2010年 03月 17日
監督:川島雄三 原作:水上勉 脚本:舟橋和郎/川島雄三 撮影:村井博 音楽:池野成 出演: 若尾文子 (桐原里子) 高見国一 (住職・堀之内慈念) 三島雅夫 (小坊主・北見慈海) * * * 川島雄三ときくと、「便所」とヘンな「アングルのカメラ」という印象があるのは私だけだろうか?? 実は川島雄三の映画というのはこれと、『しとやかな獣』しかみてないのだが、普通の人は撮らないだろう便器とか、肥溜めとか、やたらと印象がある。まあ、若尾文子さんが出てる映画なのに、そんなシーンが個人的にいれてほしくないのだけど、理想とか憧れの女性じゃなくて、どんなに美しいひとでもウンコをする普通の人間としてみなさいよってところを、間接的に強調しているんですかね・・。 原作は1961年の直木賞をとった水上勉の『雁の寺』。殺人事件がらみのサスペンスである。意外とテーマ的には松本清張の『天城越え』ににてるかもしれない。生臭坊主と若尾文子の性欲にまみれた生活を見て育った小僧さんがヤッちゃう話。 しかし・・・、この映画かに限らず、50年中盤から60年代全般にかけての大映映画はよかった。どろどろ・わくわく、そして若尾文子に代表されるように女優さんがきれいで妖艶だった。 <あらすじ> 昭和初期、雁のふすま絵があることから「雁の寺」と呼ばれる京都の禅寺・孤峯庵に、喪服姿の桐原里子(若尾文子)が訪れた。は里子南嶽の妾だっただが、彼の死後、遺言によりこの寺の住職慈海に世話をしてもらうことになっていた。慈海(三島雅夫)は、 深い禅の奥儀を具えた男だが,女性との快楽にも目のない男であった。寺には14歳の慈念という小僧さん(高見国一)が住職の世話をしていた。口べらしのためこの寺に預けられ中学校にかよっている彼に、里子は、いつしか慈念に同情をよせるようになった。 ある夜、慈海との情事の最中に、里子は障子に人影の走るのを見た。慈念に覗かれている。勉強も手につかなくなっている慈念。慈念をいびるシーンは執拗に繰り返され、また慈念の目の前で里子を相手に繰り広げる痴態もエスカレートしていくばかり。身をもって慈念を慰めようと彼の部屋に忍び入った里子は、惜しげもなく体を与えた。 次の日の夜、泥酔して帰った慈海は、何者かに襲われてばったり倒れた。その日から慈海の姿をみたものはいない。同じ頃別件で葬式があったが、その棺おけがやたらと重いことを、その運び手が感じ取っていた。 慈海の失踪を知った本山では、宇田竺道を孤峯庵に入れることにきめた。慈念は慈海のいない孤峯庵にとどまることは出来ず、身の回りを整理して寺を出ようとした。 「和尚のいるところへ旅します」という慈念の言葉に、里子にはおぼろげながら、慈海が慈念に殺されたのだろうと思った。南嶽の描いた雁の襖の絵、その子雁に餌を与える母雁の襖絵が、無残にも剥ぎとられていた。
by ssm2438
| 2010-03-17 23:56
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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