西澤 晋 の 映画日記

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2010年 03月 26日

ハート・ロッカー(2008) ☆☆☆

f0009381_2223249.jpg監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
撮影:バリー・アクロイド
音楽:マルコ・ベルトラミ/バック・サンダース

出演:
ジェレミー・レナー (ウィリアム・ジェームズ二等軍曹)
アンソニー・マッキー (J・T・サンポーン軍曹)
ブライアン・ジェラティ (オーウェン・エルドリッジ技術兵)

        *        *        *

これでアカデミー賞ですか・・、まあ悪くないけど・・・。

個人的にはまあまあ好きな映画に入るかな・・・、しかし・・・。

2004年のイラク、戦後のとどまっているアメリカ軍治安維持部隊、そのブラボー中隊の爆発物処理班を活躍を描いている。確固たる物語としての目的があるわけではなく、それぞれ緊張感あるシチュエーションのなかで爆発物をしょりしていくウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)を中心に、かれの持つ自己中心的だが、ガッツがあり、知的で、優しさもある、人間性を描きだしている。
演出には緊張感がただより、イラクというアウェイの地で、もしかしたら周りのイラク人は全部敵でなないのか・・?という疑心暗鬼に襲われながらも、爆発物を撤去していく緊張感は素晴らしい。しかし、いわゆる散文的な物語構造なので、物語の求心力としては弱い。そういう意味では何年か前にアカデミー賞とったポール・ハギス『クラッシュ』に似ている。あれも、散文的な構成ながら、それぞれのエピソードのなかでメンタルをきちんと描いていた。
ただ・・・個人的な感想としては、あんまりこの手の映画にアカデミー賞とってほしくないなあ。やっぱりアカデミー賞というなら、カッコたるある種の目的があり、それを成し遂げるタイプの王道派な映画のなかから選んで欲しい。それだけ無骨な映画がすくなくなっているってことなのだろうか・・。

監督は『ブルースチール』キャスリン・ビグロー。女性監督の中では唯一といっていいほどアクション系・スリリング系の映画をこなせる人だ。今回の映画も、まわりがすべてアラブ人、どの顔をみても、誰をみてもとにかく怪しい。とにかくほっといて欲しいのに、やたらと目障りな行動をとる彼ら。あれがあるからこの映画はすばらしいのだろう。『ブラックホーク・ダウン』なんかのソマリア人はただのゾンビだったから(苦笑)。

あと、これは爆発物の処理ではないが、途中の狙撃合戦のところはよかった。バレットM82(だと思う)狙撃銃がここでも登場。『ランボー・最後の戦場』でもこの銃は登場していた。現在長距離の狙撃銃としてはもっともメジャーな銃だろう。相手が発砲して、スコープの中に銃口から噴出す火炎がみえてから1秒してから着弾するのが実に素敵。1600メートルくらい離れたものを撃つ場合は弾丸といえども2秒くらいかかるらしい。この戦闘がどのくらいの距離を想定しているのかしらないが、あの1秒の間は素晴らしかった。
既にびびっているエルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)を怒鳴るのではなく、的確に何をすべきなのかを指示し、確実にやらせているジェームズ二等軍曹の描写とか、そのあと長い間銃を構えて喉がからからな時に、ジュースをたのみ自分が飲むのかとおもきや、狙撃ポジションについているサンポーン軍曹(アンソニー・マッキー)に先に飲ませてやるとか、そのあと、さっきまでビビっていたエルドリッジがきちんと判断し仕事をなしとげると、「グッジョッブ!」とさりげなく声をかけてやるところとか・・、ジェームズ二等軍曹の人間性の描写も素敵だ。

ひとことでいって、このジェームズ二等軍曹は久々にみるカッコいい主人公だった。
反戦映画でない、戦争映画であることもまた素晴らしい。

ちなみに2010年のアカデミー作品賞を取った作品だが、2008年公開の映画だったのですね。知らんかった。

by ssm2438 | 2010-03-26 02:23


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