西澤 晋 の 映画日記

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2008年 11月 09日

曼陀羅(1971) ☆

f0009381_1104083.jpg監督:実相寺昭雄
脚本:石堂淑朗
撮影:稲垣涌三
音楽:冬木透

出演:
清水紘治 (信一)
森秋子 (由紀子)
田村亮 (裕)
桜井浩子 (康子)
岸田森 (真木)
若林美宏 (真木夫人)

        *        *        *

実相寺昭雄『無常』につづいて発表した劇場映画の第二弾。まったく面白くない。『ウルトラマン』の科学特捜隊の紅一点・富士隊員(桜井浩子)のヌードがみられるというだけの映画。それだけでもけっこう価値はあるかもしれないが、話は実際つまらない。というか、『無常』もうそうだが、話などあってもどうでもいいようなもの。観念論だけを映像化したような映画であり、アンコンベンショナルな映像表現だけが売りのような映画。そのカメラが映し出す対象が、ひたすらたいくつでくだらないごたくをならべまくる。その忍耐力がない人は飛ばしてみるのが関の山。映像表現だけの映画のつまらないさを確認できる反面教師映画といえよう。なにも勉強せず、「広角画面が好き」とかいってる連中はこの映画を最後までみて、それがどれだけダサいか理解すべきだ。普通の人は途中でやめたくなる。

<あらすじ>
小さなモーテルで、二組のカップル、信一(清水紘治)と由紀子(森秋子)、裕(田村亮)と康子(桜井浩子)が、互いに相手を交換し合い抱き合っている。それをモーテルの支配真木(岸田森)がブラウン管でみている。裕と康子が先に帰ったあと、信一と由紀子は海岸に降りてゆくが、真木の部下に襲われた。しばらくして気が付いた信一は、死んだような全裸の由紀子を愛撫し始めるが、二人は朦朧とした意識の中で、かつてない深い陶酔にひたった。
信一と由紀子は再びモーテルを訪れ、真木にさそわれある農村を訪れる。そこは、単純再生産の法則が全てを支配するユートピア(?)であり、農業とエロチシズムの追求がコアになっている。そこでは白衣に身を固めた能面のような真木夫人(若林美宏)と、夫人に仕える若い女君子が居り、あのモーテルはこのユートピアと外の世界を結ぶ通路であるという。信一と由紀子は、真木夫妻に魅せられていった。
のちに康子と裕もこのユートピアにつれてこられるが、真木の信奉者になった信一と由紀子に対し、裕はこのようなユートピアは空想であり、夢、幻のようなものだと問いつめる。別の部屋で傷つき横たわる康子は、真樹の部下に犯され自殺する。
行方不明の康子は、この集団に殺されたと考える裕は、ユートピアの犯罪性を強く信一に問いただすが、信一は狂ったように踊りまくるだけだった。ユートピア集団の本性を知った裕は、これを破滅させる為に豊満な真木夫人を犯すが、真の快楽を知った夫人は渓流に身を投じた。康子と夫人の死は、真木の理想とするユートピアの崩壊であった。真木達は裕の止めるのも聞かず新天地を求めて荒海に向かって船出するが、数日後砂浜に全員死体となって打ちあげられるのだった。

当時の学生運動をやっていた連中の思想だけからまわりした映画。「てめーら勝手に腐ってろ映画」の一つといっていいだろう。

by ssm2438 | 2008-11-09 07:04


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