西澤 晋 の 映画日記

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2010年 04月 05日

絞殺(1979) ☆☆☆

絞殺(1979) ☆☆☆_f0009381_3591084.jpg監督:新藤兼人
脚本:新藤兼人
撮影:三宅義行
音楽:林光

出演:
西村晃 (狩場保三)
乙羽信子 (狩場良子)
狩場勉 (狩場勉)
会田初子 (森川初子)
岡田英次 (森川義夫)

   *       *       *

怒涛のどろどろ大映ストーリー@ATG

自分の息子を絞殺してしまった父親と母親によって語られる、その絞殺までのどろどろ家庭崩壊ドラマ。

新藤兼人のいいところは「突き抜けているところ」、悪いところは「ありきたりの形式的なモチベーション」。良くも悪くも新藤兼人の映画だった。新藤兼人の場合は、形式的なモチベーションから物語りは発展していくため、それに説得力をつけるには、突き抜けた演出が必要になってくる。表面的にはかなりぶっとんだ映画のようにも見えるが、本質的にはかなり浅い気がする。『しとやかな獣』でも新藤兼人のぶっ飛んだ脚本が生きているが、あれもよくよく考えると、本音を語っているようで、実は語っていない脚本だった。あの映画は、人々が本質的にもっている「弱さ/不安」をとりあえず忘れて、ほんらいそこから発生する「遠慮」というものを排除したうえでの脚本であり、本質でないがゆえに、はったりをかました映画になっていた。この映画でも、やっぱりその性質は現れている。

もういい歳の音羽信子のおっぱいがみえたときはびっくりした。ヌードってのは若い人だけの特権だとおもっていたのだが・・、いやいやおそれいりました。さすが新藤兼人の愛人!
ちなみに会田初子のほうもちゃんとサービスしてくれてます。

<あらすじ>
狩場保三(西村晃)は、熟睡中の息子、勉(狩場勉)を絞殺した。ふるえながら夫の顔を見つめる妻・良子(乙羽信子)。そして始まる回想・・・。
保蔵と良子は息子・勉を東大にいれるために、一流高校の校区に転居してきた。保三が勉に話すことは、東大へ入るんだ、エリートコースを踏みはずすなということのくり返し。そんな勉はクラスメートの初子(会田初子)に好意を寄せており、ある日デートに誘い、彼女とセックスをしようとするが猛烈な抵抗にあって失敗する。
そんな初子の家庭は複雑だった。初子は母は離婚し、今の義父と結婚、しかしその母の病死した。義父のイエに1人のこされた初子は義父に毎晩犯される生活だった。そして勉がその現場を目撃する。
しばらくして初子から学校にいる勉に電話がはいる。蓼科(たてしな)に来て欲しいというのだ。蓼科にきた勉に、初子は「セックスしてほしい」という。初子はまだ雪が残る森の中で裸になり、コートをしいてその上に寝転んだ。勉はズボンをおろしパンツを落として彼女の上にのった。「はじめてじゃなくてごめん」という初子。
そして、義父を殺して、その遺体を押入れにいれ、20万もって出てきたと告白、これから自首すると言う。一緒について行こうかと言う勉に「1人で行く」とつげる初子。そして今一度セックスをする。
蓼科から帰った勉はテレビのニュースで、初子が投身自殺したことを知る。

この頃から勉の性格が一変し、両親に暴力をふるうようになる。子供のことを理解しようともせず一方的に自分の願望を押し付けてくる父・保三も初子の父を一緒ではないか。父に対する憎しみと、そんな父に隷属している母が許せなくなってくる。そして父に対して暴力を振るうようになり、そんな父と一緒に寝ている母を犯そうとまでする。息子の狂乱ぶりにおいつめられた保三が、みんなで一緒に死のう・・と良子に相談。寝ている勉の首をしめて殺す。保三は自分も自殺するつもりだったが果せず自首する。近所の人達の減刑嘆願の運動で裁判は情状酌量され、三年の刑と執行猶予四年が言い渡された。
拘留がとけて戻ってきた保三に「わたしの勉をかえせ」と良子はいいだす。そんな良子は夜になると勉のベットのうえで自慰をしていた。そんな妻を保三はむりやり犯した。そして良子も自殺した。

by ssm2438 | 2010-04-05 03:59


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