西澤 晋 の 映画日記

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2010年 02月 28日

最後の初恋(2008) ☆☆

f0009381_12551864.jpg監督:ジョージ・C・ウルフ
原作:ニコラス・スパークス
脚本:アン・ピーコック/ジョン・ロマーノ
撮影:アフォンソ・ビアト
音楽:ジャニーン・テソリ

出演:
リチャード・ギア (ポール・フラナー)
ダイアン・レイン (エイドリアン)
スコット・グレン (ロバート)

        *        *        *

画作りはとてもいい感じ

離婚して二人の子供を育てているダイアン・レイン。時折元夫のとのころに子供たちはお泊りにいくことになっている。その週末も子供たちを送り出したダイアンレインは、海辺にある小さなペンションを5日間だけ代わりに管理して欲しいと友人から頼まれ、ノース・カロライナのアウター・バンクスにある小さな町ロダンテに向かう。そこを訪れた唯一の客リチャード・ギアとのロマンスを描いた映画。
アフォンソ・ビアトの画面はすこぶる素晴らしい。望遠の画面がやたらと効いていて、ドラマチックな雰囲気をかもし出してる。だいたい浜辺にぽつんとたつペンションというだけですでに映画としてなりたっている。このペンションを望遠で撮るだけで気持ちがいい。
お話はかなりスタンダードで、お行儀のいいメロドラマといった感じ。原作は『メッセージ・イン・ア・ボトル』ニコラス・スパークス。・・・しかし、どうもこの人の書くお話は理性がききすぎていて、魂が理性を突き抜けるもにならない。図式的な感情処理なので、ハーレクインロマンス的な感じがする。どちらかというと感情移入するというよりも、見せられるタイプの映画だ。

医師ポール・フラナー(リチャード・ギア)は頬に腫瘍のある女性患者の手術中に、彼女を死なせてしまい、その患者の夫ロバート・トレルソン(スコット・グレン)に医療ミスで訴えられている。そのトレルソンから手紙をもらい、彼に会いにきていたのだ。しかし彼を家を訪ねると、その息子はポールのジャガーに蹴りを入れて追い返してしまう。その週末にはハリケーンが近づいてきており、エイドリアン(ダイアン・レイン)は食料を買い込んでいた。その食料品店で、トレルソンとフラナーの噂話を耳にする。
そのトレルソンがペンションにやってきた。ポールは手術と、患者の死にの原因について説明するが、トレルソンは「妻の目は何色だったか覚えているか?」と問う。答えられないポール。トレルソンは黙って帰っていった。そのやり取りをみていたエイドリアンは「彼は悲しみを知って欲しくて着たのよ。名のにあなたは自己弁護ばっかり」とポールの態度を非難する。
ポールにとって患者が誰であるかなどということは関係のないことだった。手術というのは作業であり、その中には対処不可能は事態も起きる。しかし、妻を失ったトレルソンにとっては最愛の人を失ったのだ。その心のすれ違いが、トレルソンを訴訟をおこさせ、怒りの表現にしていたのだ。

このあたりが、実にこのニコラス・スパークス原作の記号的なところなんだよね。私が想像するに医師というものは、それを作業として行い、死というもをそれ避けられない現実として受け入れなければやっていけないものだと思う。一般人が死に直面するのはそれほど多くないが、医療関係者にとっては日常茶飯事であり、それの総てに感情移入していては精神も身体ももたないはずだ。ゆえに医療ミスの裁判に関してはかなりの確立で医者が保護されている。これは手術に責任を感じすぎるとそれ自体の執行に不手際が生じかねないからだろう。手術を依頼する側もそれを理解して、手術に踏み切っているものだ。
そこを「おまえは感情移入してないからけしからん」というのは、登場人物の怒りのモチベーションにするのは浅はか過ぎると思う。このニコラス・スパークの原作にはそういうところが多い気がする。そしてこの映画のなかのそれぞれのキャラクターの行動のモチベーションが実に記号的なのだ。

f0009381_12545866.jpgハリケーンの夜を二人でなんとかやり過ごしたポールとエイドリアンは、再びトレルソンの家にいき、感情移入するべき相手として言葉を交わす。別にそれぞれが非難と弁護のがなりあいをするわけではなく、トレルソンは妻への想いを静かに語り、ポールはそれ静かに聴き、オーバーな表現をするわけでもなく「アイムソーリー」と言葉を搾り出すだけだった。
やがてハリケーンが通り過ぎたお祝いに町のパーティが行われ、その夜ポールとエイドリアンはお互いを求めあう。そしてポールは息子のいる南米へ旅立っていく。それからのエイドリアンの生活は輝きをとりもどしてきた。ポールからとどく手紙をまち、以前あきらめた工芸家としてのものづくりもはじめてみる。娘とのギクシャクもすこしづつ取れていく。そしてポールが帰国するという日、二人はあのペンションで逢うことにしていた。しかし彼は来なかった・・。翌日彼の息子マークが訪れ、父ポールの死を告げて遺留品を残していった。その中にはエイドリアンから届いた手紙とまだ出されていない一通の手紙があった。その手紙には、帰国したらエイドリアンと彼女の子供たちと一緒に暮らしたいという想いがつづられていた・・。

by ssm2438 | 2010-02-28 12:56


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