西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2009年 12月 05日

街角/桃色の店(1940) ☆☆☆

f0009381_4403980.jpg監督:エルンスト・ルビッチ
原作:ニコラウス・ラズロ
脚本:サムソン・ラファエルソン
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:ウェルナー・リヒャルト・ハイマン

出演:
ジェームズ・スチュワート
マーガレット・サラヴァン

        *        *        *

公開時のタイトルは『桃色(ピンク)の店』、「桃色」を「ピンク」と読ませるらしい。

『昼下りの情事』『アパートの鍵貸します』『麗しのサブリナ』などで有名なビリー・ワイルダー、彼がよくいっていた有名なつぶやきが、

「・・ルビッチならどうする?」

そのルビッチが監督したのがこの映画。なのでムードはビリー・ワイルダーに似てます。というかビリーワイルダーのほうがエルンスト・ルビッチににいてるのだけど。
また、この映画はノーラ・エフロンが監督・脚本をした『ユー・ガット・メール』のオリジナルでもある。もっともこの時代にはメールなどないのだから手紙(私書箱)をつかった文通でやり取りをするのだげど、美味しいところはかなり忠実にコピーしてある。最初に手紙の主と会うときも、先にそのレストランにきているサラヴァンをみて、手紙の主としてではなく、本人として会うくだりはまったく一緒。「そこは彼がくる場所なんだから」とスチュワートが座るのを拒むとその後ろの席に背中合わせで座る・・あのシチュエーションはそのままの。ああ、これが元ネタだったのだ・・って改めて認識。と同時にノーラ・エフロンもやっぱりルビッチのファンなんでしょうね。たしかに彼女の書くお話はルビッチにもビリー・ワイルダーにもにてる気がする。ワイルダーと同じく、子供の頃にルビッチをみて育った世代だったのでしょう。

この映画、原作はチェコのニコラウス・ラズロの戯曲。物語の舞台も実はハンガリーのブタペスト。でも映画のなかではみなさん英語で話しているのでどうみてもアメリカに見える(苦笑)。なんでアメリカでやらなかったのだろう? 舞台だけはアメリカに移行したほうがよかったのに・・、でも確かに町の雰囲気はアメリカではない。もっともセットで作ってるのでなんともいえないところだけど・・。そのへんは多少違和感を感じたかな。

<あらすじ>
ハンガリーの首都ブタペストの街角ににあるブティック。クラリック(ジェームス・スチュワート)は一番の古株。であった。そんなクラリックは、新聞広告で見た見知らぬ女と文通していた。主人のマチェックも自分に媚をうらないクラリックの態度は気に入ってるが、気に入ったオルゴール付きの葉巻箱の仕入れに反対されるといい気持ちはしない。そこへクララ(マーガレット・サラヴァン)という女が販売係りに雇って貰いたいとやっていってきた。
現状いる6人でも多すぎるくらいなので、クラリックは独断で断った。マチェックを見つけて頼むクララだがやはり応えは「ノー」。そんな時一人の女客を捕らえ、クラリックが売り物にならないと仕入れを断るはずになっていた煙草入れを言葉巧みに売り付けてしまった。クララは認められて店員となるが、そんないきさつもありクラリックとの関係はよろしくない。
そのころから店の主人マチェックも無口になり、特にクラリックによそよそしくなってきていた。折しも、クリスマスの飾りつけの為に残業を頼むと、クラリックは「今日は大事な用事があるから」とこれを拒否、険悪なムードはさらに悪化、ついにマチェックはクラリックを首にしてしまう。
その日の晩にクラリックは文通している見知らぬ女性と初デートのはずだったのだ。おくれて待ち合わせのカフェに行くと、そこにはいつもケンカばかりしているクララがいるではないか! テーブルの上には目印のバラがおいてある。友人と待ち合わせの振りをして店にはいるクラリック。ここは待ってる人が来る席なので座らならないで!と同席を断られたクラリックは、背中合わせに彼女の後ろの席に座って、待ち人が来るまでしばし話し相手になる。

マチェックがクラリックを嫌い始めたのには理由があった。それはマチェックの妻が店の誰かと浮気をしているらいしということが分ったからで、マチェックはそれが一番親しいクラリックだと思い込んでいたのだ。しかしその相手はいつもマチェックに対してご機嫌をとる別の店員だと判明する。
マチェックは「疑ってすまなかった」とわび、改めてクラリックを支配人に任命し、クラリックはヴァダスをクビにした。最後はクララが、文通していた男はクラリックだと判り、二人が結婚するのは近々らしいところで映画はおわる。


基本ラインは実にほほえましいお話なのだが、演出的にはちょっと不親切なところもあるかな。もうちょっと説明してあげないと状況が飲み込めない部分がちらほらあるかな。
ふたりで倉庫の棚を整理するシーンがあるのだが、あとになって、「実はあのときときめいていたの」とサラヴァンが言うのだが、そんな感じはみじんもなかたり・・とか。あのあたりで「わうああ、私この人といるとけっこう楽しいかも」とかいう感情を見せてほしかったかな。たとえば・・せっかく楽しい時間なのに、誰かが彼を呼びにきて盛り上がった会話が途中でおわってしまいちょっと淋しいサラヴァン・・とか、そんなアップをちょとちょとっと足すだけで雰囲気は出るのにって思ったけど・・・。
そのあたりは今の映画のほうがしっかりしてるかなって思った。

by ssm2438 | 2009-12-05 02:04


<< めぐり逢えたら(1993) ☆☆☆☆      レッド・オクトーバーを追え!(... >>