西澤 晋 の 映画日記

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2011年 02月 25日

グレイストーク/ターザンの伝説(1983) ☆☆☆

f0009381_4585213.jpg監督:ヒュー・ハドソン
原作:エドガー・ライス・バローズ
脚本:マイケル・オースティン/P・H・ヴァザック
撮影:ジョン・オルコット
音楽:ジョン・スコット

出演:
クリストファー・ランバート (ジョン・チャールズ・クレイトン)
イアン・ホルム (フィリップ・ダルノー)
ラルフ・リチャードソン (ジョンの祖父・グレイストーク伯爵)
アンディ・マクダウェル (ジョンの従兄妹・ジェーン)

        *        *        *

『炎のランナー』ヒュー・ハドソンが、『ターザン』を初めて原作に忠実に映像化した大力作。ヒュー・ハドソンの映画にはある種の荘厳さがある。それはこの作品にもみてとれる。
考えてみればこれ以前のターザンはそれをネタに話を膨らませてた漫画やアクション映画だった。ゆえに、普通の人が想像するターザン、つまり、ジャングルで育った野生児で、人間離れした身体能力をもつ特殊人間・・というようなイメージではな。まさに、ジャングルに置き去りにされた子供が、そのままなんとかサバイバルし、再び人間の社会にもどってきたが・・という話。黒澤明『デルス・ウザーラ』はこれをロシアに移植した話なんだと勝手に思っている。

『ターザン』という物語はあくまでフィクションであり、ファンタジー性も実はつよい。後にターザンとなる男の子を育てるのは「サル」ではなく「類人猿」というくくりになっている。微妙に、人間とサルの中間をついている(苦笑)。彼は、類人猿に育てられ、その後スコットランドに戻って文明社会にも徐々にないもうとしていたが、剥製にする素材として捕らえられていた類人猿の族長シルバー・ビアード(銀のヒゲをもつもの)に会う。なんとも切ないシチュエーションを最後に用意してある。

ターザンとなる青年の名前はジョン・チャールズ・クレイトン。
父はジョン・クレイトン卿であり、その父(ターザンにとっては祖父)がグレイストーク伯爵。
タイトルに「グレイストーク」とついているように、この物語はジャングルの野生児ターザンの話ではなく、「ジャングルで育ってしまったスコットランドのグレイストーク家の人物」というシチュエーションで物語が描かれている。野生と人間という二つの側面をもつジョン(ターザン)だが、この物語ではかなり人間性のほうが強く出ている。あたりまえだとはいえ、カルチャーショックはターザン映画だった。

<あらすじ>
1885年、英国貴族、ジョン・クレイトンは若き妻・アリスとともに、赴任先である英領西アフリカに向かうべくスコットランドをたった。しかし、船員の反乱に遭遇し、アフリカの西海岸に置き去りにされた。
夫妻が海岸に作りあげた小屋で生まれ、彼が1才になった時に母親は亡くなった。父は類人猿に襲われ殺された。二人の子は類人猿カラに救われた。カラは子供を亡くしたばかりであり、群れのリーダー・シルヴァービアードに逆らい、その子の養母となった。
成長した少年はさまざまな能力と理知と雄々しさで類人猿社会の慈悲深い王者となっていったその頃、大英博物館から派遣された探倹隊がやってきた。だが一行はピグミー族に襲撃され、ほとんどの隊員は殺されたが、ベルギー人の隊員フィリップ・ダルノー(イアン・ホルム)は、ジャングルの王者となったその青年に救われた。やがて傷が癒えたダルノーは、その青年がクレイトン卿の息子であり、グレイストーク伯爵の孫であることを知った。ダルノーは、その青年(クリストファー・ランバート)を連れてスコットランドに戻った。
彼の名前はジョン・チャールズ・クレイトン。
突然孫があらわれたグレイストーク伯爵 (ラルフ・リチャードソン)は有頂天になり、姪ジェーン(アンディ・マクドウェル)も新しく出現した従兄に心を惹かれるている。ジェーンに求婚していたエスカー卿はジョンのお陰で失恋の痛手を味わうことになった。
やがてグレイストーク伯爵が世を去り、ジョンはジェーンの愛を求め婚約した。
大英博物館の動物標本室が公開される日に招かれたジョンは、偶然にも剥製にされるのを待って檻に入れられていた群れのリーダーだったと再会。ジョンは彼を連れて逃げだしたが、後を追いかけてきた文明人たちの一隊は、躊躇なくシルヴァービアードを射殺してしまった。ジョンは人間の社会では生きてはいけないと思った。ジェーンとダルノーは西アフリカのジャングルに消えていくジョンの後姿を静かに見送るしかなかった。

by ssm2438 | 2011-02-25 04:53


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