西澤 晋 の 映画日記

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2009年 04月 16日

愛人/ラマン(1992) ☆☆☆

f0009381_1725417.jpg監督:ジャン=ジャック・アノー
製作:クロード・ベリ
脚本:ジェラール・ブラッシュ、ジャン=ジャック・アノー
撮影:ロベール・フレース
音楽:ガブリエル・ヤーレ

出演:ジェーン・マーチ
    レオン・カーフェイ

        *        *        *

本人の自伝的小説の映画化なので、原作者のM・デュラスも想い入れがあり、監督のアノークロード・ベリとは確執があったみたいですね。売るほうとしてはある程度売れるものにしたいし、原作者にしてみれば自分の過去だけに、正確に描いてほしいだろうし・・。
特に違うのがなんでもレオン・カーフェイだそうな。彼だとカッコよすぎで威圧感があり、ほんとはもう少し繊細でなよとした人だったらしい。個人的にはそのほうがリアリティあっていいのだけど、ビジュアルでみせるドラマとしてはどうしてもカッコいい人を愛人の男にしたかったのでしょう。
対して感情もないのにさらさらと愛人になってしまうジェーン・マーチに最初はびっくり。でも、女という生き物は男を好きにならない生き物だということが判った今では、けっこう普通に思えた。

ちなみにタイトルの「ラ・マン」は男性名詞だとか。なので、「愛人」というのは、ジェーン・マーチではなく、レオン・カーフェイ演じる男のほう。

ジェーン・マーチはこの映画のなかで輝いていた。あのちょっと上にめくれ上がった唇がとても素敵。隙間がいっぱいある部屋のなかで、そとには通行人の雑踏があり、板で仕切られたその空間でする情事というのが実になまめかしくていい。都会のトイレでも、あのドアのしたにある隙間がポイントなのであって、あれがないとなんだか重要なエッセンスがなくなってしまう。そとの空間を感じさせることが密室を描く上ではとっても大事。外側からない密室なてのは実につまらない。刑事どらまの取調室も、そこにマジックミラーがあるからある種のテイストがあるのだし、そとで聞こえる足音があるから、妙なリアリティが出るもの。あのエッチするための部屋の描き方は実によかった。あの部屋の描写とジェーン・マーチのスレンダーな肢体がこの映画のすべてだった。

その少女の父はフランスからここに移り住んだが死んでしまい、残こされた母は耕作不能な土地を買わされほとんどの資産を無にしてしまった。なんとか小学校を経営しながら生計をたてているが、上の兄は阿片で働く意欲を失い、下の兄をいじめ抜いている。貧乏な西洋人と金持ちの中国人という、常識とくらべて立場が反転している環境下で物語りは進む。

<あらすじ>
1929年、フランスの植民地インドシナ(現在のヴェトナム)。
最初の出会いはメコン川を行く船上だった。そして数日が過ぎ、田舎町サデックの自宅から寄宿舎のあるサイゴンに帰る途中の少女(ジェーン・マーチ)に、黒いリムジンからその男が降りてくる。彼は地元華僑の資本家の32歳の息子(レオン・カーフェイ)。彼にさそわれるままに、車に乗り、中華街ショロン地区につれていかれる。通りは騒がしく、隙間から人通りでたえず変化する日差しが差し込ム部屋で、彼女はその男に抱かれた。そしてその関係をつづけていく。
母親は娘の変化に気づきながらも、娘を通して金品を援助してくれる男を黙認した。しかし、男は父親の命令通り中国の富豪の娘と結婚式をあげ、少女は家族とともにフランスに帰国することになった。フランスへの旅立ちの日、船の上から男のあの黒いリムジンが見えたとき、少女は初めて涙を流した。

・・・・でも、愛してなかったと私はおもう。

by ssm2438 | 2009-04-16 15:53


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