西澤 晋 の 映画日記

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2011年 02月 28日

私の教え子(2007) ☆☆

f0009381_4382051.jpg監督:オーリ・サーレラ
脚本:ミカ・リパッティ
撮影:ロベルト・ノードストローム
音楽:トゥオマス・カンテリネン

出演:
クリスタ・コソネン (サリ)
カリ・ヘイスカネン (ミッコ・グローマン助教授)

画面の質は高いが・・・話は面白くない。

表紙のクリスタ・コソネンをみて、ついつい借りてしまったが、お話の展開はきわめて退屈。困った映画だ。実際彼女自身もうごいているのをみると、水泳をやっているらしく、肩幅のがっちりとした大柄美人で、色気はない。しかし、やっぱり魅力はある。ヌードもわずかながら披露してくれる。
そしてこの映画の画面、質感、色味、画面構成、雰囲気作りなど、透明感のある、清涼とした感じが実にきもちをおちつかせてくれる。物語だけなら☆ひとつだが、この雰囲気が実に良い。タルコフスキーに耐えられる人だけに勧める。個人的にはタルコフスキーよりも画面は素敵だと思う。

大学にはいったばかりのサリ(クリスタ・コソネン)は、フランス近代詩の父・ボードレールをこよなく愛するミッコ・グローマン助教授(カリ・ヘイスカネン)の講義に魅了されていた。一方グローマンも、「『垂直方向の関係』とは、以前は神と人間との関係だったが、ボードレールは人と俗世との関係引き落とした。神を関係から排除したのだ」という彼女の鋭い指摘に感化される。そんなグローマンは夫婦関係がぎくしゃくしており、妻の不倫相手が認識されたことで家を出てホテル住まいになる。一方サリは新しい部屋に越したばかりで、ルームメイトを探しており、二人の利害が一致し一緒に住むことになる。最初はただのルームメイトだった二人だが、いつしかお互いを求め合うようになる。『垂直な関係』から『水平な関係』への移行だった。

ボードレールは若くして美術批評家として文壇にデビューを果たし、特に当時、物議を醸していたロマン主義画家のドラクロワに対する熱心な弁護と評価を行った。的確な指摘と同時に、美術批評を介して独自の詩学を打ち出すという「詩人による美術批評」の先鞭をつけた人物。彼の講義の中で、この『垂直方向の関係』と『水平方向の関係』に関してグローマンが講義している内容とさりげなくからめながら、二人の関係を描写していく。当時の美術界はロマン主義から印象派へと変わっていく過渡期だった。

やがて二人は仲たがいするが、物語の最後には再び再構築される(・・ということだったのだと思う)。

by ssm2438 | 2011-02-28 04:42


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