2010年 04月 17日
監督:池田敏春 原作:谷崎潤一郎「鍵」 脚色:白鳥あかね/香川まさひと/池田敏春 撮影:前田米造 音楽:本多俊之 出演: 川島なお美 (安西郁子) 柄本明 (安西宗一郎) 大沢樹生 (木村健一) 辻香緒里 (安西敏子) * * * まあ、川島なお美のヌードだけみられればいっか・・という映画。 『そして、デブノーの森へ』で語られる<かくれんぼの法則>をテーマにした映画・・かな? その映画のなかで、「いつの頃からか、かくれんぼをするのが好きになった。見つけて欲しくないから隠れるのか・・、それとも見つけて欲しいのか・・・」というような内容のモノローグがあったが、この映画もその辺りがポイントになってくる。この物語の主人公は、日記を書き、それを机の引き出しにいれて鍵をかける。その鍵のありかを知った後妻の郁子(川島なお美)はその日記を読む。読まれないための日記が、読ませるための日記になっていく。そして郁子も日記で、自分の感情をしたため、それをさりげなく夫に読ませるようにする。どこかフランス映画っぽいシチュエーションの映画・・かな。 この映画はやはり、それ以前の『失楽園』のヒットで、やっぱり美人のヌードをは人を呼ぶという単純は法則を再認識したメーカーによってつくられた映画だが・・、文芸モノっぽいテイストにしてしまうと、なぜだか言い訳をされたエロさを感じ、ちょっと残念なきがする。これと比較するとやっぱり渡辺淳一の小説は、素直な男の憧れとエロさがあって、親近感を覚えるかな。 <あらすじ> 昭和34年。美術教授の安西宗一郎(柄本明)は、慎み深い妻の性衝動を解放し、己の性の欲望をかき立てるために、性的告白が綴られた日記を後妻の郁子(川島なお美)にそれとなく盗み読みさせるという遊戯を始める。 その日も、やたらと女アプローチをかける木村健一(大沢樹生)が郁子に近付くのを見た安西は、自分の嫉妬がを日記に書く。木村が娘の敏子(辻香緒里)を映画に誘えば、安西はこれに郁子を付き添わせたりもする。その夜、木村を交えた宴でしたたかに酔った郁子は風呂場で失神。郁子に欲望をいだく木村にあえて、裸の郁子を見させる。寝室に運ばれた郁子は、木村の名を寝言のようにつぶやくが、そんな郁子を嫉妬しながら抱き歓喜を味わう宗一郎。やがて郁子もまた己の日記で宗一郎に感情を語りかけるようになり、夫婦の同様な遊戯が続いていった。 木村に感情があるらしい義母・郁子への敵対心をもつ敏子は、木村に体を捧げ、彼の求婚も受け入れる。 しかし夫婦の遊戯はエスカレートを続ける。妻の裸身の写真を木村に現像させ嫉妬と興奮を覚える宗一郎。しかし彼の健康は徐々に蝕まれていた。外出先でふたりきりになる郁子が木村。宗一郎は妻の貞操を信頼しつつ、不貞の疑惑と嫉妬とに苛まれる。すっかり性的に解放された郁子を抱き、宗一郎は歓喜のなかで倒れていった。 郁子の体に溺れて半身不随となった安西は、郁子から日記を読み聞かされて死んでいく。郁子は、最初から木村と関係を持ち、裏切りによって夫の性的欲求を高め、それに応えようとしていたのだ。それは安西への残酷で人知れぬ愛情であった。
by ssm2438
| 2010-04-17 07:57
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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