西澤 晋 の 映画日記

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2009年 03月 20日

ベルリン・天使の詩(1987) ☆☆☆☆☆

f0009381_704171.jpg監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース、ペーター・ハントケ
撮影:アンリ・アルカン
音楽:ユルゲン・クニーパー

出演:ブルーノ・ガンツ、ソルヴェーグ・ドマルタン

        *        *        *

あんまりヴェンダースの映画は面白いと思わないのだが、これは良かった。ただ、もう少し短くできたんじゃないかなあ。無駄に長いと感じる部分は多かった(苦笑)。

基本コンセプトがいい。
この世の中に存在して、誰かに対して何か都合のいいことをしようと思えば、それが誰かに対して都合の悪いことをすることになる。AさんとBさんにパンをあげれば、Cさんにはあげないことになる。自分が存在することさえ、何かにとっては不利益をもたらす。存在のためには、モノを食べないといけないので、すくすく育った稲から米の部分だけを搾取したり、丸々と太った豚さんがせっせと職元を食べて体内に貯蓄したたんぱく質を搾取することにもなる。・・・つまり、自分が存在して行動しようとすれば、そこには誰かを、あるいは何かを不幸にすることになる。誰も、なにも傷つけたくないなら、存在を消去するしかない。

この映画で描かれている「天使」とはそういう存在。彼らは誰かにそっと寄り添い、その人の痛みを理解し、「大丈夫だよ、やれるよ」って心の声をかけてあげるしかない。

その天使の一人が、それでも、実体化することを望んで地上に降りた。誰も不幸にしないことよりも、誰かを不幸にしても、自分の想いを具現化するほうを望んだ。そしてきづいてみたら・・、この世の中に存在するすべてのひとは、天使をやめて実存する世界に下りてきた勇敢な天使とその子孫たちだった・・という話。

by ssm2438 | 2009-03-20 06:37


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