西澤 晋 の 映画日記

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2008年 12月 27日

オーメン(1976) ☆☆☆

f0009381_19304121.jpg監督:リチャード・ドナー
脚本:デヴィッド・セルツァー
撮影:ギルバート・テイラー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演:
ハーヴェイ・スティーヴンス (ダミアン)
グレゴリー・ペック (ロバート・ソーン)
リー・レミック (キャサリン・ソーン)
デヴィッド・ワーナー (ジェニングス)
ビリー・ホワイトロー (ミセス・ベイロック)

        *        *        *

タイトルの「Omen」とは、<未来に起こりうる何かを示すその前兆>の意。

この映画のすばらしさはジェリー・ゴールドスミスの音楽。がんがんもりあげてくれる。ブレナン(パトリック・トラフトン)神父が風の中をおいつめられていくところなんかすごい。風と音楽だけでこれだけもりあげられるのか・・と感心する。そしてこの映画のよいところは、血しぶきがでない。オカルト映画としてはかなりスマートな映画。さらに画面が暗くない。
ついつい恐怖感をあおるためにやたらと見えないくらいに暗くするのが普通の手段だが、この映画ではある程度の光量をかくほしつつ、見える状態のなかで不気味さを出している。作り手の良心を感じるオカルト映画だ。ショッキングなシーンもいろいろあれど、死ぬまでの見えない恐怖が迫りくる雰囲気をゴールドスミスの盛り上げ音楽で散々もりあげておいて、さくっと殺すきわめてスマートな殺し方。好感がもてるオカルト映画だ。

音楽だけでなく、シナリオもしっかりしている。シナリオはのちに『パンチライン』を書くデヴィッド・セルツァー。この映画、トム・ハンクスを主演にすえたスタンダップ・コメディアンの話術をの話だが、そのしゃべりのシーンはすさまじく、脚本家としての実力をまざまざとみせくつけてくれた。
監督はリチャード・ドナー。キワモノにすることはなく、きわめて正統派の演出をする人。スーパーインパクトな作品には仕上げないが、ころあいのいいところできちんとまとめる監督さんという印象。落とし所がロン・ハワードとにてるかもしれない。刺激的すぎる、軟弱すぎず・・、きわめて無難なところを選択する人です。

<あらすじ>
某年6月6日、午前6時、ローマの産院で、アメリカの外交官ロバート・ソーン(グレゴリー・ペック)の夫人キャサリン(リー・レミック)は、男の子を出産したが、その子は生まれるとすぐ死んだ。しかし、産院で知り合った神父から、同じ日、同じ時間に生まれた男の子を、死んだ子の身がわりにもらってほしいと頼まれた。その子の母も産後すぐに死んだのだという。ロバートは、妻にそのいきさつを話さず、その赤ん坊をもらいダミアンと名づけた。
キャサリンはダミアンを自分の子と信じていた。ロバートは駐英大使としてロンドンに栄転した。ダミアンの5歳の誕生日、乳母の異常な自殺を境に息子の周囲で奇妙な出来事が続発。次第に神経質になり精神が不安定になっていく妻キャサリン。息子へ過度な愛情を注ぐ新しい乳母ペイロック夫人(ビリー・ホワイトロー)。
「ダニアンの母親は山犬だった!」だと言い近づいてくるブレナン神父(パトリック・トラフトン)、彼は「キャサリンが妊娠していることを告げ、ダミアンが死産させる」と予言するが、ロバートと別れた後猛烈な風と雷に襲われ、落ちてきて避雷針に串刺しにされて死んだ。そしてまもなくキャサリンも、三輪車で遊んでいたダミアンが椅子に衝突、2階上から墜落、流産する。そんな時、ジェニングス(デイヴィッド・ワーナー)というカメラマンがロバートを訪ねた。彼が撮った先に自殺した乳母やブレナン神父の写真には不思議な1本の線が浮きあがっていたのだ。
ロバートは、ダミアンの出生の秘密を調査しにジェニングスとともにローマへ飛んだ。ダミアンの生母の墓の場所を聞き出した2人は、その墓を掘り起こした。中には山犬の骨が横たわっていた。さらに隣りの小さな墓には人間の赤ん坊の骨がはいっていた。それこそロバートの実子だったのだ。そのころロンドンの病院ではキャサリンがペイロック夫人に窓から突き落とされて殺される。
ロバートはブレナン神父から聞いていた悪魔払いの長老に会った。長老はダミアンの頭髪の下に、悪魔の印である「666」が刻まれているはずだと言い、ダミアンを殺すための数本の短剣を渡した。その帰途、ジェニングスは、ガラス板を満載したトラックが暴走し、ガラス板で首を切断された。
ロンドンの自宅に戻ったロバートはダミアンの頭髪の下に「666」の数字を発見した。襲い掛かってくるベイロック夫人。これを払いのけ、ダミアンを教会に連れて行き、祭壇に押さえつけると短剣で突き刺すロバート。追って来た警官たちが発砲しロバートは死んだ。彼の葬儀が行われ大統領夫妻と子息も参列して行なわれた。ダミアンは彼らの養子としてもらわれていた。

先ごろのショッキング映画は、やたらと惨殺シーンで血しぶきとばしたり、やたらと真っ暗にして見えなくしたりと小手先にお恐怖表現にはしりがちだが、この映画はシチュエーションで怖さを盛り上げていく。きわめて正統派と、実力がある人のシナリオであることがわかる。良質のオカルト映画でした。

by ssm2438 | 2008-12-27 19:41


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