西澤 晋 の 映画日記

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2009年 11月 20日

セクレタリー(2002) ☆☆☆

f0009381_450884.jpg監督:スティーヴン・シャインバーグ
原作:メアリー・ゲイツキル
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
    スティーヴン・シャインバーグ
撮影:スティーヴン・ファイアーバーグ
音楽:アンジェロ・バダラメンティ

出演
マギー・ギレンホール (リー・ホロウェイ)
ジェームズ・スペイダー (エドワード・グレイ)

        *        *        *

スティーブン・シャインバーグの最初にして最後の最高傑作・・・だろうと思う。まだこの時点では2本しかみてないけれど、少なくとも『毛皮のエロス』では才能がこの『セクレタリー』一本でつきたことを物語っていた。ひどかった。リンチ風にアレンジするしか味のない演出。その点、この『セクレタリー』のほうがまともに仕上がっていた。

マギー・ギレンホールはこの映画ではじめてみた。いいですね~~~。いっけんとろそうにみえる表情、でものちの出演作品などをみると隠れた女優ガッツは只者ではない。しかし概観はじつにゆるい。身体のラインももみょうにだらしなくエロい。ジムなどにかよって鍛え上げた体ではなく、自然体な女性の身体。いい役さんをみつけたなって思った。
このマギー・ギレンホールが演じるリーという女の子は精神的な発育生涯があるのだろう、社会との接し方がいまひとつ分ってない感じの成人女性。たえられない不幸を感じると、いつもお裁縫箱の中にかくしもっていり自虐セットをとりだし、自分の身体を傷つけて肉体的な痛みを利用し、精神的苦痛から逃れようとする。

劇中には必要以上のSMプレイ的な演出がみられるが、そこまですると単なる悪趣味になってしまうような・・。その辺のコントロールが効かないところがこの監督の底の浅さなのだけど。このお話の基本精神は「とにかく精神的に苦しみたくない。不安になりたくない。だから痛みでごかまかす。でも、私をすべて管理してくれる男がいるなら全部ゆだねたい。そのゆだねるてしまったことを確認できるなら、SMプレイでもなんでもなんでもいい・・」みたいな、その本質的な感情を大事にしてほしかったかな。
とはいえ、原作ありきのようなので、それにそってシャインバーグがアレンジしていってるのだろう。そこそこきちんとした流れにはなっていた。最後のはじめて相手に自分の裸をみせて、その身体にはいままで自分で傷つけた傷跡がいっぱいあるのだけど、その傷跡ひとつひとつにキスしていくジェームス・スペイダーとのラブシーンはなかなか素敵であった。

f0009381_50347.jpg<あらすじ>
自傷癖を持つ内向的な女性リー・ホロウェイ(マギー・ギレンホール)が、個人弁護士事務所の秘書の仕事に就いた。ボスのミスター・グレイ(ジェームズ・スペイダー)は繊細な神経の持ち主だったが、彼がリーのボーイフレンド、ピーター(ジェレミー・デイヴィス)の存在を目にしてから、態度が急変、ミスをすると尻叩きの罰を加えた。だが自虐癖のあるリーはそんな秘書教育に安らぎを覚えていく。二人の間に精神的な愛が介在してくることを恐れたミスター・グレイは、再びビジネスライクな態度に戻った。それに歯痒い思いをしたリーは彼を誘惑するが、ミスター・グレイは彼女を解雇してしまう。リーは代わりの性のパートナーを探すが理想の相手は見つからず、やがてピーターからプロポーズを受ける。一度承諾するものの、やはりミスター・グレイを忘れられないリーは愛を告白。
「それほど私の指示がほしいなら、両手を机につけ! 私がいいというまでそうしていろ」と言い捨て、でていってしまう。一日たっても動こうとしないリー。おしっこがしたくなったても、そのそのポーズのまましてしまう。そのことをききつけた報道陣も事務所のそとをとりまくようになる。やがて根負けしたかのようにあわられたミスター・グレイもリーに愛を語る。

シャインバーグの撮る映画は、下世話なリンチ趣味の映画だが、この映画だけは捨てきれない魅力がある。それはひとえに主人公をマギー・ギレンホールにしたことの恩恵だろう。
あと、このパンフレットの絵もとてもお洒落で好きだ。

by ssm2438 | 2009-11-20 04:17


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