監督:アラン・J・パクラ
脚本:ジョン・ブアスティン
撮影:スヴェン・ニクヴィスト
音楽:マイケル・スモール
出演:クリスティ・マクニコル
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何を勘違いしたのか1986年の
アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭でグランプリをとってしまった作品。対抗馬といえば
『第五惑星』くらいだったみたい。
だいたいパクラの映画がアヴォリアッツに出展されるということ自体不可思議なこと。この映画を見たことのある人はそういない思うが、個人的にはそれほど悪くないと思った。まあ、パクラファンなのである程度贔屓目は入っているし、ヒロインは
クリスティ・マクニコルだし、撮影は
スヴェン・ニクヴィストだ。普通は
ゴードン・ウィリスがパクラ作品の常連なのだけど、きっとなんらかの仕事があって手が空いてなかったのだろう。いやいやしかし、だからといってベルイマン御用立つのスヴェン・ニクヴィストをつれてくるか・・!?って感じでした。
<あらすじ>
フルート奏者の学生キャシー・ガードナー(
クリスティ・マクニコル)はアパートに侵入してきた男もみ合いになり、彼が落としたナイフを拾って背後から刺し殺してしまう。事実を父に話すが、正当防衛が通用しないと判断した父は、キャシーに偽証させる。失意のキャシーは家を出てピアニストの友人ケヴィンと暮らすことにするが、それからというもの、彼女は悪夢に悩まされ、不眠症となっていく。
そんなキャシーに声をかけたのがある研究機関のマイケル・ハンセンだった。調べてみるとキャシーは夢を見ている間にも筋肉が反応する、珍しい体質だった。そして夢の中で彼女は殺人鬼と化していた。やがて夢でみたことを実行するようになるキャシー。夢と現実の区別がつかなくなってきた彼女は、やって来た父を、自分が殺した男と混同して父に襲い掛かる。
・・・このての話はあんまりパクラには似合わない。パクラの場合は、主人公の住む世界が、ぐいぐい主人公を圧迫していくところが面白いのだけど、この映画はどっちかというとその反対、内側にあるものが主人公をおいつめていく話。・・しかし、そういってしまえば聞こえはいいが、夢に見たことを実行していく主人公が目が覚めてから夢遊病に苦しむだけの話であり、マクニコルの過去になにかもっと深いダークサイドのトラウマがないとダメだったかも。