西澤 晋 の 映画日記

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2008年 11月 07日

囚われの女(1968) ☆☆☆☆

f0009381_20533132.jpg監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
撮影:アンドレア・ウィンディング、ジャック・ソールニエ

出演:
ローラン・テルジェフ (スタン)
エリザベート・ウィネル (ジョゼ)
ベルナール・フレッソン (ジルベール)

        *        *        *
アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの遺作となってしまったこの作品、今ではDVDも販売されず、中古でVHSをさがすしかないのだが、幸いなことに私はこのビデオをまだ持っている。今となっては宝物のひとつとなっていて手放せない映画の一つだ。

エイドリアン・ライン『ナインハーフ』がSMチックなラブストーリーをつくったが、その20年前にアンリ=ジョルジュ・クルーゾーはそれを既にやっていたのだ。ただ、メンタルはこちらのほうがかなり深いと思う。サディスティックになってしまうものの劣等感の表現がいいんだ。やはりこの劣等感なくしてサディズムには傾倒しないし、これがないサディズムなんてのはそれこそただの遊びだ。この映画では、SMチックな遊戯をたのしんでいた二人がだんだんとほんとに愛し合うようになり、しかし、本気になればなほど、男のほうが劣等感を感じずにはいられなくなり女から逃避しようとする。そんな男をなんとか、劣等感を持ちながらも、勇気を持って求めるることが出来る男になってほしいと成長を望む女の話・・という感じか。
露出度はほとんどないのですが、ムードはとってもエロい映画。しかしやっている内容はかなりデリケート、支配願望、被支配願望、劣等感・・などフロイト的な内容をこなしてる。前半は男が女をSM遊戯のなかで刺激してるけど、中盤は女が男を、劣等感からひっぱりだそうとしてる。このせめぎあいが実にアンリ=ジョルジュ・クルーゾーのいつもの追い詰める演出になっている。
やはりすごいぞアンリ=ジョルジュ・クルーゾー!!!

<あらすじ>
近代アートの芸術家ジルベール(ベルナール・フレッソン)の妻ジョゼ(エリザベート・ウィネル)は、展示会の会場でスタン(ローラン・テルジェフ)に出会う。スタンにひかれたジョゼは彼のアトリエを訪れる。そして彼の言葉のままに被写体となる。まるで両手を縛られてつるされたようなポーズをとらされるジョゼ、そして後ろで二縛られたようなポーズ・・、そんな自分の姿を鏡でみせられる。ジョゼは普段は心に秘めていた被支配願望がすこしづつ目覚めていく。そして再び彼の部屋を訪れた時、スタンはモデルを呼んでいた。ジョゼの前でポーズをとらされるモデル。その撮影風景を何かを感じながら見ているジョゼ・・。
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主演のエリザベート・ウィネルがあからさまなヌードを披露することはなかったのだが、ムードだけでとてもエロチックな映画にしあがっている。アイテムとしても透明感のあるもの、鏡面効果のあるものなど、当時としてはかなりお洒落な画面づくりをめざしてた前衛的な絵作りの映画だった。

by ssm2438 | 2008-11-07 21:16


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