西澤 晋 の 映画日記

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2010年 04月 21日

哀しみのベラドンナ(1973) ☆☆

f0009381_20144686.jpg監督:山本暎一
原作:ジュール・ミシュレ
脚本:福田善之/山本暎一
作画監督:杉井ギサブロー
音楽:佐藤允彦
ナレーター:中山千夏

声の出演:長山藍子/高橋昌也

        *        *        *

シュールな映画だが・・・面白くはない。しかし、「この映画知ってる?」って誰かにいってみたくなる映画。

『千夜一夜物語』、『クレオパトラ』に続く虫プロ=ヘラルド映画提携のちょっとアダルト・テイストなアニメの三作目。先の2本よりはさらにシュールな絵作りになっている。クリムトような雰囲気かな。ちょうど60年代のフランスチックは雰囲気をイラストにして、それをたまに動かしたりする感じの映画。日本のアニメというより、ヨーロッパのアニメに感覚はちかいかな。絵も当時の60年代のフランス文化をみるようなイラスト画で、一枚絵をみるとしたら実にいい感じの絵。ただ、時間軸で流してみるとつまらないと感じるのが正直な感想だろう。予告編だけみていれば十分ともいえる。人には奨めてはみたいが、自分が全部みるとなるとしんどい映画(苦笑)。
私がアニメーターをはひめてしばらくしてこの映画を見たのだが、全部みるのは正直つらかった。当時は勉強と思ってみたのだが、頭の中で「これは良いんだ」と思いたい自分と「これってやっぱりつまらんぞ」って思う自分とが葛藤してなかなか答えがだせないような映画だった。
シュールといえば聞こえはいいが、表現手段として手抜きを「らしく魅せた」といっても過言ではない。これ全部それらしいアニメーションでやったら果たして見ている人を説得できたか・・?といわれるとかなり疑問だ。これはこの程度でおわらせているからアーティスティックな雰囲気があるのであって、たぶん、正面切ってやったらはずれてただろう。見る人の「贔屓目加味」の映画だろう。

・・・しかし、これから映像業界に進みたい人は、一度はみておいてほしい映画のひとつだ。

<あらすじ>
中世フランスの美しい農村。ジャンとジャンヌは結婚式を挙げた。当時のしきたりとして、結婚の儀には、領主のもとへ貢ぎ物を送るというのが習わしになっていた。金貨を献上しに行ったジャンとジャンヌだったが、領主はジャンヌの魅惑的な姿態と清楚な美しさ欲情をかきたてられ、ジャンヌの肉体をもとめた。一晩領主のなぐさみものになったジャンヌは翌朝、無惨な姿で城から帰って来た。
一方、村では飢饉が広まり、領主の無暴な重税取り立てにより人人は苦しんだ。ジャンの家では、ジャンヌとジャンヌの糸を紡むぐおかげでなんとか税金を払えていた。そんなジャンヌを村人はねたみの目でみていた。一方ジャンは、税金の取立て役に任命されていたが金は思うように集まらず、領主の怒りを買い、左の手首を切り落されてしまった。
ほとんどの男たちが出兵してしまった後で、ジャンヌは村の経済を一手に握ってしまった。戦争から帰って来て人々もジャンヌを尊敬した。しかしそれに怒った領主は、ジャンヌに魔女の烙印を押した。村から逃れたジャンヌは原野をさまよった。その頃、ヨーロッパ全土を黒死病が襲った。ジャンヌがベラドンナという毒草から作った薬で救われた。ジャンヌのもとへ人々が押しよせた。一方、城にも黒死病はしのび寄った。領主はジャンを使って何とか、毒落しの製造法を聞き出そうとしたが、ジャンヌは堅なに拒否した。ジャンヌは火あぶりの刑を宣告された。十字架にはりつけにされたジャンヌに火がはなたれた。思わずジャンは、刑場にとび出て領主に罵倒を浴びせた。その瞬間、槍がジャンの胸をつらぬいた。苦しげに虚空をつかむジャンの姿に、炎につつまれたジャンヌの表情がかすかに動いた。「ジャン」といったのかもしれない。
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by ssm2438 | 2010-04-21 20:15


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