西澤 晋 の 映画日記

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2009年 06月 10日

ムッシュ・カステラの恋(1999) ☆☆☆

f0009381_0285161.jpg監督:アニエス・ジャウィタン
脚本:アニエス・ジャウィ
    ジャン=ピエール・バクリ
撮影:ローラン・ダイヤン
編集:エルヴェ・ド・リューズ

出演:アンヌ・アルヴァロ
    ジャン=ピエール・バクリ

        *        *        *

これも銀座までわざわざ見に行った映画。当時いい映画ってみんな銀座で止まってしまい、なかなか新宿より西にはきてくれなかった(苦笑)。西武新宿線沿線に住んでいる私としては、乗り換えるのがうっとおしくななかなか銀座まで出るのはおっくうだったのだけど、まだあの頃は新井薬師だったからよかった。今は田無だからもう銀座までは出る気がしない・・(苦笑)。

映画は、普通のおじさん(でも会社社長)がクララという女性にあこがれて、お近づきになるための努力をしつつ、徐々に感性を持つようになる映画といいましょうか・・、それまで白黒だった画面が、だんだんとカラーになっていく感じといいましょうか・・、ま、大人になっても人を好きになるってことがいいことですよって作品。
そうはいても、その対象の彼女がそれほどべっぴんさんというわけでもない、しかし、カステラには妙にツボだったのだろう。他人の趣味はわからんものだ・・。しかし・・不思議なもので、美しい人はみなさん好きなのだが、多分それぞれツボというものがあるみたいで、そのツボにはまる人というのは、なぜかその一般的に大衆受けするものではないのだよね。これも不思議だが真実だ。

人間の世界に「好き」という感性がなかったら、人間の行動はたんにより効率の良い利益誘導だけの世界になってしまい、それはいまある以上もものを想像できなくなってしまう。ここで描かれているとことはそれほど業業しいことではないのだが、「好き力」の大事さをさりげなく語った良い映画だなと思った。
2000年のセザール賞では作品賞、脚本賞助、演男優賞、助演女優を取っている。
・・・でもかなり地味だけど(苦笑)。

<あらすじ>
実にさめた人生をおくっているムッシュ・カステラ(ジャン=ピエール・バクリ)は中堅会社の社長。仕事には熱意がなく、常に行動を共にしているボディガードのフランク(ジェラール・ランヴァン)や運転手のブリュノ(アラン・シャバ)もうざいだけ、妻のアンジェリック(クリスティアーヌ・ミレ)は自分よりも飼っている犬のほうが大事。
コンサルタントがよこしてきた英会話の個人教師も、顔もろくに見ずにかえしてしまう。
しかし、付き合いで観に行った芝居の主演女優に一目ぼれ。実は彼女、昼間に追い返した英語教師のクララ(アンヌ・アルヴァロ)であった。かくして英語のレッスンにも熱心に通い、古典劇の芝居を観たり本を読んだり、趣味趣向の違うクララになんとか近づこうとするカステラ。一気に自己啓発爆発である。いやいや、ほほえましい。私も結構この傾向のある人間なので、こういうのをみているとほほえましくなってしまう。
でも相手にしてもらえない。でも負けないカステラ。クララの周りにいる芸術家たちと交流していくうちに芸術の楽しみ方を覚え、彼女の友人の画家が開いた個展で抽象画を買ったのをきっかけに、彼のスポンサーを名乗り出た。クララは彼の行為を自分の気をひくためだと解釈する。なにせ、カステラが本当に絵を気というのはどうみてもださださな絵だった。
好きでもない相手に熱をあげられることは、女性ならよくあることだろうが、それでもカステラの純粋な憧れ方に毛嫌いすることもない気持ちいなるクララ。そして彼女が主役を務めるイプセン作の芝居の初日。演技が終わり舞台であいさつしている時、クララは客席にカステラの姿を探す。そして拍手している彼の姿を見つけた時、自分を好きになってくれた感謝の意を込めて、とびきりの笑顔を見せるのだった。

by ssm2438 | 2009-06-10 23:35


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