監督:キャロル・リード
製作:キャロル・リード、デヴィッド・O・セルズニック
原作:グレアム・グリーン
脚本:グレアム・グリーン
撮影:ロバート・クラスカー
音楽:アントン・カラス
出演:ジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ
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この映画、お話は普通のサスペンスです。その点に関しては特に特筆すべきところはないのですが、見せ方が渋い。面白い。ウィーンの夜の街をてらす光と影の演出が実にすばらしい。1950年の
アカデミー撮影賞受賞です。
ロバート・クラスカー、ここにあり! 私も
『ゴルゴ13』の41話でこれを楽しんでみたのですが、作っても、観ても、こうい絵作りは楽しい。
画面的なことをいうと、
キャロル・リード+ロバート・クラスカーのコンビでここで成されたことはそれ以前の
『邪魔者は殺せ』ですでに実践されている。たぶんこの映画をみた
デヴィッド・O・セルズニックが「ちょっとリードさんアンドクラスカーさん、うちも金だすからあれやってよ」ってって出来たのがこの『第三の男』だと思う。
画面的には確かにこちらの『第三の男』のほうが、さらにわざとらしくなっていいるのだけど、お話は『邪魔者は殺せ』のほうが個人的には好きだな。こっちはIRA内部の勢力争いの映画なのでなんかリアル・・。
<あらすじ>
戦後のウィーンは、米英仏ソの四ヶ国による四分割統治下にあった。米国作家ホリイ・マーティンス(
ジョゼフ・コットン)は、旧友ハリー・ライムに呼ばれて、この街にやって来たが、ハリーは自動車事故で死亡し、まさにその葬式が行われていた。マーティンスは墓場で英国のMPキャロウェー少佐(
トレヴァー・ハワード)から「ハリーが闇屋だった」と聞かされる。ハリーと恋仲だった女優のアンナ(
アリダ・ヴァリ)知り合い、一目ぼれした、マーティンスはハリーの死の真相を探ろうと決意する。
調べていくうちに、ハリーの死を目撃した男が三人いることをつきとめた。そのうち二人はようやく判ったが、第三の男だけはどうしても判明しない。しかし、その第三の男こそ、ハリー・ライム(
オーソン・ウェルズ)自身だった。彼は死んではなかったのだ。