西澤 晋 の 映画日記

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2009年 08月 05日

天城越え(1983) ☆☆☆

f0009381_18462094.jpg監督:三村晴彦
原作:松本清張 『天城越え』
脚本:三村晴彦、加藤泰
撮影:羽方義昌
編集:鶴田益一
音楽:菅野光亮

出演
渡瀬恒彦 (田島松之丞)
田中裕子 (大塚ハナ)
平幹二朗 (小野寺建造)
伊藤洋一 (小野寺建造・中学時代)

        *        *        *

青春ですな。思春期物といいましょうか、『青い体験』といいましょうか・・、サスペンスというよりも、そういった部類にいれてあげたい映画。松本零二の言葉をかりるなら、この田中裕子演じる大塚ハナは小野寺少年にとってのまさに「青春の幻影」だったのでしょう。自分が夢見る青春の幻影にな決してあってならない、他の男との性的交渉。これは憎しみとか、嫉妬ではなく、まさに「あってはならないものを排除した」行為だったのでしょう。
しかし、田中裕子はいい。個人的には『夜叉』の蛍のほうが好きだけど、この映画の彼女もまた妖艶だ!

<あらすじ>
静岡で印刷屋を営む小野寺(平幹二朗)のもとに、田と名乗る老人(渡瀬恒彦)が、「天城山殺人事件」という刑事調書の印刷を依頼しに来た。原稿を見て激しく衝撃を受けた小野寺は十四歳の頃を思い浮かべる。

小野寺は十四歳(伊藤洋一)のとき、母の情事を目撃した。少年にとって、母はけがれなき聖女であったが、その偶像が崩壊した。そんな母が許せず少年は家をでた。静岡にいる兄を訪ねて一人で天城越えようとしていた。少年は素足で旅する若い娘ハナ(田中裕子)と出会い、並んで歩いた。道中、ハナは一人の土工に出会うと、無理矢理に少年と別れ、男と歩きだした。少年が後を追うと、草むらの中で情交を重ねる二人を目撃する。

その土工が殺された。ハナが容疑者として逮捕される。土工と歩いているところを目撃した者もおり、彼女は土工から貰ったと思われる金も持っていた。さらに、現場には九文半ほどの足跡があり、ハナの足も九文半だった。警察の取調べに対し、ハナは土工と関係して金を貰ったことは認めたが、殺しは否認した。結局、ハナは証拠不十分で釈放された。彼女は真犯人を知っている様子だか、頑として口を割らず、事件は迷宮入りとなった。田島老人はそのときの刑事だった。

「九文半の足跡を女のものだと断定したのが失敗でした。犯人は子供でした」と老人は語る。そして、犯人である子供の動機が分らないと続ける。犯人は、少年=小野寺であった。刑事だった老人は、三十年ぶりで小野寺が真犯人であるという推理に達し、印刷を依頼に来たのだ。しかし、もう時効であった。

by ssm2438 | 2009-08-05 18:19 | 松本清張(1909)


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