西澤 晋 の 映画日記

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2009年 12月 11日

迷子の警察音楽隊(2007) ☆☆☆

f0009381_110938.jpg督:エラン・コリリン
脚本:エラン・コリリン
撮影:シャイ・ゴールドマン
音楽:ハビブ・シェハーデ・ハンナ

出演
サッソン・ガーベイ (隊長トゥフィーク)
ロニ・エルカベッツ (マダム・ディナ)
サーレフ・バクリ (楽団員カーレド)

        *        *        *

エンディングで語りますね~~~。なにもなような話なんですが、エンディングで総ての思いを開放してるような、本来あるべきエンディングのあり方を再認識させられた映画。

イスラエルの映画なので、映画的にはとても出来が良い。カメラも選択も適切でみていてとてもなじんでくる。
これが、映画をしらない世界の国の映画だと、アホなアニメーター以上にあほなレンズ選択になっているのでそれだけ見る気がなくなることもあるが、このイスラエル映画は実にはまっていてみごここちがいい。

この映画は、平和交流の一環としてイスラエルに招かれた、エジプトの警察音楽隊が、迎えのバスがこないことから自力でそのコンサート会場まで行こうとした結果、迷子になり、食事によったレストランの主人とその客の家に別れて泊まる事になる。その一晩の出来事をさりげなくさらりと描いている映画。
イスラエルとエジプトは、イスラエル建国以来中東戦争してる関係であり、ま、そのなかでもエジプトはまだ穏健派ではあるが、ま、いごこちはよくないだろうな。
そんななかで、くしくもエジプト人と一晩を過ごすことになったイスラエル人の<沈黙が怖い>シチュエーションでのなんとか友好的に間を持たせようとする努力が、実にこれわかるわかる状態。英会話学校で飲み会があり、みなさん日本語で話してるなかで、日本語がまだわからない外国人教師になんとなく気を使い、何とか淋しい思いをさせないように努力していた時間を思い出した。

ほとんど権威のない東京国際映画祭2007年グンランプリ受賞作品。悪くない選択だと思う。

<あらすじ>
水色の制服に身を包み、イスラエルの空港に降り立ったエジプトのアレキサンドリア警察音楽隊。イスラエルに新しくできたアラブ文化センターでの演奏を頼まれてやってきたのだが、空港に彼らを出迎えに来ている人は誰もいなかった。仕方なく団長トゥフィーク(サッソン・ガーベイ)は、公共機関のバスを使って目的地へ行こうと、若手団員カーレド(サーレフ・バクリ)に行き方を調べるよう言い付ける。しかし言葉の微妙なニュアンスがつたわらない。「ペタハ・ティクバ」に行くはずが、「ベイト・ティクバ」についてしまった。
お金もなく腹をすかせた一行は、とりあえず見つけた食堂の女主人ディナ(ロニ・エルカベッツ)の好意で食事をさせてもらうことになる。その地区を出るためのバスはすでになく、面倒見のいい彼女は、みんなを泊めようと申し出るのだった。団員は 3つのグループに分かれ、食堂、ディナの家、そして食堂の常連イツィクの家で1泊することになる。ディナの家に泊まることになったトゥフィークは、自由奔放な彼女と話が噛み合わず、イツィクの家に泊まることになった3人の団員は、話を盛り上げることもできずに食卓を囲んでいた。そんな彼らの間にあった壁を取り払ってくれたのは、国境を越えて愛される音楽だった。

共通の話題の土壌がない人たちが、なんとか共通言語をみつけて、「敵意はないんだよ」ってことを示すのに、精一杯の努力をする映画。もちろんそれは見た目にはまったく地味でなんでもないことなのだけど、精神活動としてはかなりエネルギーをすり減らすことであることは疑う余地もない。

そしてエンディングにながれる歌詞のなかに総ての想いが昇華させる。
なかなか素晴らしい映画をみせてもらった。

by ssm2438 | 2009-12-11 03:00


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