2011年 02月 24日
監督:デヴィッド・リーン 脚本:ロバート・ボルト 撮影:フレディ・ヤング 音楽:モーリス・ジャール 出演: サラ・マイルズ (ロージー・ライアン) ロバート・ミッチャム (チャールズ) クリストファー・ジョーンズ (将校ランドルフ) * * * この映画の主人公ロージー(サラ・マイルズ)をどうみるかで、好きにも嫌いにもなる映画 撮影、音楽ともに『アラビアのロレンス』と同じフレディ・ヤングとモーリス・ジャール。私の趣味で言わせてもうなら、画面はデヴィット・リーンのなかでは一番好きだ。アイルランドの未開の土地的な風景は実に素晴らしい。それをデヴィット・リーンのいつものロングショットでとってくれるから、雄大な大地に雲の影が流れるなど、ビジュアル的にはとても楽しめる映画だ。後半の怒涛の波打ち際のしぶきはむちゃくちゃ迫力がある。それにフォギーフィルターかけてるので、白がにじんでこれがまた美しい。画面の良さで☆ひとつおまけ。 ただ内容的にはあんまり気持ちよくみられる映画ではない。前半であれほど尊敬し結婚したはずのロバート・ミッチャムをあっさりと裏切り、別の男と情事にはげんでしまう。まあ、わからんでもないけど、どうもあまりに予測していたキャラクターと違ってきてしまった。はじめのころのシーンをみてると、どうしても「どんな苦労があろうとも、私はロバート・ミッチャムを愛していきますよ」みたいな展開を予想してたのに、「え、え、え、そっちの男にころんじゃうんですか????」みたいな。相手は年寄りなんだし、そんな満足するような“H”を望むのもむりというもんでしょう。これでは単にロージーがその時その時の気分にながされる尻軽女にみえてしまう。 そして最後は父親の罪をかぶって村人から集団暴行をうける。裸にされて髪をきられぼこぼこに殴る蹴るのリンチ。そんなぼこぼこにされたロージーを、それでもかばうロバート・ミッチャム。これがあるがゆえに、ロージーの最初の浮気が道徳的にどうにも許せなくなってしまう。 ちなみに、このシチュエーションは『マレーナ』でもジュゼッペ・トルナトーレが使ってた。 <あらすじ> 1916年、イギリス支配から独立しようとするアイルランド。ダブリンから大西洋海岸の寒村キラリーへ帰って来た年老いた教師チャールズ(ロバート・ミッチャム)はロージー・ライアン(サラ・マイルズ)の激しい愛情を受けて結婚した。村の人々は二人の結婚を祝ったが、二人の性生活は初夜からつまずいた。チャールズは新妻の激しい求愛に応えられなかった。ロージーは、その物足りなさをコリンズ神父に告白してしまう。さらにプライドを傷つけられたチャールズとの関係もぎくしゃくしてくる。 そんなロージーの前に第一次大戦で足を負傷したイングランド人将校ランドルフ(クリストファー・ジョーンズ)が現れる。戦争で傷ついた心と満たされぬ心が森の中で情事となる。チャールズは妻の態度の変化に不信を抱くが、不貞の行為など考えてもみなかった。ロージーの不義は続くが、二人の情事は村人と知るところとなり、ロージーは姦婦として村人の視線を浴びる。 1ヶ月後、アイルランド独立運動のための武器が運ばれてくるが、海は猛烈なしけでうけとれない。武器は陸上輸送に変更されるが、その前にランドルフのイギリス軍が立ちはだかる。計画は失敗する。実はロージーの父ライアンがわずかなお金と引き換えにその情報を漏らしてしまったのだ。 さらにロージーはランドルフとの情事をチャールズに見られてしまう。チャールズ二日も家に帰らなかった。 村人達は祖国を裏切ったのはロージーに違いないと判断し、彼女をリンチにかける。しかし彼女は父の犯行だと判っていたが自ら罪をかぶる覚悟を決めた。着物を剥がれ、頭をそられるロージーを見てチャールズが庇い身代わりとなり、リンチを受ける。が、コリンズ神父が現われて蛮行は中止させられた。 ランドルフは自殺した。ロージーとチャールズはいまわしい村人達の視線のなか、村を去っていった。
by ssm2438
| 2011-02-24 06:13
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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