日、発進地ニューヨークのルーズヴェルト飛行場。いよいよ出発の日。リンドバーグが最後の点検をしていると、後方が見えないことに気付く。整備士がバックミラーを取り付けようとすると、それでは重くなると拒否。さいわい近くにいた女の子がコンパクトを譲ってくれた。それをガムでくっつける。
滑走路は前日の雨でぬかるんでいた。しかも滑走路前方には林があり。十分なスピードが得られなければ、その林に突っ込むことになる。整備士のひとりが「〇〇ポイントまでに機が浮かばなかったら中止するんだ、さもないと林につっこむぞ」とアドバイスをくれる。前7時 52分、リンドバーグが滑走を始めよる。ぬかるんだ滑走路ではスピードが出ない。〇〇ポイントを過ぎると期待は浮いた。しかし次の瞬間また失速、それでもリンドバーグはやめない。そのまま上昇。なんとか前方の林に車輪をかすらせながらも機は曇り空へと上昇していく。

ここからは延々ジェームス・スチュワートの独り言大会。
大圏コースをたどり正午までにノヴァ・スコティアの上空を通過、濃霧に悩まされながらも「セントルイス魂号」は、好調の飛行を続けた。だが前夜一睡もできなかったリンドバーグは、度々睡魔に襲われる。睡魔と戦う彼の頭には、最初の単独飛行のこと、空中サーカスで曲乗師をやっていたことなどが、走馬燈の絵のように続く。夜になりニューファウンドランド東方に来たとき機は凍結し始める。大迂回して機の氷を叩き落とすリンドバーグ。
夜が明け2日目、遂にアイルランドの緑の海岸を発見、彼は最後の力を振い起した。機は日没のパリに近づき、ル・ブールジェ飛行場の滑走路がみえる。しかし疲労のためにリンドバーグの意識はもうろうとしていた。放蕩に着陸できるのか? 滑走路に激突するのではないのか? 「おお神よ」と念じてしまう。出発の時には「神など信じない」と言っていたリンドバーグもこのときばかりは神頼みした。機は着陸した。所要時間33時間39分20秒。リンドバーグは何十万の観衆の歓呼に迎えられた。

by ssm2438 | 2009-08-03 07:58 | ビリー・ワイルダー(1906)


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