西澤 晋 の 映画日記

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2011年 01月 25日

アラビアのロレンス(1962) ☆☆☆☆☆

f0009381_5511246.jpg監督:デヴィッド・リーン
脚本:ロバート・ボルト
撮影:フレデリック・A・ヤング/ニコラス・ローグ
音楽:モーリス・ジャール

出演:
ピーター・オトゥール (トーマス・エドワード・ロレンス)
オマー・シャリフ (アリ族長)
アンソニー・クイン (アウダ・アブ・タイ)
アレック・ギネス (ファイサル王子)

        *        *        *

今回みたのは『アラビアのロレンス』完全版のほう。音声が格段に良くなっているとか。音楽はモーリス・ジャールなのであいかわらずどこもかしこもハイテンションでうるさい(笑)。そういえば『レザレクション/復活』も彼だが、あれもうるさかったなあ(苦笑)。トータル尺も1962年の公開時より20分ふえてます。どこが増えても大した印象にかわりがないという気がしますが・・。

久しぶりにみたら、すごかった。大スペクタクル時代の申し子のような映画だ。もう二度とこんなつくりが出来る映画はでてこないだろうなあ・・。しかし、大掛かりな撮影とだけが売り物の映画ではなく、人間ロレンスの成し遂げるエネルギーがアラブ人たちを扇動していく、そのドラマが素晴らしいのだ。そしてその狂気が暴走していく。
だれもが不可能だと思われていた軍港アカバ攻略のためにネフドの砂漠横断するロレンス達。ラクダにやる水はない。それだと20日すればラクダは死ぬ。そうなればみんなも死ぬ。そんな状況下で、昼間は睡眠をとり、夜になったら進む。あと1日あるけば井戸だというとこきに、ラクダにのっていたはずの一人がいない。睡魔にまけて途中で寝てしまい落ちたのだろう。アリ族長(オマー・シャリフ)は、「つれも度にし戻ればお前も死ぬ。あと1日あるけば井戸がある。このまま進むしかない。人も、ラクダも、もう限界にきている。彼が死ぬのは運命だったのだ」と戻ろうとするロレンスをとめようとすが、ロレンスはそんなアリをふりほどいて戻っていく。結局その男はなんとかロレンスに拾われ、一足先に井戸についたみんなと合流できる。戻ってきたロレンスに尊敬の意をこめて水をわたそうとするアリに

「Nothing was written !」

「誰かが書いたあらすじなんてないんだ!」っとギリとみすえてつぶやく。訳は「運命などないんだ」だった。「そんなことがあり、彼が徐々に指導者としてアラブの民から慕われていく。

最初にみたのは子供のときでまだ小学生か中学生1年生くらいか・・、荻昌弘さんの月曜ロードショーか水野晴郎さんの水曜ロードショーのどちらかだったと思うが、長いので2週に分けて放送された。そのころは時代背景がよくわからず、さらに冒頭バイクの事故で死んだと思われるおじさんがロレンスだということもあやふやだった。お恥ずかしい。後にこれは記述を呼んで、ああ、やっぱりそういうことなのか・・でもなんで???と不思議に思ったものだが・・・。しかし、大人になってから見ると、時代背景が分るからいいね。当時はどういう図式で戦っているのか分ってなかった。

<あらすじ>
f0009381_5535659.jpg当時は第一次世界大戦の真っ最中。中東を支配していたいオスマン・トルコは、ドイツ帝国と同盟を結んでいた。イギリス軍はアラブ民族を支援することでオスマン・トルコを中東支配から排除しようと考えていた。イギリス軍はアラブ諸部族に協力するためにトーマス・エドワード・ロレンス(ピーター・オトゥール)を派遣した。1916年10月のことである。
ロレンスはトルコ軍が支配する軍港アカバを落とすことを決意する。アカバは補給基地として最重要ポイントであるが、大砲を並べるアカバは海からの攻撃では落とせない。ロレンスがネネフ砂漠を横断し、陸地からアカバを攻める。
補給地点を確保したロレンスはアラブ人たちを指揮してヒジャーズ鉄道対を攻撃する。補給路を守るために最前線の後ろでも戦闘をしいられたトルコ軍徐々に弱体化、終にエルサレム、そしてダマスカスから撤退する。エルサレムに行ったロレンスは、すでに英仏両国間にアラブとトルコの土地を二等分する条約が結ばれているのを知り愕然とした。

この映画では、ロレンスはアラブ人の独立のためにトルコの支配からアラブを開放し、彼らの自治独立を支援するつもりでいた。しかし、イギリスやフランスの考えていることは、トルコに変わってイギリスとフランスがアラブを支配することでしかなかった。イギリス軍より先にロレンスはアラブ人を率いてダマスカスに先に入城、翌日イギリス軍が入ってきた時にはすでに放送局は発電所、水道局などの重要ポイントはアラブ部族合同評議会が支配していた。ロレンスは彼らにダマスカスを与えようと思っていた。しかしアラブ人たちは部族間で利益衝突がおき結局アラブ部族の合同評議会は解散。結局アラブ人には総合的な社会性よりも、種族間の争いのほうが重要なのだ。
絶望したロレンスは、大佐という名のもとに本国送還となり、アラブの土地をさることになる。


はたからみると西洋文化の押し付るという名の愛であるが、ところかわればそんなものはいらないよ!って話。所詮アラブ人の魂は盗人なのだろうなって思った。盗人魂を制御するのにイスラム教が必要だったのだろうと・・、さらに盗人の腕を切るなどの重罰も、人の基本は盗人である・・というとこから、それを戒めるための強硬手段とし発展したのだろうと思った。

オタクどもに画角の概念を語っても無駄であるという、似たようなむなしさを共感できる映画だった。くそおっつ、すばらしいぞ!

by ssm2438 | 2011-01-25 05:54


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