監督:山下耕作
原作:宮尾登美子
脚本:松田寛夫
長田紀生
撮影:木村大作
音楽:津島利章
出演:十朱幸代
秋吉久美子
萩原健一
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面白くない日本映画の典型。こういう映画が面白いと思われているうちは日本映画はだめだろう。役者さんたちはがんばって芝居をしているが、話自体に「夢」がなく、ひたすら現状を消費していく話。それが
宮尾登美子の世界とだが、つまらない。
木村大作の画面以外は、きわめてたいくつな一作。
<あらすじ>
昭和10年の秋、芸者として各地を点々としていた岡崎露子(
十朱幸代)は高知行きの夜汽車に乗っていた。そして16年ぶりに帰った故郷で、17歳の女学生に成長した里子(
秋吉久美子)と再会した。「山海楼」という料亭に腰を落ち着けた露子は、夜汽車のなかで火を貸した田村征彦(
萩原健一)という男と知り合い愛し合うようになる。征彦は高知のヤクザ田村組の息子だが、企業家としてヤクザとは別の世界で生きていた。
そんな時、里子が結核と診断され、入院費用として千二百円の金が必要となった。再び借金を背負う身となり各地を転々、三年の歳月が過ぎた。退院した里子は、征彦に裏長屋を借りてもらったが、征彦と男女の仲になってしまう。高知に戻った露子は、里子にそのことを告白され泣いて飛びだした。
自分だけが露子や征彦の負担になってることを負い目に感じた里子は、芸妓娼妓紹介業の勢津を訪ねて二千円で身売りする。高知から遠い娼楼を望んだが、目をつけた百鬼(田村組と勢力を2分するヤクザの主)に力ずくで抱かれ、その時大量の喀血をした。里子を取戻そうと百鬼一家に乗り込んだ露子は小指をつめる。里子をひきとり人力車にのせ高知へかえる露子だが、里子は露子に抱かれて息をひきとる。