西澤 晋 の 映画日記

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2009年 12月 03日

鬼畜(1978) ☆☆☆

f0009381_13402398.jpg監督:野村芳太郎
原作:松本清張
脚本:井手雅人
撮影:川又昂
音楽:芥川也寸志

出演
緒形拳 (竹下宗吉)、
岩下志麻 (妻・竹下梅)
小川真由美 (愛人・菊代)
岩瀬浩規 (長男・利一)

        *        *        *

ひでえ話だ。あんまりひでえ話なんで見る気がうせてしまう。おかげで2回挫折した。今回は最後までいったとさ・・、しかし最後はなかされてしまった。子供の不憫度は『靴みがき』と同じレベルだろう。つらすぎる。あんまりつらいので☆ひとつ減点。

<あらすじ>
川越で印刷屋を営む竹下宗吉(緒方拳)のもとに愛人であった菊代(小川真由美)が乗り込んできて、彼のこども3人を置いて蒸発してしまう。竹下の妻・梅(岩下志麻)は憤慨し、旦那が他で作ってきた子供たちのせわなどしないと言い切る。しかたなく子供たちの世話をしながら印刷屋の仕事もこなす宗吉。お梅は子供達と宗吉に当り散らし、地獄の日々が始まった。そして精神的にまいっていく宗吉。
末っ子のまだ赤ん坊は、栄養失調で衰弱し、寝ているときに梅にシートをかぶせられ死んでしまう。梅の仕業と思い乍ら宗吉は口に出せない。「あんたも一つ気が楽になったね」というお梅の言葉にゾーッとする宗吉だが、その夜、二人は久しぶりに狂ったように身体を求め合う。長女の良子を東京タワーへ連れて行き、置き去りにして逃げ帰える宗吉。長男の利一には「よそで預かって貰った」といい訳した。そして宗吉は、利一を旅につれだし殺す機械を伺うが、殺せない。殺すまでの時間なんとか幸せな時間をすごさせてやりたいと願う気持ちであふれいている。しかし最後は、夕陽が沈もうとする石川県の海沿いの断崖上の草原で蝶採りに遊び疲れ眠りこけた利一を崖下に落としてしまう・・。

翌朝、沖の船が絶壁の途中に引掛っている利一を発見、かすり傷程度で助けだした。警察の調べに利一はがんとして黙秘を続ける。それでも警察は利一を落としたのはいっしょにいた父親の竹下宗吉であると突き止め、逮捕、連行してくる。利一が生きていると分りほっとしする宗吉。移送されてきた宗吉が警察で親子の対面をした。「坊やのお父さんだね?」警官の問いに利一は、「よその人だよ、知らないよ、父ちゃんじゃないよッ」と無表情に否定する。宗吉の声が部屋いっぱいに響いた。「利一ッかんべんしてくれ!」
保護された利一の取調べを担当していたやさしい婦警さん(大竹しのぶ)は、「もうすぐお母さんがむかえにくるからね」とやさしい言葉をかけるのが痛々しい。。


自分を殺そうとした父だが、それでも、まわりのどんなやさしい言葉よりも、自分を一番愛していてくれるのはその父だと分っている子供の健気さがいたたまれない。『砂の器』では父は子供のことを「知らない」といい愛を示し、この『鬼畜』では子供が父のことを「知らない」といい愛をしめすのであった・・。

最初の末っ子にシートをかぶせて窒息死させてしまう時にながれていたオルゴールのメロディが、効果的につかれていて、あの旋律を聞くだけで心がしめつけられてくる。。。観るのが苦しい映画だ。

by ssm2438 | 2009-12-03 12:23 | 松本清張(1909)


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