西澤 晋 の 映画日記

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2008年 11月 03日

第三の男(1949) ☆☆☆

第三の男(1949) ☆☆☆_f0009381_3184245.jpg監督:キャロル・リード
製作:キャロル・リード、デヴィッド・O・セルズニック
原作:グレアム・グリーン
脚本:グレアム・グリーン
撮影:ロバート・クラスカー
音楽:アントン・カラス

出演:ジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ

        *        *        *

この映画、お話は普通のサスペンスです。その点に関しては特に特筆すべきところはないのですが、見せ方が渋い。面白い。ウィーンの夜の街をてらす光と影の演出が実にすばらしい。1950年のアカデミー撮影賞受賞です。ロバート・クラスカー、ここにあり! 私も『ゴルゴ13』の41話でこれを楽しんでみたのですが、作っても、観ても、こうい絵作りは楽しい。

画面的なことをいうと、キャロル・リード+ロバート・クラスカーのコンビでここで成されたことはそれ以前の『邪魔者は殺せ』ですでに実践されている。たぶんこの映画をみたデヴィッド・O・セルズニックが「ちょっとリードさんアンドクラスカーさん、うちも金だすからあれやってよ」ってって出来たのがこの『第三の男』だと思う。
画面的には確かにこちらの『第三の男』のほうが、さらにわざとらしくなっていいるのだけど、お話は『邪魔者は殺せ』のほうが個人的には好きだな。こっちはIRA内部の勢力争いの映画なのでなんかリアル・・。

<あらすじ>
戦後のウィーンは、米英仏ソの四ヶ国による四分割統治下にあった。米国作家ホリイ・マーティンス(ジョゼフ・コットン)は、旧友ハリー・ライムに呼ばれて、この街にやって来たが、ハリーは自動車事故で死亡し、まさにその葬式が行われていた。マーティンスは墓場で英国のMPキャロウェー少佐(トレヴァー・ハワード)から「ハリーが闇屋だった」と聞かされる。ハリーと恋仲だった女優のアンナ(アリダ・ヴァリ)知り合い、一目ぼれした、マーティンスはハリーの死の真相を探ろうと決意する。
調べていくうちに、ハリーの死を目撃した男が三人いることをつきとめた。そのうち二人はようやく判ったが、第三の男だけはどうしても判明しない。しかし、その第三の男こそ、ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)自身だった。彼は死んではなかったのだ。

by ssm2438 | 2008-11-03 03:19


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