西澤 晋 の 映画日記

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2009年 03月 20日

パリ、テキサス(1984) ☆☆☆

f0009381_7424413.jpg監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:サム・シェパード、L・M・キット・カーソン
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:ライ・クーダー

出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー

        *        *        *

ヴィム・ヴェンダースの映画の撮り方というのは、「無駄なシーンで映画をつくる」ということ。
本来これが他のハリウッドの映画だったら編集時にカットされるようなシーンをつなぎ合わせて映画にしている。

たとえば主人公がヒロインに告白するシーン、ハリウッドの映画だったらその告白シーンをかっこよく描くだろう。しかしヴェンダースの映画では、その告白する前の晩から、そのシチュエーションをベッドのなかでなんどもシュミレーションしているしーんとか、朝起きて歯を磨いてるシーンとか、靴を履こうとしてしばしその汚れがきになってるシーンとか、そのシーンではない、どうでもいいシーンのなかでその人がちらっとかもしだす、不安とか、自身のなさとか、覚悟とかを小出しにして、全体像を描き出してく。

この「無駄なシーンで映画をつくる」という方法は、確かに見ている人に想い染み込ませるにはとても良い方法なのだが、反面時間が無駄にかかる。そのため見る人の忍耐力と、見せ続けるだけの緊張感をきらさない演出力が重要になってくる。現在の商業映画にどくされている観客にはあまりなじまない映画になるだろうが、作る側にたってみると、一度はやってみたい演出技法の一つだろう。

<あらすじ>
4年間行方が分らなかったトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)が保護され、ロサンゼルスの弟ウォルトの家にもどる。そこにはトラヴィスの7歳になる息子ハンターが預けられていた。
3歳のときに別れたままに、弟夫婦に育てられ、4年間存在しなかった父なのだが、二人の再会はぎこちないものだった。しかし、数日経つうち少しづつうちとけていく二人。5年前に撮った8ミリには、そのころ幸福だった自分の家庭が映し出されていた。彼の妻ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)がヒューストンの銀行から毎月ハンターのためにわずかながら送金を続けていることをきいたトラヴィスは、ハンターと二人でヒューストンへ向けて車をはしらせる。
ヒューストンの銀行からジェーンらしき人物が乗った赤い車が出てゆくのを見た二人は車を追って、キー・ホール・クラブにたどり着く。階下の個室にはマジックミラーがあり、客の側からだけブースの中の女の姿が見える。客の姿が見えないジェーンが話しかけるが、トラヴィスは何も告げずに出て行った。翌日、もう一度キー・ホール・クラブへ行った。再びジェーンを呼び、自分の気持ちを語るトラヴィス。やがて、姿を見なくてもそれがトラヴィスであることを知ったジェーンも、涙ながらに、自分の気持ちを語った。
最後に、ハンターのいるホテルのルーム・ナンバーを告げて、トラヴィスは去った。ホテルで一人でいるハンターの前に、ジェーンが現われた。二人が寄りそう影を窓に確認すると、トラヴィスは車でその場を去るのだった。

by ssm2438 | 2009-03-20 07:05


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