2010年 04月 20日
監督:ベルトラン・タヴェルニエ 脚本:ベルトラン・タヴェルニエ コロ・タヴェルニエ 撮影:ブリュノ・ド・ケイゼル 音楽:ガブリエル・フォーレ 出演: ルイ・デュクルー(老画家・ラドミラル) サビーヌ・アゼマ (娘イレーヌ) * * * せいいっぱい求めて、せいいっぱい行動してたら、時にはいっぱい傷つくこともある。 この映画の中にはこのような風景は直接的には出て来ないのだが、そういう生命力を発揮してくれるイレーヌという女性キャラが登場する。世間的にはアバズレ女ということになるのだろうが、年老いた画家にしてみれば、そんなイレーヌの快活さがほほえましく思えてきたりする・・、そして彼女のもっているエネルギーと、その向こう側にある不幸とをさりげなく感じることにより、明日はちょっとがんばってみようかなっていう気になるおじいちゃん画家の話。 よく言えば牧歌的な日常芝居の中に内なる人間の快活さがこそっとこそっと垣間見られるような映画。小津的な映画という言い方ができるかもしれない。なので、退屈だと思う人もおおいにいると思う。私もどちらかというと、このような退屈系映画は好きなのだが、それでも時々はまらないことがある。カンヌではこの作品で監督のタヴェルニエが監督賞を取っている。まあ、カンヌだからあまりあてにはならないが(苦笑)。しかし困ったことに私がけっこう信頼しているNY批評家協会賞でも外国語映画賞を取っている。うむむむ、困ったもんだ。分ってあげたいのだけど、ちと退屈というか、私にとってはありきたりというか・・。レッドフォードの映画みたいに繊細にじわあああああっと染み込む感じを期待してみたのだけど、どうもそういうかんじではなく、普通にそのシーン、シーンをスケッチしていく感じであり、あまり仰々しい(ある程度映画としてはそのくらいはあってほしい)物語の方向性がない作品。よく言えばきわめて普通。 歳を取った親父にとって、娘と一緒にいられる時間はやっぱりいいなあって浸る映画かな。で、元気になったつもりになる映画。 <あらすじ> 1912年のある日曜日の朝。70歳を越えた画家ラドミラル(ルイ・デュクルー)の田舎の家を、彼の息子の一家が訪問する。家政婦メルセデス(モニーク・ショメット)が朝から台所の準備に余念がない。息子の家族とお互いそれとなく気を使いながらランチを食べていると、最新型4輪自動車ドラージュを運転して愛犬とともに、けたたましく一人娘のイレーヌ(サビーヌ・アゼマ)がやって来た。表面的には快活で、行動力もあるイレーヌだが、ひそかに恋に悩んでいる様子だ。彼女は恋人からかかってくる筈の電話を待っているのだ。しかし、パリからかかる筈の電話がかかってこない。苛立ったイレーヌ。 娘をなだめて、自分のアトリエに彼女を呼び寄せるが、イレーヌはそこに父の絵に対する苦悩を見るイレーヌ。そんなイレーヌが屋根裏部屋に行みると、美しいレースのショールとその奥にある情熱的な画を発見し感動する。 イレーヌに誘われてドライブに出たラドミラルは、森の中のレストランで妻の想い出をしみじみと娘に語る。そんな父にイレーヌはいっしょに踊ってと言い出す。二人が家に戻るとパリからの電話が彼女を待っていた。取り乱して風塵のようにさっていくイレーヌ。快活を装う娘にも、やりきれない人生があるのだろうっと思いながら彼女をそっと見送るダドミラル。アトリエに入ったラドミラル氏は新しい画布に向かうのだった。
by ssm2438
| 2010-04-20 18:10
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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