監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:アレック・コッペル、サミュエル・テイラー
撮影:ロバート・バークス
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ジェームズ・スチュワート、キム・ノヴァク
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結局ヒッチコックの映画は、本人が制作している作品(
『めまい』、『北北西に進路を取れ』‥など)は全然おもしろくなくって、
セルズニックが制作した作品(
『レベッカ』‥など)だけが面白いということがわかった。セルズニックが制作で脚本がゆるくなるとそれを修正していたのだろうが、自分が制作してると緩さがもろにでてしまう。ヒッチコックの場合は、登場人物だけではなく、イベントにユーモア(偶然性)をいれたがるので、それが物語の緊張感を壊してしまいご都合主義感や作為性を感じさせてしまい、その結果残されたものはイベントだけで、説明過剰サスペンスになるのだ。
<あらすじ>
ジョン・ファーガスン(
ジェームズ・スチュアート)は元警官だったが、極度の高所恐怖症であり、それが原因で仕事に支障をきたすこともあり、限界を感じて退職した過去をもつ。そんなある日、昔の学校友達ゲビン・エルスターから電話があって、彼の妻の尾行を依頼された。
美しい妻のマドレイヌ(
キム・ノヴァク)は、夢遊病者のように不可解な行動に出るというのだ。翌日から、ジョンの尾行がはじまった。マドレイヌの行動範囲はサンフランシスコ一帯に及んだ。曽祖母の埋められている墓地に、曽祖母が昔住んでいたというホテル、曽祖母の画像の飾られている画廊・・。そしてある日、彼女は海に身を投げた。ジョンは彼女を救って、自宅につれかえり、介抱した。そして、今はもう彼女を愛している自分を知った。彼女は、自分の行動もよく覚えてはいなかった。何事かを恐れるマドレイヌは、教会の高塔にかけ上り、めまいを起したジョンが階段にたちつくすうちに、身を投げて死んだ・・・はずだった。
しかし、街をさまよっているうちに、ふとジュデイ(
キム・ノヴァク)というショップ・ガールに会った。身なり化粧こそげびて俗だったとはいえ彼女の面ざしはマドレイヌに似ていた。彼女こそは、旧友ケビンが、彼の妻を殺すために使われた女だった・・・。