2009年 10月 13日
監督:シドニー・ルメット 脚本:ロバート・アヴレッチ 撮影:アンジェイ・バートコウィアク 音楽:ジェリー・ホック 出演:メラニー・グリフィス、エリック・タール * * * 『刑事ジョン・ブック/目撃者』の男女反転バージョン。まあ、それをめざして作ったわけではないのだろうが、結果的にそうなってしまった。こういうのは後発だと「亜流」とか言われそうだが、物語としては意外と悪くない。ただ、メラニー・グリフィスのしゃべり方が全然権威もなにもないただの小娘口調なので、刑事焼役としてのしまりがなさすぎる。日本語吹き替えで見たほうがいいかもしれない(苦笑)。これ、グリフィスじゃなくてケリー・マクギリスで作ってくれたらよかったのに・・・。 原題は「ストレンジャー・アマング・アス」(我々のなかの見知らぬ人)・・の意。ユダヤ教ハシド派のコミュニティで起こった殺人事件の真相を探る女刑事の姿を描くサスペンス。ハシド社会は、ユダヤ教の中でも最も伝統を重んじる戒律の厳しい社会であり、その興味生活習慣や伝統が捜査の軋轢(捜査というより恋愛の軋轢か・・)になっている。サスペンスとラブロマンスが半々くらいのウエイト・バランス。サスペンスとみると、ちょっと二人の男女の想いの描き方がくどいし、ラブロマンスとしてみるとこれでは物足りない。おかげでドラマとしてはいまいち印象が薄い感じ。どっちかに偏ってしまえばよかったのだけどけど・・。 しかし・・・メラニーのしゃべり方はおいといて、物語の設定がちょっとドラマチックにしづらい要素があったかな。恋愛ものというのは、男がもとめて、女が受け入れるのが本質的だが、この映画では男が求めたいのにもとめられない聖職者という立場にある。それを求めてくれれば受け入れるのに・・という女。このドラマだと男性側に主眼をおいてドラマを作らないとちょっとドラマチックにはなりづらいかな・・って気がした。 <あらすじ> ダイヤモンドの研磨職人ヤコブ(ジェイク・ウェーバー)が行方不明にななり、彼と共に72万ドルのダイヤが消えていた。ニューヨーク市警の女刑事エミリー・エデン(メラニー・グリフィス)は、調査のため、ブルックリンのボロパークへ足を運ぶが、そこはユダヤ教ハシド派の文化が支配する世界だった。指導者レバ(リー・リチャードソン)、その息子アリエル(エリック・サル)、娘レア(ミア・サーラ)が見守る中、エデンは聞き込みを始め、ヤコブの仕事場の天井裏で彼の屍体を発見する。捜査状況を尋ねにきたアリエルに、エデンは顔身知りの犯行だと主張するが、アリエルはハシド派が殺人を犯す筈がないと熱弁をふるう。純粋なアリエルの姿にエデンは胸をうたれる。犯人は回帰者である、妹レアの友人の若い娘だった。エデンを助けるため犯人を撃ち殺したアリエルは、罪の意識にさいなまれながら、父の選んだ娘と結婚式を挙げるのだった。
by ssm2438
| 2009-10-13 13:53
| シドニー・ルメット(1924)
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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