西澤 晋 の 映画日記

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2010年 02月 05日

大地の子守歌(1976) ☆☆☆

f0009381_7211934.jpg監督:増村保造
脚本:白坂依志夫/増村保造
撮影:中川芳久
音楽:竹村次郎

出演:原田美枝子 (りん)

        *        *        *

少女りんがもつ怒涛の生命力を見よ!

その大地から噴出した生命力がこの少女の体内にやどってほとばしる! おお、増村保造、大映やめてからもガンバっとるな! 後期の増村保造作品のなかではこの『大地の子守唄』『曽根崎心中』がベストでしょう。

1976年のブルーリボン・作品賞受賞作品。ちなみにブルーリボン賞というのは、東京映画記者会が主催する在京スポーツ新聞社を中心とする映画担当記者が選考する映画賞。名前は軟派だが、作品はきちんとしたものを常に選出している映画賞という印象。

<あらすじ>
13歳の少女りん(原田美枝子)は四国の山奥で大地の恵と共にいきていた野生児だったが、一緒にくらしていたババの死後は、瀬戸内海のみたらい島に売春婦として売られてしまう。反抗的なりんは何度もしばかれた。この島では丘の上の売春だけでなく、沖合いに停泊する船の男たちにも女を抱かせていた。その女たちを運ぶ船は「おちょろ船」と呼ばれ、りんはそのこぎ手になった。舟さえ漕げれば、いつの日か島を脱出できると考えたからだ。
やがて初潮を迎えたりんは、客をとらされるようになる。りんは闘争本能のままに狂ったように働きつづけた。しかしその結果、視神経を犯され徐々に視力を奪われていく。そんなりんに同情した伝導師が、りんを島から逃がそうと舟に乗せた。りんは帯をといて着物を脱ぎ、両手をあわせる、
「うちはただでお金をもらうことはできまへん。どうぞ、うちを好きにしておくれまへ。この恩は、一生、忘れはせんけんな! 盲のおりんのこの気持を、うけとっておくれまへ」。

増村保造映画は潔いのである。

by ssm2438 | 2010-02-05 07:22 | 増村保造(1924)


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