西澤 晋 の 映画日記

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2011年 02月 03日

おかあさん(1952) ☆☆☆

f0009381_14371559.jpg監督:成瀬巳喜男
脚本:水木洋子
撮影:鈴木博
音楽:斎藤一郎

出演:
田中絹代 (福原正子)
香川京子 (長女・年子)
岡田英次 (平井信二郎)
加東大介 (木村庄吉)

        *        *        *

どおおおおおおおおおおおお、香川京子が可愛い!!

びっくりしてしまった。こんなに可愛い人だったとは!? 花嫁姿、美しいです。文金高島田姿で肩をすくめてちょろっと舌出して・・、でふすまに隠れられたら可愛すぎです。そのあと、恋人の岡田英次のパン屋さんにいって顔合わせそうになるとこそっと隠れて、出てきてウインク。だああああああああああああああ、めっちゃ可愛い。にわか香川京子ファンになってしまった。いやあああ、いまさらながら気付きました、『赤ひげ』で狂人女を演じてたのが香川さんだったなんて。おお、狂わしいまでび妖艶で恐ろしく美しかった。ああ、思い出した思い出した。そうでした、『悪い奴ほど良く眠る』の三船敏郎が結婚した娘さんが香川京子でした。おおおおおおおお。『まあだだよ』もそうでしたか。今まで気付きませんでした。なんという愚かさ。全然修行がたりないですね。『モスラ』借りてきて見ないといけないか・・(笑)。

昨日に引き続き、朝から日本映画専門チャンネルの成瀬特集見てました。今日は『おかあさん』。なんでも松竹の黄金時代を築き上げた城戸四郎(1954年、松竹の社長に就任)は、成瀬巳喜男を称して「小津はふたりもいらない」と言ったそうだが、この映画はたしかに小津的な要素で構成されている。さすがに『浮雲』のあとだとインパクトは弱いかな。ただ、『浮雲』自体が成瀬巳喜男の中では特殊なほうであり、これを基準に考えるのはどうかと思うが・・・。

50年代の映画なので(私もまだ生れていない)、さすがに東京も田舎っぽい。こういう映画をみていると、松本清張の小説の中の状況描写が「ああ、こんなんだったんだ」と思えてくる。・・・しかし、よくこんな東京から今のような東京に変わったものだと、人間の力に関心してしまう。
この映画はクリーニング店を営む福原一家の物語。早くに長男を亡くし、そのあとすぐ夫を亡くした田中絹代とその長女を香川京子を中心に、悲喜こもごもの人生をつづっている映画。劇中、夫の亡き後クリーニング店をてつだってくれた加東大介と田中絹代が再婚するのでは・・?ということにささやかに心をいためる香川京子が描かれている。これは『晩春』みたいに、香川京子が結婚するか、田中絹代が再婚するかで終わるのかな?ってみてたら、どっちもないまま終了。そういうイベント性で物語をつづるよりも、普通の日常性の描いた映画になっている。

<あらすじ>
戦後の東京。父・福原良作(三島雅夫)は工場の守衛、母・正子(田中絹代)は露店の飴売り、長女の年子(香川京子)は今川焼きを売り、妹・久子と母の妹・栗原則子(中北千枝子)の子・哲夫を預かってそだてていた。そして戦前にやっていたクリーニング屋を再び開くことができた。そんななか長男は病死する。店は父の弟子であるシベリア帰りの木村のおじさん(加東大介)が手伝ってくれることになり、順調なスタートを切った。しかし、父も病気に亡くなり、店は木村の手ほどきをうけながら、母が切り回すことになった。木村と母の間についてあらぬ噂が立っていることに年子は娘心をいためるが、年子の恋人である信二郎(岡田英次)は、「お母さんの幸せも考えてあげないといけない」」とさとす。妹の久子を親戚の養子だすことになる。

f0009381_143982.jpg母の妹は美容師になるために住み込みで見習いをしているが、コンテストに出るとかで、年子に着付けのモデルを頼みに来る。母も一人立ちできるようになり、木村は自分で店を出すために去っていった。母と年子と哲夫だけがのこされた福原家に、新しい書生さんがはいることになる。彼は16歳。クリーニングの仕事をやりながら勉学に励むのだろう。最初の晩、彼は与えられた机にすわり手紙を書きかけたまま眠ってしまった。「母上様・・・・・」。

最後の一行にはなかなか感動させられた。
それまで一度も出てこなかった登場人物の、その青年が書いている手紙に「母上様・・・」って書かれてるだけ。それだけなのにぞわぞわぞわ・・と感動するものがあった。まさに「おかあさん」という普遍性を描いたからこそ、その感動が湧き上がってきたのだろう。
ささやかな感動がなかなかちりばめられている映画だ。母が再婚するのではないかと心配していた、父の弟子の加東大介が、店をでて行くシーン。このまま行かせてしまっていいの・・?という疑問を持ちながら、結局なにもしない香川京子の複雑な感情がとっても素敵だった。
そのほかにも、養子にもらわれている妹の久子と、哲夫のさりげない別れのシーンとか・・、久子が養子にだされることを決意した晩のエピソードとか・・、ささやかに感動するシーンがかなり連打される。

by ssm2438 | 2011-02-03 14:40


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