2010年 05月 04日
監督:アーウィン・ウィンクラー 脚本:アーウィン・ウィンクラー 撮影:ミヒャエル・バルハウス 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード 主演: ロバート・デ・ニーロ (デヴィッド・メリル) アネット・ベニング (ルース・メリル) ジョージ・ウェント (バニー・バクスター) * * * ハリウッドで起きた魔女狩りをテーマにした映画。 1949年に、中国共産党が国共内戦に勝利し中華人民共和国を成立させ、さらにソ連が原爆実験に成功しアメリカの核独占が崩れ去った。翌年6月からは朝鮮戦争が勃発。そんななかでアメリカ国内では「共産主義」への脅威感がヒステリー的に拡大し、マッカーシー上院議員を起点として赤狩りに発展する。マッカーシーはその告発対象をアメリカ陸軍やマスコミ関係者、映画関係者や学者にまで広げ1950年代初頭のアメリカを恐怖に包み込んだ。そんな時代背景を映画にしたのがこの『真実の瞬間』。ただ、このタイトルはいささかカッコつけすぎて、テーマがぼやけてる気がする。原題は『GUILTY BY SUSPICION』(疑惑による有罪)。 この物語の主人公メリルは、実在の映画監督ジョン・ベリーがモデルになっている。ベリーは非米活動委員会での証言を拒否しハリウッドから追放された映画関係者を取り上げたドキュメンタリーを制作し、そのことで彼自身もまた赤狩りの対象になり、妻子を残しフランスへの亡命を余儀なくされたという。 マッカーシーに協力した代表的な政治家は、リチャード・ニクソンとロナルド・レーガンがいる。さらに後に大統領となるジョン・F・ケネディなどの多くの民主党員も赤狩りを強く支持したのも事実である。マッカーシーの行動に関してはその後アメリカ国民の自浄作用で浄化されていったが、国全体としては赤狩りを支持する風潮がひろく根付いていたのも事実である。 この赤狩りで告発された中には、チャーリー・チャップリン、ジョン・ヒューストン、ウィリアム・ワイラーなどがいる。またこれらに協力して告発した人物として有名なのは、エリア・カザン、ウォルト・ディズニー、ゲーリー・クーパーなどだ。 エリア・カザンは、数人の友人が共産党員であることを暴露し、尚かつ“NYタイムズ”紙に“自分は共産党員ではない!”と、自費広告まで出して物議を醸しだした。そしてその行為は現在に至っても非難の的になり、98年のアカデミー名誉賞受賞の時には(私もリアルタイムでテレビを観ていた)、式場にいたエド・ハリスらは座ったまま拍手もせず腕組みをしたままだった。 <あらすじ> 1951年9月、ハリウッドの監督デイヴィッド・メリル(ロバート・デ・ニーロ)はフランスから帰国した。帰国パーティの席上、突然に女優のドロシー・ノーラン(パトリシア・ウェティッグ)が夫のシナリオ・ライターのラリー(クリス・クーパー)をなじり始めた。彼が共産主義者を取り締まる非活動委員会に友人を売ったというのだ。ハリウッドでも「赤狩り」というなの魔女狩りがはじまっていた。 翌日、20世紀フォックスのザナック(ベン・ピアザ)から呼び出しを受けたデイヴィッドは弁護士と会うように奨められた。メリルもブラック・リストに名前が挙がっているので、誰かを売ることを勧められた。これを拒否して席を立ったデイヴィッド。 女優のドロシーはFBIにより息子の保護権を奪われた。友人の監督ジョー・レッサー(マーティン・スコセッシ)は逮捕を予期してロンドンへ発った。デイヴィッドも仕事を奪われ、撮影所には出入り禁止。やがてドロシーが自殺のようにして事故死した。委員会の呼び出しを受けた友人のバニー(ジョージ・ウェンド)は、名前を売らせてくれと頼みにきた。デヴィッドはうなずくしかなかった。デイヴィッド自身も審問会に喚問される。しかし彼は、友人の名前を売ることを敢然と拒否した。次に証言台にたったバニーも前言を覆し、名前を売ることを拒むのだった。 ただ、共産主義者は、それを信念としてそうなっているのだから、別に告発されてもそれは受け入れるべきことであるとおもうのだけど。やなら共産主義よりも、生活のほうが大事ってことで、共産主義者を辞めればいいだけのことだし・・って思うのは私だけだろう・・か。そこに登場する人物が被害者として描かれてもあまり好感はもてなかったかな。
by ssm2438
| 2010-05-04 22:38
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主観重視で映画の感想を書いてます。ネタバレまったく考慮してません。☆の数はあくまで私個人の好みでかなり偏ってます。エンタメ系はポイント低いです。☆☆=普通の出来だと思ってください。 by ssm2438 リンク
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