西澤 晋 の 映画日記

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2009年 11月 16日

イヴの総て(1950) ☆☆☆☆

f0009381_031111.jpg監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ
脚本:ジョセフ・L・マンキウィッツ
撮影:ミルトン・クラスナー
音楽:アルフレッド・ニューマン

主演
アン・バクスター (イブ・ハリントン)
ベティ・デイヴィス (マーゴ・チャニング)
ジョージ・サンダース (アディスン・デヴィット)
セレステ・ホルム (カレン)
ヒュー・マーロウ (ロイド・リチャード)
バーバラ・ベイツ (フィービー)

マリリン・モンロー (ミス カスウェル)

        *        *        *

田舎から出てきた女優志望のアン・バクスターが、それまでのブロードウェイの大女優のベティ・デービスの付き人となるのを皮切りに、批評家やマーゴの周りにいる人々に取り入ってゆく。マーゴの代役として出演するチャンスをつかみんだイヴは批評家たちから絶賛される。これを皮切りに、劇作家や有名批評家に巧く取り入り、マスター女優へのし上がっていく。一見、虫も殺せないような清楚な女が、実は性悪女だったという、怒涛のシナリオが素晴らしい。監督・脚本のジョセフ・L・マンキウィッツはこの作品で2年連続のアカデミー賞脚本賞監督賞を得ている。
ポール・バーホーベン『ショーガール』を見ると、あ、『イブの総て』のアレンジだって思うひとも多いはず。

ちなみに、ほとんどの主演の表記にはベティ・デービスのほうが上に書かれているが、実際はアン・バクスターが主演。当時の女優格付けの問題があってのことだろう。

<あらすじ>
物語は、アメリカ劇界最高の栄誉であるセイラ・シドンス賞が新進女優イヴ・ハリントン(アン・バクスター)に与えられるところからはじまる。満場の拍手のうち、イヴの本当の姿を知る数人の人達だけは、複雑な表情で彼女の受賞を見守るのだった。

その8ケ月前、劇作家ロイド・リチャアズ(ヒュー・マーロウ)の妻カレン(セレステ・ホルム) は、毎夜劇場の楽屋口で大女優マーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)に憧れの目を向けている田舎娘イヴを知り、マーゴに紹介した。その哀れな女優志望の娘の身上話はひどくマーゴを感動させ、イヴはマーゴのアパートに住込んで付き人をすることになった。しかしイヴの利発さに、マーゴは愛情とともに次第に警戒心を抱きはじめる。
イヴは、マーゴの知らぬうちに批評家アディスン(ジョージ・サンダース)に真価を認められるに至った。マーゴはビルやロイドに当り散らし、その横暴さはカレンまで立腹させた。カレンはマーゴをこらしめるため自動車旅行の途中わざと車のガソリンを抜いてマーゴを欠勤させ、イヴを舞台に立たせた。
処女出演は大成功で、アディスンはイヴへの賛辞を書きたてた。この記事でカレンも態度をひるがえしかけたところで、イヴは逆にガソリン事件を種にカレンを脅迫し、マーゴが主演するはずだったロイドの用脚本をもぎとる。そしてロイドと結婚してブロードウェイを征服しようとしたイヴだったか、イブの過去の偽りにみちた正体と汚ないヤリ口の証拠はすべてアディスンに握られていた。「今夜からお前は私のものだ」というアンディスンに従うしかないイブ。そして彼女主演の舞台は大成功。セイラ・シドンス賞受賞へとつづく。
彼女が「自分の成功は私をささえてくれた何人かの人もものだ」という彼女のスピーチにも、踏み台にされたそれぞれの人たちの顔に笑顔はない。

ホテルに帰ったイヴは、一息つこうとして鏡をみると其の中に一人のみしらる女性がいるのを見つける。フィービー(バーバラ・ベイツ)という演劇志望の少女は、イブかかつてマーゴとりいったように、イブにとりいっていく。ドアベルがなるとフィービーが付き人のようにドアをあける。外にはアンディソンが立っていた。彼はフィービーの中にある種の魅力を感じる。
「誰だったの?」の問いに、「タクシーの運転手がオスカーをとどけてくれただけです」と言うフィービー。イヴが寝室に入った後この少女は、イヴの衣裳をつけて鏡の前に立ち、丁度8ケ月前にイヴがマーゴの衣裳でしたと同じように、自らの姿に法悦を感じていた。

ラストカットが、アン・バクスターでもベティ・デービスでもなくバーバラ・ベイツのアップで終わる。時代の残酷な流れの表現するすばらしいカットだ。

おまけ:マリリン・モンロー(奥・中央)、アン・バクスター(左)、ベティー・デービス(右)
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by ssm2438 | 2009-11-16 00:31


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