西澤 晋 の 映画日記

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2010年 02月 03日

ワールド・オブ・ライズ(2008) ☆☆☆

f0009381_208588.jpg監督:リドリー・スコット
脚本:ウィリアム・モナハン
撮影:アレクサンダー・ウィット
音楽:マルク・ストライテンフェルト

出演:
レオナルド・ディカプリオ (ロジャー・フェリス)
ラッセル・クロウ (エド・ホフマン)
マーク・ストロング (ハニ・サラーム)
ゴルシフテ・ファラハニ (アイシャ)

        *        *        *

プレデター大活躍!

衛星からの画像というのは最近のCIAがらみの映画ではあたりまえになってきているが、この映画ではそれにくわえて無数の無人偵察機プレデターからの映像が使われている。なんでもイラクではこのプレデターが350機くらい上空を飛んでいて、その活動時間は1機あたり4~6時間。ひっきりなしにラスベガッス近郊の軍事基地に地上の画像を送ってきているという。この映画は、現場で非常な任務をこなすCIA工作員と、本国で暖かい家庭にすごしながらそれに指示を出す分からず屋の上司(苦笑)とのやり取りを軸に、爆弾テロのリーダーをおびき出すために架空の爆弾テロ組織をつくりあげ、彼が接触してくるのを待つというもの。
ただ・・・映画ではちょっとそこのところがいまいち弱かったかな。個人的にはこの架空の組織をでっち上げ、あたかもそれが本当に存在するように裏工作をつみかさねていくところと、それに気付き、その信憑性を疑いながらも接触してくるテトリスト・・という部分をもっと丹念に、ドキュメンタリー風に描いてほしかったなあ。できることならこれはリドリー・スコットじゃなくウィリアム・フリードキンにやってほしかった(苦笑)。女とのからみなんかほっといて、そのトリック工作を地道に描いてほしかったのに・・、映画では原作をそのままフラットにストーリーに載せてるような感じだった(原作は読んでないですけど)。

ちなみに、この手のイスラム原理主義のテロリストを相手にする場合は一つのルールがあるらしい。それは「最後の敵は自国民にする!」。あくまで中東のテロ組織のリアクションは『環境』として描かれるもので、ドラマの敵として描いてはいけないような雰囲気である。この映画を見る前に、『S.A.S.英国特殊部隊』の脚本家でもある元SAS隊員のクリス・ライアンが書いた小説を読んでいたが、やはりその暗黙のルールは守られていた。ほとんどの場合はラスボスは味方の上司であり、中東のテロリストはその環境としてしか描かれないのだ。エドワード・ズウィック『マーシャル・ロー』にしても最近の『イーグル・アイ』も、先にアメリカがなにかやらかしてそのリアクションとしてテロリストが反応するという展開であり、中東のテイスラム原理主義者を敵対視しない配慮がなされている。
ただ、この映画に関してはめずらしく、敵としてイスラム原理主義のテロリストを描いているのはなにげに新鮮だった。しかし、それでも映画の縦軸にはやっぱりヒューマニストのCIA現地工作員対本国の分からず屋上司の構図がメインにしかれ、さりげなくぼやかす努力はしていたようだ。

<あらすじ>
f0009381_2065399.jpgCIAのエド・ホフマン(ラッセル・クロウ)は世界規模で爆弾テロを企てるテロリストのリーダー、アル・サリムを追っていた。そんな折、イラクで活動中の現地工作員のロジャー・フェリス(レオナルド・デカプリオ)は、アル・サリムが次の爆弾テロのあとにメディアに流す犯行声明分を読み上げる映像を入手する。情報邸居者の保護をもとめるフェリスだが、ホフマンはあっさり却下、情報提供者を泳がして誰に殺されるのか確認しろというのだ。しかし、自分の身元がばれるのを阻止するためには、フェリス自身で彼を殺すことになる。ホフマンの無理解さに憤慨するフェリス。
ヨルダン情報局の責任者ハニ・サラム(マーク・ストロング)と信頼関係を築き、アル・サリムの部下のひとりを抱きこむことに成功、情報提供者に仕立て上げたにもかかわらずホフマンがこの男を拉致、テロ組織は早々とアジトを焼き払い撤退してしまう。ハニ・サラムはこのおろかな作戦の失敗に業を煮やし、フェリスに国外退去命令をだす。
ホフマンに怒りをぶつけるフェリス。そんなフェリスは大胆な作戦を思いつく。
架空の爆弾テロ組織を作り上げ、さらに嘘の爆弾テロニュースを流し、アル・サリムがその組織とせっしょくしてくるのを待つ・・というものだった。アンマンに戻り、なんとかハニ・サラムを説得したフェリスは作戦を開始する。ヨルダン人の建築家の名義を使い、この人物を架空のリーダーとし、ヨルダン情報局の人脈をつかいつつ爆弾テロ事件や武器やお金の流れを偽装構築していく。そしてトルコでの爆弾テロのニュース報道。そしてついにアル・サリムが食いついてきた・・・。

by ssm2438 | 2010-02-03 20:19 | リドリー・スコット(1937)


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