西澤 晋 の 映画日記

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2009年 07月 09日

レザレクション/復活(1980) ☆☆☆☆

f0009381_454344.jpg監督:ダニエル・ペトリ
脚本:ルイス・ジョン・カリーノ
撮影:マリオ・トッシ
音楽:モーリス・ジャール

出演:エレン・バースティン
    サム・シェパード
    リチャード・ファーンズワース
    ロバーツ・ブロッサム

        *        *        *

1981年の第9回アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞受賞。このころのアボりアッツのグランプリ受賞作品はそれなりに良かった。この年は『エレファントマン』が受賞してたけど、個人的にはこちらの『レザレクション/復活』にあげたかった。

この映画、臨死体験をして戻ってきた人が何らかの力をもっているってテーマの映画。このころ臨死体験ものというのがけっこうあって、これもそのひとつといえるかも。でもやっぱり表現の基本イメージはキリスト教の考えなんですよね。いいことをすれば天国にいき、悪いことをすれば地獄におちるっていう・・、仏教的なものじゃないので、我々がみるとちょっとそのくだりにはうそ臭さを感じてしまうのだが・・、ま、そこは物語のとっかかりとうけいれないといかんところかな。
もどってくると治癒力をもっているのだけど、この治癒の仕方がとてもいい。痛みを共有し、痛みを自分のものとし、それを浄化することで相手の傷を癒していく。しかし周りの人は彼女の力にすくなからず恐怖を覚えていく。政府も彼女の力をしらべてみたりといろいろある。この辺の展開は『フェノミナン』でも同じような展開になっていたような。あの映画をみたとき『レザレクション/復活』をおもいだしました。

<あらすじ>
夫ととのドライブ中に事故にあったエドナ(エレン・バースティン)は崖から転落、生死の境をさまよう。まっくらな広い空間の中に立っている自分をずっと向こうのほうから一条の明るい光が照らしていて、はっきりとは見えない。あちこちに逆行シルエットになったたくさんの人がエドナにあいさつでもするように通り過ぎてゆく。光の中には笑顔で手を上げてその中に溶けてゆく夫の姿もあった。

そこで彼女は目覚める。しかし彼女の足は動かなくなっていた。死の淵から奇跡的に甦った彼女は祖母の住む田舎町で療養をすることになる。ある日屋外パーティーが開かれた際、発作で鼻血を出した血友病の少年を偶然助けたために、自分に治癒力が備わっている事にきづく。彼女は自分の足をなでてみる。治ると信じてなでてみる。しかしやっぱらり動かない。あきらめずに歩行訓練をするが、矢祖はびくともしない。もうダメなのかと飽きられていたとき、ハエが足にとまろうとして追い払おうとしたとき、ぴくりと親指が動く。感覚がもどってきたのだ。特別な事をしたわけでもないのに手を患部に当てただけで、傷ついた人間を治癒すことができのだ。

ある日エドナは酒場の喧嘩で腹を刺されたチンピラのような青年カール(サム・シェパード)を助けたことで彼と親しくなる。しかしエドナの父親は彼女が何人もの人間を治して有名になってゆくにつれ、彼女を「悪魔」と呼びなじりはじめる。

エドナの事を聞きつけたある研究機関が彼女の「力」を研究する事を申し出てくる。それほど気が進まないが、断る理由もないのでとりあえずその申し出をうける彼女。はじめに試したのはレーザーの光を曲げることができるかどうかだった。・・・できてしまった。次に、治療方法が見つからないまま身体が硬直し、手足がいつも痙攣している特殊な病気の女性。エドナはその女性の体に少しずつ触れるところから始め、次第に彼女の上半身を抱きかかえるような感じになってゆく。集中した面持ちでまゆをしかめていた彼女が、その時に小さな声で嗚咽をもらしながら涙をながす。彼女は動けるようになるのだが、エドナは床につっぷして、今まで治療していた女性と同じような状態になってしまう。やがて時間を置いてエドナは徐々に回復していく。
エドナの治癒力は、自らの体内に相手の痛みを吸収し、自分のなかで浄化する・・そういうものなのだ。

一方カールは、聖書を読みあさり、キリストの行った行為で同じような例はないかと探し始める。狂信的なキリスト教の信者であり、「君は現代に甦ったキリストだ。君はそのことを世の中に知らせる義務があるんだ!」と詰め寄りまる。それをエドナに拒否されると、今度はライフルを持ちだしてエドナを撃ってしまう。幸い弾はそれ、エドナの肩を撃ち抜いただけだった。カールはみんなに取り押さえられる。

そしてて月日は流れた。エドナの能力は大々的に取り上げられる訳ではなく、彼女のたどる運命も穏やかなものだった。砂漠の真ん中にあるガソリンスタンド。そこは年老いたエドナが世話している。そこに一台の車がはいってくる。母親が言うに、その子供は肝臓ガンなの・・と。「裏には植物園があるわ、みてきたら。私はしらばく子のことはなしてるわ」と。その子の両親にかたる。しばらくエドナはその子供をそっとだきしめてやる。


そんな静かな終わり方。すばらしい。

ドラマ自体は、キリストがおこなったとされるような癒しの技を、今の時代に行う人が現れたら・・というシチュエーションでドラマを展開。しかし、そのあり方が狂信的なキリスト信者のそれとはまったくちがったがゆえに、受け入れられない狂信的なキリスト教信者との確執を描いているというのがきれいなまとめ方か・・。 
ま、そういうことはおいといても、これは隠れた名作だと思う。

by ssm2438 | 2009-07-09 04:01


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