西澤 晋 の 映画日記

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2010年 04月 16日

黄昏(1981) ☆☆☆☆

f0009381_10431.jpg監督:マーク・ライデル
脚本:アーネスト・トンプソン
撮影:ビリー・ウィリアムズ
音楽:デイヴ・グルーシン

出演:
ヘンリー・フォンダ (ノーマン)
キャサリン・ヘプバーン (イーセル)
ジェーン・フォンダ (娘・チェルシー)

        *        *        *

死を感じるようになった親とその子どもとのコミュニケーション。

これはドラマの中だけでなく、長年父ヘンリー・フォンダと仲たがいをしていた娘ジェーン・フォンダの心の再構築にもなった作品。といっても、世間でいわれているほど、それが出たかどうかは疑問だが。しかし、「それも父親の人生だったんだな」と彼女にしてみれば思えたのかもしれない。

ヘンリー・フォンダは生涯で5度結婚している。最初の妻のマーガレット・サラヴァンとは1931年に結婚するも1933年に離婚。1936年にニューヨーク社交界の大物シーモア家の娘で弁護士のフランシス・シーモア・ブロカウと結婚し、ジェーンとピーターの二人の子供をもうける。しかし精神病を患ったフランシスは1950年に自殺。フォンダは子供達を動揺させないために母親は心臓発作で死んだと教えたという。その後も結婚と離婚を繰り返すようになるヘンリーにだったが、母親の死の真相を知った二人の子供たちと父親の関係は次第に悪化。そんな父に反発をしてフランスに渡ったジェーン・フォンダロジェ・ヴァディムとの結婚、しかしそれを父に知らせないままだったとか。弟のピーター・フォンダも父を憎悪しながらも同じ俳優になるわけだが、ハリウッドに反発し、ドラッグやバイクにのめり込み、『イージーライダー』みたいな映画をとってしまったわけだ。
そんなヘンリー・フォンダのバックボーンを知ってしまっているがゆえに、この映画のなかで展開される父と娘の心の再構築のドラマは、なぜかこころにしみてしまう。

原題は『オン・ザ・ゴールデン・ポンド』、原作のアーネスト・トンプソン自身が脚本も書いている。監督のマーク・ライデルは後にトム・ハンクスサリー・フィールドのスタンダップ・コメディアン映画『パンチライン』を撮っている。これも私の好きな映画だ。

そしてこの映画は湖畔の描写がとても美しい。撮影監督のビリー・ウィリアムズは、1981年のアカデミー撮影賞にノミネートはされたが、残念ながら『レッズ』にもっていかれてしまった。しかし翌年の『ガンジー』でみおとアカデミー撮影賞ゲット! しかし、これはなんか・・、本来『黄昏』であげておくべきところを、別の作品にあげてしまったアカデミーのメンバーが、その功績をたたえて、『ガンジー』であげたようなきがした。
ときどきそんなことあるよね。『ガンジー』のおかげでアカデミー賞をもっていかれてしまった『評決』ポール・ニューマンが次の作品『ハスラー2』でアカデミー賞とったり・・。あれも、本とは『評決』で主演男優賞をあげるべきだったとおもうのだけど・・。

<あらすじ>
もうすぐ80歳をむかえるノーマン・セイヤー(ヘンリー・フォンダ)は、妻とイーセル(キャサリン・へッブバーン)と共に「ゴールデン・ポンド」と呼ばれる湖のほとりの別荘にやってくる。夏の間がその別荘で過ごすのが彼らの習慣だった。ノーマンは心臓が悪く、物忘れもひどくなっており、なおかついこじであり、死への恐怖は増すばかりだった。そんななにかと手のかかるノーマンをイーセルはおだやかな愛情をもって支えていた。
そんな二人のもとを、ひとり娘チェルシー(ジェーン・フォンダ)が、孫のビリーと新しいボーイフレンドのビルを伴ってやってきた。離婚経験があるチェルシーは、母のイーセルとは素直に接することができるが、父ノーマンとは相変わらずかみ合わない。新しい恋人のビルにまで皮肉を言うノーマンを許せないチェルシー。チェルシーがビリーをあずけ、ビルと共にヨーロッパへと旅立った。
独り残されたビリーだが、最初は付き合いづらいと思っていたノーマンと心を通わせていく。一方、ブリュッセルでビルとの結婚式を済ませて帰ってきたチェルシーは、息子のビリーと父ノーマンがすっかり仲良くなっているのにびっくり。ノーマンに関しては毒説をはくチェルシーだが、イーセルは「彼は私が愛した人よ。なのにあなたは彼の愛情深い人柄をまだわからないの」と語る。
「普通の父と娘のような関係になりたい。パパと仲良くなりたい」と願うチェルシーは勇気を奮い立たせ、父を接することに挑んでいくのだった。

こじれた関係を修復していくには、その一歩を踏み出す勇気が必要だ!

by ssm2438 | 2010-04-16 01:00


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