西澤 晋 の 映画日記

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2010年 01月 31日

グッドモーニング,ベトナム(1987) ☆☆☆☆

f0009381_944446.jpg監督:バリー・レヴィンソン
脚本:ミッチ・マーコウィッツ
撮影:ピーター・ソーヴァ
音楽:アレックス・ノース

出演:
ロビン・ウィリアムズ (エイドリアン・クロンナウア)
フォレスト・ウィッテカー (ガーリック一等兵)
チンタラ・スカパタナ (ベトナムの少女・トリン)
トゥング・タン・トラン (トリンの兄・ツアン)

        *        *        *

ベトナム従軍した米軍放送の実在した人気DJの話。基地の放送コード無視のハイテンション型破DJエイドリアン・クロンナウアの役どころでは、ここぞとばかりにロビン・ウィリアムズがその才能を爆発させている。ロビン・ウィリアムズといえば、どうしても過剰な親近感とサービス精神で作品によってはけっこううざいのだが、この映画のウィリアムズは悪くない。いつもこのくらいでやってくれてたらいいのになあって思う。ロビンウィリアムズのマイベストは『ハドソン河のモスコー』か、この『グッドモーニング,ベトナム』だろう。

泥沼のベトナム戦争、前線に向かう兵士たちを乗せたトラックとすれ違い、その場で即興のDJ、兵士の何人かをネタに笑いをふりまいていくクロンナウア。ほんのひと時の安らぎをむねに戦場にむかっていく兵士を見送るクロンナウア・・・、あのシーンは泣けるね。
そしてヴェトナムでの惨劇の映像のバックで流れるサッチモ『what a wonderful world』・・・。 こういうの〇〇技法っていうんだとか(忘れた)。悲惨なシーンに穏やかな音楽を流すとか、ギャグシーンに悲しい音楽をつけるとか、正反対の音楽をつける事で複雑な感情の染み込みを演出する技・・・。この映画も効果的につかわれている。

この映画を見ていて思うのは、アメリカ人のもつある種のおおらかさというのは、やはり精神的なゆとりからきているのだろうなって思う。英会話やってても、とりあえずはウェルカムなスタンスを提供する紳士的な態度。あれには感嘆する。で、なぜあれが出来るのかっていうと、アメリカ人ってアウェイで戦わない人種なのかなって思った。アウェイのところでさえもホームを持っていく。いちど沖縄の嘉手納基地の中に入れてもらったことがあったのだがあそこはまさにアメリカだった。広大な土地に緑の芝。日本人のいないめずらしい外国。きっとベトナム戦争の時もアメリカの基地内はアメリカだったのだと思う。
この映画ではアメリカによる他国への一方的な価値観の押し売りをゆるやかに批判している部分があるが、生きることは戦いだし、そのなかで勝ち抜いていくには、一番の正攻法なのだろうなって思った。

f0009381_9441437.jpg余談だが、ベトナムの少女トリンを演じたチンタラ・スカパタナChintara Sukapatana)はじつに可愛らしかった。タイの女優さんらしい。

<あらすじ>
1965年のサイゴン(現ホーチミン市)。本国から米軍放送の人気DJ、エイドリアン・クロンナウアー(ロビン・ウィリアムズ)が赴任してくる。迎えに来たのはガーリック一等兵(フォレスト・ウィテカー)。
そして放送開始の時、

「ぐうウウウううううううううううううううううううううううううううううううううっモおおーーーーーにんヴィいええっとなあああああああああああむううううう!」

の大絶叫から始まるマシンガントーク。上司となるディカーソン軍曹(J・T・ウォルシュ)とホーク少尉(ブルーノウ・カービー)は動転したが、100万のベトナム米軍は絶大な拍手をもって彼を迎えた。
一方街にでたクロンナウアはいつぞや見かけたベトナムの美少女トリン(チンタラ・スカパタナ)を追いかけ、彼女の通う英語学校に入り込み、軽妙な英語を教えて人気者になる。怪しいアメリカ人として警戒していたトリンやその家族も少しづつ親近感を持つようになり、いつしかトリンの兄ツアン(トゥング・タン・トラン)とも親しくなった。
ある日、サイゴンのカフェにいるとツアンが現れ、クロンナウアを外へ連れ出す。するとさっきまでいたカフェが爆発炎上した。偶然の一致か、なんとか難を逃れたクロンナウアはそのテロ事件のことを放送で話してしまう。しかしニュース内容は軍の統制化で放送禁止でり、彼は降ろされてしまう。後を継いだホーク少尉のDJはまったくなまぬるいもので、反感の投稿が山のようによせらてくる。前線に向かう兵士たちの激励を聞き、再びマイクに向かったクロンナウア。
f0009381_9473670.jpgしかし軍情報部が、ツアンはベトコンの活動家であることをキャッチ。ベトコンと友達だったということで本国へ送還されることが決定したクロンナウア。信じられないクロンナウアはトリンを通じてツアンと会い、真相を知ろうとする。そしてベトナム人のもつ反米感情も知る。ふたりの間にはうめられない溝があった。
最後の日、英語学校のベトナム人たちとお別れのソフトボールをやった。ボールがないのでウリをボールにみたてた。そこにはクロンナウアを受け入れてくれる人々の笑顔があった。クロンナウアはサイゴンを去って行った。翌日の放送室のマイクの前にはガーリック一等兵が座っていた。放送開始のサイン。

「ぐうウウウううううううううううううううっモおおーーーーーにんヴィいえっとなあああむうう!」

ノリはいまいちよくないが、クロンナウアの魂を引き継いだ一声だった。

by ssm2438 | 2010-01-31 09:51


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