西澤 晋 の 映画日記

ssm2438.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2011年 02月 25日

イン・カントリー(1989) ☆☆☆

f0009381_1137259.jpg監督:ノーマン・ジュイソン
脚本:シンシア・シドル/フランク・ピアソン
撮影:ラッセル・ボイド
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演:
ブルース・ウィリス (エメット・スミス)
エミリー・ロイド (サマンサ・ヒューズ)

        *        *        *

刻まれた名前に感謝・・・

戦争をしらない若い世代と、戦争の後遺症でいまだに悩んでいるベトナム帰還兵のコミュニケーションを描いたヒュウーマンドラマ。世間では評判があまり良くない映画だが、個人的にはなぜか気に入ってる映画のうちの一つ。最後の墓標に名前を見つけるときはなんか泣ける。。。

サマンサ・ヒューズ(エミリー・ロイド)は、母が再婚したため、叔父のエメット・スミス(ブルース・ウィリス)と一緒に住んでいた。エメットはベトナム戦争からの帰還兵であり、いまだに精神障害を抱えており、たのしめる人生などない。そんなサマンサがある日、顔もしらない父の写真と手紙を発見する。それをきっかけに父のこと、戦争のことにさりげなく興味をもってくる。

この映画のポイントは、戦争を知らない子供たちと、戦争を体験した大人の精神ギャップ。子供にしてみれば、世間の報道からうけるそのイメージは、無駄に命を流し、無駄にベトナム人を殺した、無駄だった戦争・・というイメージがつよい。なので、もって回った言葉で戦争批判なんかもしてしまう。それに対してブルース・ウィリスは、戦争に参加し、傷ついて帰ってきた男であり、彼にとってみればエミリー・ロイドの興味本位の姿勢などは、とってつけた本質などみようとしない、女が良くする、理解できないものでもとりあえず深刻ぶるったり、しったかぶりをしたりする程度のリアクションのようにしか見えないだろう。
でも、それが自然であり、戦争体験者は、分ってもらえないのは承知で生きていくしかない。そこで、あえて分ってもらおうとして自分の被害者精神をおおっぴらにすると、かなりみっともなくみえてしまう。このへんのドライさがこの映画のいいところなんだろうなあって思う。

最後、あったこともない父の名前を探しに戦没者慰霊碑を訪れるサマンサとエメット。そこには大事に世界大戦から朝鮮戦争、ベトナム戦争とつづく戦いのなかで死んでいった人たちの名前がきざまれている。この慰霊碑をみてるだけで涙がなんか出てきてしまう。そしてサマンサが自分の父の名前をみつけ、触れてみるシーン。そこに自分の父が存在が、刻まれている。これだけの人たちが犠牲になった結果、今のこの国があるんだ・・みたいな、そういった深い感動がある。

しかし、映画はそれほど深く、深刻にならないようにつくられているような気がした。押し付けがましくしてしまったらこの映画は台無しになっていただろう。戦争をしらない彼女たちの世代の人も、ちょっとだけ、そのことを心にきざんでくれたらいいな・・くらいに思えたら最高なのだと思った。

by ssm2438 | 2011-02-25 11:38


<< 氷壁(1958) ☆☆      グレイストーク/ターザンの伝説... >>