西澤 晋 の 映画日記

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2009年 10月 14日

レベッカ(1940) ☆☆☆☆

レベッカ(1940) ☆☆☆☆_f0009381_19413162.jpg監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:デヴィッド・O・セルズニック
脚本:ロバート・E・シャーウッド、ジョーン・ハリソン
撮影:ジョージ・バーンズ
音楽:フランツ・ワックスマン

出演
ジョーン・フォンテイン (マリアン)
ローレンス・オリヴィエ (マクシム・ド・ウィンター)
ジョージ・サンダース (ジャック・ファヴェル)
ジュディス・アンダーソン (ダンヴァース夫人)

        *        *        *

ヒッチコックの中では一番好きである。

母国イギリスで『三十九夜』(35)や『バルカン超特急』(39)などの質の高いサスペンス映画を手掛けて大きな成功を収めたアルフレッド・ヒッチコックデビッド・O・セルズニックがハリウッドに招いて撮らせたアメリカ進出第一作。1940年のアカデミー作品賞と撮影賞を受賞している。
ハリウッドの撮影スタイルは、複数のカメラを使い複数のアングルからシーンを撮影する方式だった。ヒッチコックは無駄がおおいこの方法を拒否して、イギリス時代に慣れ親しんだ、脚本段階で主要な場面を設定し、それぞれの場面にセリフ、アクション、キャメラの位置などを細かく指定して不要なシーンを撮らない方法で撮影を行うことを主張。この方法だと第三者が編集時に手を加えることが出来ないために、セルズニックの反感を買ってしまう。
ただ、個人的にはセルズニックの描いた方向性のほうが正しかったと思う。ヒッチコックは暗いメロドラマだった原作にユーモアを盛り込もうとしたしたが、原作の忠実な映画化を望んでいたセルズニックはそんなヒッチコックとがんとして対立。他人の庭で相撲をとるということはしんどいということですな。そうして出来上がったこの作品はめでたくアカデミー賞受賞。良かった良かった。

それでも俳優経験の少ないジョーン・フォンテーンには積極的に演技指導を行って、自分の思い通りのヒロイン像を作り上げたという。この物語は、存在しないレベッカをつかい、徹底的に疑心悪鬼でヒロインのフォンティーンを責める上げる。
ヒッチコックって絶対サディストだ。よっぽど劣等感が強い人なのだろう。

<あらすじ>
英国コーンウォル海岸近くにマンダレイという荘園を持った大富豪の紳士マキシム・デ・ウインター(ロウレンス・オリヴィエ)はモンテカルロで知り合った娘マリア(ジョーン・フォンテーン)と結婚する。彼にとっては2度目の結婚であり、失踪した前妻のレベッカは美しいひとだったという。彼の大邸宅に移り住むマリアン。しかしその居間はレベッカの生前のままに保存してあり、死後もなお、彼女が家を支配しているようだった。

レベッカ(1940) ☆☆☆☆_f0009381_3351812.jpg家政婦のデンヴァー夫人(ジュディス・アンダーソン)は、レベッカへの熱愛から、マリアンをなにかにつけて精神的にいたぶっていく。精神的に追い込まれたマリアンは、夫の心をまだレベッカが支配しているように感じて絶望し、レベッカの部屋の窓から身を投げようとまでする。・・・そして岸辺近くに沈んでいたレベッカのヨットが発見させる。船中にはレベッカの死体があった。

彼女の死因について新しい審議が開かれ、レベッカは自殺をしたと判定された。レベッカの従兄で彼女と長い間情を通じていたジャック・ファヴェル(ジョージ・サンダース)は、暗にマキシムの犯行を主張した。一方、レベッカが死の当日訪ねた婦人科医師は、レベッカが不治の癌に犯されていたことをつげ自殺の原因を証明した。レベッカは自殺を決意して、夫のマキシムに自分を殺させようとしたのであった。レベッカから解放された二人がマンダレイへ帰り着いたとき、邸宅はデンヴァー夫人と共に焼けおちてしまっていた。

by ssm2438 | 2009-10-14 02:43 | A・ヒッチコック(1899)


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