西澤 晋 の 映画日記

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2009年 10月 13日

濡れた唇(1968) ☆☆☆☆

濡れた唇(1968) ☆☆☆☆_f0009381_035521.jpg監督:クラース・フェルボム
製作:ベルト・サンドベルイ
脚本:イヴォンヌ・アンデルソン
撮影:オーケ・グルクビスト

出演:モニカ・ノルドクヴィスト
    オルガルド・ウエルトン
    B・マルムステーン
    リッシ・アーランド
    エリック・ヘル

    *     *     *

なんという、エロチック・サスペンス。なんだ、この魅力は!!素晴らしい!!
ムードはロベール・アンリコ。主演のモニカ・ノルドクヴィスト嬢は美しく可憐で、いやらしく、清楚で悪魔的だ。これ、傑作だよ。おそるべし、スウェーデン映画! 1968年にこんな悪魔的なに魅力的な映画を撮ってるなんて・・・。ちなみにこの画像は当時のチラシみたいです。本編は白黒。で、このチラシみたいにばんばん脱いでません。しかし、ポイントポイントではみせてくれます。とにかく、男を背中を与えるポーズがすごくそそる。「私を好きにしていいですよ・・」みたいな無言のメッセージ。実は脱いでいるところよりも、ミニスカート+ブーツで森の中を歩いているところのほうがなぜか燃える。そんなに別嬪さんではないのだけど、雰囲気の出し方がすばらしい。必見女優だ。

物語は時間軸を解体してあるので、初めはなにがどうなってるのか非常に分りづらかった。

あるペンションを借りて休暇を楽しんだ夜の道、カルミラ(モニカ・ノルドクイスト)の見ているまえで義父のグンナール(オルガルド・ウエルトン)が白い車に引かれる。その車から降りてきた男は、グンアールが死んでいることを確認すると助手席に乗り、逃走する。ハンドルを握っていたのは彼の妻で、パーティの帰りにだった。男は医者で、誰も見ていなかった思い込み、このまま警察には届けないことにして、車を点検し血痕などをふきとっている。そのときラジオからその事故のニュースが流れてくる。目撃者の証言だとそれは黒いアメリカ車だったそうだと報道されている。胸をなでおろすその男。レンタルではあきたらず、所有欲だしてDVD買ってしまいました。

物語はこんなエピソードから始まるが、これから分割的にそれまでの回想が語られる。

濡れた唇(1968) ☆☆☆☆_f0009381_0353140.jpgカルミラは、母と、母の再婚相手のグンナールと3人で住んでいた。しかし、グンナールがカルミラに魅力を感じ始めているのを懸念してカルミラを家から出すことにした。カルミラは一人で部屋を借り、ベラという女が経営するクラブで金持ちの男を相手にホステスとして働いていた。
そんな生活をして時がたったある日、新聞で母の死を知った。埋葬の日、カルミラはグンナールと再会した。実家に帰ってみるとカルミラの部屋はそのままだった。「私からは連絡しないが、帰ってきたくなったらいつでも帰ってきていいんだよ」と鍵をわたされる。
二人の時間がすこしづつ復活し始める。グンナールは休暇をとってペンションに行こうとカルミラを誘う。まだ戸惑いはあるものの、カルミラはその誘いを受けて二人で2週間ペンションで過ごすことにした。そしてカルミラは、震えながら服を脱がすグンナールの手のなかで、身を任せることにする。

実はカルミラはお父さん趣味なのだ。しかし、その交通事故でグンナールは死んだ。現場検証では、警察に嘘の証言をしたカルミラ。ほんとは白い車だったのに、黒いアメリカ車だと証言した。カルミラは事故を起こした車を自分で探し始める。そして見つけた。男は医者のペル(B・マルムステン)、そしてハンドルを握っていたのは妻のマリア(エリック・ヘル)だった。彼女は罪の意識からノイローゼになり、アルコールに依存していた。

濡れた唇(1968) ☆☆☆☆_f0009381_031442.jpgカルミラは患者としてベルの前に現れる。最初は彼女の存在に恐怖するベルだったが、彼女が警察にいくつもりはないことを感じると、身寄りのない彼女を自分のところで引き取ることにする。カルミラは父がほしかったのだろう。3人の生活が始まる。自分が愛情を注いでいる間はカルミラは警察に行くことはない。しかし、ベルもまたカルミラの魅力に参ってしまう。カルミラと情事を重ねるようになり、それを妻のマリアも感づきはじめる。マリアは「お金を上げるから出て行って」と二人の時にカルミラに告げるが「なんのためのお金なの?」と、出て行くきはなさそう。神経が衰弱していくマリア。
別荘のボート小屋の中で、ペルとカルミラは愛しあっていたところをマリアが発見、外から鍵をかけ、ボート小屋にガソリンをまき、火を放つのだった。中からは夫ベルの叫び声がきこえてくる。その声も燃え盛る炎のおとこ聞こえなくなる。。

とにかく、モニカ・ノルドクイスト嬢、そこにいるだけでお父さん、参ってしまいます。『そして、デブノーの森へ』アナ・ムグラリス嬢に勝るとも劣らない魅力的なミューズです。

by ssm2438 | 2009-10-13 16:34


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